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魔導師の旅日誌 いち

エロ魔人か(笑)とセルフツッコミです。

 魔導師の報告書は、勇者の目覚めから始まっていた。


 脳筋阿呆騎士の馬の上で目覚めた勇者は、自分の状況を把握するなり、さめざめと泣き出したそうだ。


 なぜにムサイ野郎の胸板で目覚めなアカンのかと。嘆きながらチラチラ魔導師を見たそうだが、スルー検定中な魔導師は前しか見てなかった。


 そのムサイ野郎である脳筋阿呆騎士は、(やつ)れた顔で無反応。討伐隊の神官が黙って癒しの魔術をかけたくらいの疲労感パない姿だったそう。そら三日三晩盛ってたら、ねぇ。


 そうそう、新妻さん、ご懐妊だそうですよ。帰ってくるまで秘密だそうですけど。逃げ出すからかな、違うよねきっと。


 勇者はひとりで嘆き喚き逆ギレしてたが、誰にも相手されないときづいてようやく黙ったそうだ。およそ半日、元気な人である。


 初日は王都を出た最初の大きな街に宿泊。宿を決めるのに、声掛けの女の子をナンパしようとしてモメたので、即意識を刈り取りそこそこの安宿にて就寝。お疲れ様です。



 初日の報告書を読んだ宰相閣下は、まだまだ続くだろう日々を想像したのか、頭を抱えていた。早すぎ。



 王都を出たので2日目からしばらくは野宿の予定。苦情は勇者からしかなかったし、仕方ないことだもんね。買い出しは神官と魔導師さんが担当。勇者は脳筋阿呆騎士が抑え役となった。


 しかし、2日目にして問題発覚。


 なんと勇者、馬にひとりで乗れないことが判明。おいおい、王宮でなにやってたの。きちんと教育の時間あったはずでしょうに。


 今から練習してもものになるかわからないし、そもそも勇者にその気がない。ので、脳筋阿呆騎士とタンデム続行。文句があるならひとりで乗れやと。


 ぶつぶつブツブツ文句たれ流しの勇者の周りに、結界を張った魔導師さん、マジ優秀。



 2日目の報告書を読んだ宰相閣下は、勇者の教育係を事情聴取することにした。そしてなにも覚えずに女性を追いかけ回していたことを知り、項垂れていた。お疲れ様です。



 3日目は、我慢の限界(早すぎじゃね?)を迎えた勇者が、街に向かって逃走。花街に逃げ込んだ瞬間に捕獲。簀巻きにして移動を全会一致で決定。


 勇者一行というよりは、魔導師一行の方がしっくりくる内容に、宰相閣下は胃を押さえたが、まだまだ序の口であることは黙っておいた。


 魔王領まで約ひと月半。報告書の日本語訳はまだ1週間程。あと約1ヶ月分の報告書にはなにが書いてあるんだろうね。


 ちなみに、報告書を読んだ琥珀は「去勢する?」と本気と書いてマジと読む表情だった。



マジでこの旅は魔導師の忍耐にかかってます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 宰相の胃に穴空いてそう。魔導師が空間移動を発動して旅程を短縮しそう。
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