ここはどこ? 琥珀は琥珀
琥珀説明回です。
「話せるの? じゃ今までなんで」
「あー、うん。レンの世界には魔素がなくてね? だからケガの治りも遅かったし話すことも出来なくて」
「魔素? がないと大変なんだね」
「うん、ボク魔虎だからね」
魔虎とな?
「あれ、でもあの時のケガは一晩で」
初めて会った時しか、琥珀はケガをしてない。
「うん、あれはレンの中にある魔力をもらったんだ」
「私の魔力?」
「あの世界ではなんの効力もないけど、レンはかなりの魔力の持ち主だからね。おかげでケガはあっという間に治ったよ。ありがとう」
「いえ、どういたしまして?」
お礼を言うならこっちの方だ。琥珀がいてくれて助かったことの方が多いもの。
「琥珀こそ、私のそばにいてくれてありがとう。勝手に名前つけたり色々しちゃったけど」
「ああ、それね。名前は気に入ってるからいいよ。ただ、ボクに名前をつけたことで、レンとボクは契約しちゃったから、そこはごめんね?」
「契約?」
「そう」
琥珀はふわりと大きくなった。真っ白い虎さんかっけーかわえーモフりてー!
「ボクは魔狼と魔虎を親に持つ魔物なんだ。名前をつけて魔力を与えられると契約は成立するんだよ」
つまり、私が名前をつけたからってこと?
「ボクはボクを助けてくれたレンのそばにいたいから契約したんだよ? 縛りつけてなんかないよ?」
「ほんとに?」
「本当に」
ならいいんだけど。自由を奪ったなら悪いことしちゃったし。
「それに、ここ、ボクの故郷だし」
「え、マジで!?」
「うん、ちょっと年代はボクの産まれる前みたいだけど、間違いないよ」
琥珀の故郷かぁ、良かったねー。
「だから、これからもよろしくね?」
「うん、こちらこそよろしく。お世話になります」
もふもふに抱きついた。たはー、もふもふ最高ー!
「うん、ボクずっとレンと話したかったんだ」
「これからはずっと話せるよ!」
「ふふ、うん」
ゴロゴロと喉を鳴らす琥珀に、知らない世界なのに不安が消えてく。琥珀がいてくれるならなんか大丈夫な気がする。
「あー、そろそろ結界を解いてもらえるか。我々以外は誰もいないし、この部屋に結界を張ったから誰に気づかれることもないだろうから」
私達以外の声がしたのはその時だった。
てか、いたんかい!?
どこかの魔王さまの魔虎さんと? なのかなー。