007 ストレスは乙女の敵
花粉症レベルMAXの桜月が通ります。
どうも。トゥレンことレンさん、まだしばらくは2歳です。発声練習始めました。
あれから、姉さまは本格的に離れに居着いてしまった。本宅のものを全てこっちに移して、勉強もレッスンも先生をこっちに招くようになった。邪魔にならないように離れようと(逃げたんじゃないよ、勇気ある撤退だよ)した私は、笑顔の姉さまに捕獲されて隣で一緒に学ぶことに。なせだ。
姉さまの足は4日ほどで歩けるようになったよ。良かったねぇ。ついでだから本気で遊んでみたよ。かくれんぼから探検から庭で追いかけっこやら、思いつく遊びを一通り。ナディアナさんとミリーヤさんと姉さまの名も知らぬ侍女さんも巻き込んで。
姉さまが嬉しそうでなによりだ。美少女の満面の笑顔、マジ眼福。
夜は姉さまのお話を聞きながら寝落ち。勉強して遊んだ身体は疲れてるよ、半分も聞けないよ。ほぼ睡眠学習だよ、ごめんよ姉さま。で、その話の中には当然母親とのエピソードがあるわけだ。
私的に母親は発狂の人なんだが、姉さまの話の中ではまとも。てか、かなりの常識人。何気ない会話の中に常識やマナー、人の見極め方なんかが散りばめられてて、無意識に覚えこんでる感じ。
どうりで、姉さましっかりした5歳児なわけだよ。そんな教育ができる女性が狂うほど、跡継ぎに男子を産むのはストレスなのか。恐るべし、お貴族さま。
高笑い以外まともなら、弟はちゃんと育つかなと思ってる。まだ半信半疑だけど。
そうそう、姉さまの上から侍女さんには、誠心誠意謝られたよ。姉さまのストレスには気づいていたものの、どうすることもできず。ならば、母親と以前のようにと打診するもスルーされ。困り果てたところに姉さま大爆発。
飛び出した姉さまを必死で探してたそうだ。見つかって、ものすごくホッとしたものの、そばにいる私がケガの原因かと疑ったんだって。あの時の見下し感といい、どうやら本宅での私の評価は低い模様。どうでもいいけど。
でも、離れに移ってからの姉さまは、とても晴れやかな表情でよく笑うようになった。自分にできなかったことをやってのけた私に(いや、私なにもしとらんがな)正直嫉妬はあるが、姉さまが幸せならいい、と土下座に近い体制での謝罪だった。
姉さま、愛されてるよ。良かったねぇ。
「ねえしゃみゃ、あにゃちゃのこちょしゅきじょ。だかりゃこりぇかりゃもよりょしくにぇ」
「……は、はい。こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します」
「まちゃいっちょにあしょぼーにぇ」
「それはたのしそうね。よろしくね、スーシェ」
「は、はい!」
そして名前が判明。スーシェさん、推定十代後半が正式に離れに務めることになった。
なんだか、私に優しい世界だなぁとかのほほんとしてたのがいけなかったのだろか。嵐は突然やってきた。
「我が愛しのリリィ! 怪我をしたと聞いたが大丈夫なのかい!?」
誰やん、こいつ。
目のかゆみでかきむしって涙目になって使い物にならない、鼻水とくしゃみで画面が(泣)のループです(笑)