お茶会は女の戦場です? さん
よろしくお願いします。
勇者に魔術指導? いや、勇者って剣士じゃないの?
どうも。ようやくお茶会の本題に入ったはいいけど、あまりの内容に被ったおネコさんが落ちそうなレンさんです。
ローブの中に隠れてる、琥珀の肉球たしたしがなかったら、間違いなくやらかしたろう。肉球最高。
「そうよねー、驚くわよねー」
ケラケラ笑う騎士団長夫人。気さくな方である。
「そうね。勇者さまは、勇者の役割を担うのは構わないそうなの。ただ、勇者として存在するのがとてもお嫌なのだそうよ」
勇者は勇者が嫌だから魔術師としてで魔王退治にいくってこと?
「渋々だけど、それならば行ってもいいと」
なんかやたらと偉そうな雰囲気だけど、会ったことないし余計なことは言えない。それに、拉致監禁討伐強要と日本なら有罪待ったなしの犯罪被害者だもの、怒って当然だしね。
ええ、私もまだまだ怒ってますがなにか?
「けれど、勇者さまは魔術に関しては初心者でしょう?」
確かに。魔物がうようよいる、魔の森に素手で行くようなものだ。
「指導者が必要なのだけど、勇者さまは誰にも会いたくない、魔術師長は指導に自信がない、師長以上に魔術に長けたものがいない、と困ったことになったのよ」
働けよ師長!
「そうしたら、魔術師長から貴女を推薦されたの」
「魔術師長が師長の位を返上したいと弱音をこぼしたらしいわよー?」
いや、確かに師長よりできるものもあるけどさぁ。それは前世の記憶というチートと琥珀のおかげであって、自分の努力でコツコツ頑張った師長と比べたらダメなやつじゃん。……ん?
「……未来の魔術師長……とは」
まさかねぇ。
「そう。貴女さえそのつもりなら後押しするわ」
「後ろ盾にもなるわよー」
「いえ、結構です。なるつもりはありません」
いくら自分の研究に没頭して仕事しない師長の代わりに仕事してたとしても、あんなめんどくさい職に誰がつくものか。師長が狙ってるとしか思えない。
「貴女が師長になれば、あれもこれも解決なのだけど」
「それを推されるつもりなら、わたくしはこの国を出るしかありませんので」
「残念ねー」
「無理強いはしないわ。気が変わったらいつでも聞くわよ」
勘弁して欲しい。マジで。
「だから、もう1人勇者を召喚することになったわ。極秘情報扱いだけど。討伐が成功したら、大々的にお披露目をするつもりみたい」
国王陛下がバカなのバカじゃねバカだったねー。
「勇者の魔術指導については貴女に一任するわ。ニホンという国の方だそうよ」
「はあ。それで、2回目の勇者召喚はいつ頃?」
「今日よー」
「はい?」
「今日というか、そろそろかしらね」
「はい!?」
空気中の魔素が揺れた。地震のように大地が震動する。
空気中の魔素が大量になくなったことで、勇者召喚の成功を知る。
おいおい、なにやってんの?
琥珀が書きたい(笑)