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愚か者共は驚愕して恐怖する よん

詰め込みすぎました。

「それでそれで? どうなったのあの阿呆?」


 王宮中庭にある四阿、いつもの(になってしまった)お茶会で、お互い報告しあう中、私の話に食いつく騎士団長夫人、エナさま。


 やっぱり元騎士なだけあって、阿呆騎士を厳しい目で見ていたらしい。てか、だからこその魔王討伐人員だったそうな。罰というか、目を覚ませ的な。


「目は覚めましたよ、多分」


 あれだけ言って、理解したのは「ハリェス嬢は阿呆騎士が大嫌い」だけだけどね! 救いようのない阿呆は存在するのだ。


「自分は好かれてると思い込んでた阿呆が実は嫌われてたと知った時の顔見たかったわー」


 ケラケラと笑うエナさまに、それならと空間に映像を映して見せた。


 結界(気をつけ)から解かれた阿呆騎士は、力なくへたり込み。まだ信じられないのか、チラチラこっちを見てくるので、再度気をつけさせるべく立たせたら、涙目で謝ってきた場面だ。


「あはは! あーはははははははー!!」

「まぁ、こんなことも出来るの?」


 笑いが止まらないエナさまの隣で、真剣に映像を見ている(内容ではなく魔術理論の観点から)シーラさまは、夫に自慢したいわと微笑んだ。



 どうも。私を売り捌きすぎる上司の下から華麗にとらばーゆしたレンさんです。


「魔王討伐の足でまといにならないといいけれど、あの騎士」

「元々いてもいなくてもいい奴だからねー」


 身も蓋もない。でもそれが真実。自分の実力知って心折れてくればいいと思う。



 あれから、秘匿されていた私の情報は、宰相閣下のみに提示された。表向きは。


 実際は夫婦で共用。騎士団長夫妻にも事実を知らせてある。他言無用はもちろんだけど、まぁバレて面倒になったらこの国を出ることまで了承済みなので、大丈夫だろうと琥珀が言ったから。


 私は魔術塔から、宰相閣下付き魔術師に所属移動になった。


 これは魔術師長がゴネたけど、宰相閣下が私の意志を尊重してくれた形で収まった。


 大体、魔術師長は私に仕事を押しつけたい、私の魔法を間近で観察したいのが目的だからね。最初の私の保護から随分と目的がズレたものだ。


 魔術師長には、宰相閣下から注意勧告が出た。


 巻き込まれた私を自分の為に報告しなかったこと。責任問題が面倒だったらしい。罪悪感もあったみたいだけど、衣食住の世話したらチャラみたいな? ふざけんな。


 確かに魔術師長が私のことに関して責任を負う義務はない。けれど、召喚された少女に関して責任はなくても、魔術師のハリェス嬢に関しての責任は発生するのだ。


 阿呆騎士の親友は阿呆魔術師だった。ふざけんな。


 そうして、私は本当の意味で保護されることになった。


「魔術師長には適当なご令嬢を宛がっておくわ。こちら側の責任問題だから、しっかりしたご令嬢をね」


 それ監視の意味も入ってますよねですよねー。魔術以外適当すぎるんだよ、師長。


「・・・・・・ということは、処遇が?」

「相変わらず察しがいいわねー」


 魔術師長には婚約者さまがいる。いや、いた? まだ解消されてないんだっけ? カウントダウン中だったはず。


「誰の元に嫁がせても問題が起きそうな方だけれど、修道院に入れたら終わりにもできない。それだけのことをしたと理解してもらわないといけないわ」


 ふふふ、と微笑むシーラさま。目が笑ってない激おこ仕様ですね。


「彼女に修道院は優しすぎるから、嫁いでもらったわ」

「そうで、す、はぁ!?」

「そうそう、ダンナ様はお仕事で出張だけど、義理の母上が張り切っていらっしゃるからねー」

「だから、貴女への執着はもうないと思うわ」

「はぁ、はい?」


 私への執着? ダンナ様は出張、張り切ったお姑さん………あれ?


「もしかして、阿呆騎士の?」

「やはり察しがいいわね」

「お嫁さんなら誰でもいいみたいねー、ビッシバシ扱くって気合い入ってたわー」


 いや、それ婚約者さま納得………してるわけないな。あの人野心家だったもんな。しかも好みが魔術師長。正反対の脳筋に嫁ぐって、確かに罰ゲーム。


「跡継ぎの問題もあるから、婚姻証はすぐ受理されたわ。お式は騎士(ダンナ様)が帰ってからになるけれど、三日三晩籠ってもらったわ」


 うわぁ。


 同情はできないするつもりもない。けどさー、なんていうか。


 女の闘い、えげつなー。



今年最後の更新になります。お世話になりました、来年もよろしくお願いします。

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