表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/111

お茶会は女の戦場です? に

お待たせしました。

 派手さだけが目立つ赤のドレス。金糸の刺繍がこれでもかと入れられていて、目に痛い。なんだろ、前はもっとセンス良かったのに。


 魔術師長の婚約者さまは、侍女さん達に止められているにもかかわらず、それを無視して四阿までやってきた。


「ご機嫌よう、皆さま」

「貴女はお呼びしていないけれど?」

「ご機嫌よろしくないのは貴女じゃないのー?」


 即行始まる女の戦い。あれもこれもマナー違反な分、婚約者さまは反論できない。


「まぁ、おかしなことを。貴女方ふたりが誘うのは、まずわたくしが先ではなくて? 庶民の女相手に、なぜそんな対等を許してますの?」


 ……できちゃうのか。いや、まずかろう。家格を考えたら親の立場がなくなるよ?


 ちら、と私を見下ろしてため息。なんだろう、演技くさー。


「貴方も、わたくしの誘いは断るのに、権力に靡くのね」


 いや、自分の方が権力笠に着てやりたい放題だったじゃん? あれとかこれとかそれとかさぁ!?


「比べるのは申し訳ないけれど、貴女より話が通じるわ」

「は? ご冗談がお好きですのね」

「冗談が好きなのは貴女でしょー? 私達が貴女を誘うわけないじゃなーい」

「は? 魔術師長の妻となるわたくしを誘わずに、誰を誘うというのです?」

「「未来の魔術師長?」」

「は?」


 は? ばっかだなこの人。てかなんでまだ妻にもなってないのに、上からな態度なんだろ。元々か?


 あれ、未来の魔術師長? そんな人がいるんだ? 確かに、魔術の研究だけしてたい人だもんね、うちの師長。まぁ、魔術塔所属のほとんどがそんな感じだけども。


「まぁ、いいでしょう。貴女にも話すことがあったことだし」


 宰相夫人が婚約者さまを見上げた。視線は呆れと侮蔑を含んだ冷たいものだった。


「貴女、社交界に残りたいのなら、静かになさいな」


 これ以上やらかしたら後がないぞ? ってこと? 的確で確実な一撃だなぁ。


「は? わたくしは静かですけれど?」

「あれでー? ないわー」


 全くだ。


「ハリェス嬢にたいするあれやこれも含めて、貴女はやりすぎだわ」

「わたくしの優しさを無下にするこの女が悪いのですわ」


 この女呼ばわりきたこれ。かなり見下してるの隠さなくなってきたね。


「優しさー? 自分の婚約者盗られるかもって焦っただけでしょー?」

「は!?」


 どうでもいいけど、は? って口ぐせなんだな。


「忠告はしたわ。これから私達忙しくなるの。貴女に構う暇はないから、 大人しくしておいた方が貴女のためよ?」

「脅しですの? 宰相夫人ともあろう方が?」


 ハッ、と鼻で笑うと、婚約者さまは挨拶もせずに去って行った。何がしたかったんだ、あの人?


 最後まで席を用意されなかったけど、それに気づいて……はいないだろうなぁ。主催者から社交界への出禁宣告なんだけどな、あれ。


 まぁ、マナー違反だから仕方ないな、うん。


「あちらの方もなんとかしないといけないわね」

「魔術師長がなんとかできるとは思えないけどー?」


 確かに。


「相談するわ」


 大人の都合と権力の兼ね合いですね、はい。


「で、本題なのだけれど。ハリェス嬢」

「はい」

「貴女、勇者の魔術指導してもらえないかしら」


 はい!?



次話、ようやく話が勇者に戻ります。本人まだまだ出演してはもらえませんけど(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新ありがとうございます 相変わらずのお花畑ですねー、あの自信は何処から来るんですかね?婚約者が魔導師長になると信じ込んでいるからですかね?お花畑と結婚してあの人が魔導師長になったら、国が…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ