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補足 とある彼女が語る未来への話

補足です。回収忘れをあれこれと。

 その御屋敷には、哀しみが溢れておりましたの。


 理由は、ご令嬢が行方知れずになった事でした。


 御屋敷の皆さまに愛されておいでだったご令嬢は、王宮での宴の中起きた騒ぎで、元凶だった女性と共に消えてしまったのです。


 御家族の驚きと悲しみは深く、父君と家令の皆さまの捜索虚しく、未だ見つかってはおりません。


 どんな慰めも意味のないものでしょう。ご令嬢を知る方々は、それぞれの伝を辿り捜索を続けております。


 あの宴、私は出入口に近い所にいたので、逃げようとする方々に押し出されてしまい、詳細は後から聞いたもの。


 光が円を描き、それがご令嬢を呑み込んだ。そんな話をすぐに信じられはしませんでしたが、ご令嬢の周りにできた光の円は、他の誰も寄せつけず、ただひとり、頭のおかしい女性のみが入れたと聞いて、思いあたるものがあったのです。


 ご令嬢は不思議な方でした。私達では考えもしない方法で領地を治めたり、発展させておりました。この世界の人間には、到底知り得ない知識でした。



 …………あー、もういいかしら。


 つまり、私も転生者だったわけ。だから、多分だけど、私もあの光の円に入れたと思うわ。ただ、入れるけど出られない罠ってこと。


 トゥレンさまは、別の世界に飛ばされた可能性が高いのよね。そして、そこも一方通行。召喚して帰さないのはラノベのお約束だもの。


 まぁ、トゥレンさまならなんとかして連絡くらいはよこすはずだけど。


 トゥレンさまが転生者だと気づいてはいたけど、楽しいから黙って見てたこと、今は後悔してるわ。前世のことを話し合えたかもしれないのに、私はそのチャンスを永遠に失ったわ。


 まったくもって忌々しい真っピンクだこと。


 あの子も転生者よね、電波だけど。願わくば、トゥレンさまがあの電波と関わらずに過ごせますように。




 それからしばらく後、トゥレンさまの姉君がラストルさまと婚姻の儀を行ったわ。女子爵を継ぐことになり、トゥレンさまの男爵領も一緒に経営することにしたそう。


 レンが帰ったら、すぐ返せるように、と。


 トゥレンさまの侍女さんは、悲しんでる所を伯爵家長男の腹黒執事に攫われて行ったわ。主であるトゥレンさまからウエディングドレスを預かってたとかで、一気に攻め落とされてアワアワしてる侍女さん可愛かった。楽しく拝見させてもらったわ、満足。


 トゥレンさまの執事さんは、男爵領に籍を移して探索を続けるのですって。フラれたのに諦められないのでしょうね、好きな人のこと。


 見てる側はバレバレだったのに、なぜトゥレンさまは気づかなかったのかしら、マジ謎。そして無邪気にフラグも折るのね、ふふ、楽しい。


 セレイアさまは、二男三女の母になられたわ。母は強しってホントよねぇ。


 まぁ、私も人のこと言えないんだけど。


「ケリィゼ?」

「なんでもありませんわぁ」


 小さな我が子を抱き直して、微笑む。


 ねぇ、トゥレンさま。


 私達は貴女のことを忘れたりしませんわよ? だから、いつお帰りになっても問題ありませんわ。


 まぁ、そんな暇はないでしょうけど、ね。








これにていち。完です。次話、に。はレンさんの前世をサクッとの予定です。よろしくおつき合いくださいませ。

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[一言] レンちゃん、何処行った?!
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