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006 子供も苦労してるのだ

花粉症の季節がまいりましたね~。

 どうも。

 トゥレンことレンさん、まだまだ2歳てす。せめて呂律が回るお年になりたい。これ切実。


 さて。どうリリ姉さまにごまかすかと思ってたら、私を探しに来たナディアナさんと、姉さまを探しに来た侍女さんが、私達の目の前でエンカウントした。タイムリーだなぁ。


 姉さまの姿を見た侍女さんは、びっくりして青ざめて卒倒しかけて立ち直って、私にお前がやったんかいとケンカ売りやがった。忙しい人だ。姉さま本人の否定と注意により謝罪されたけど、なんか姉さま至上主義てか私を見下してるっぽい。


 それにナディアナさんがお怒りだったけど、姉さまの足の具合を心配する私に、はっと我に返ると姉さまを抱き上げてくれた。


 侍女さんが本宅に走りお医者さんを、ナディアナさんは姉さまを離れへ、それぞれ走り出す。本当は侍女さんが姉さまを抱っこして本宅に戻ればすむ話だったんだけど、姉さまが拒否。まだ反抗期だったもんねぇ。


 転ばないようについていく私を確認しながら、ナディアナさんは姉さまを抱えて離れへ急ぐ。本宅の方が遠いからこっちで正解かもしれない。応急処置も間違ってなかった。一安心。


 しかし私の足が遅くて、段々ナディアナさんから離れてく。必死に走ってもリーチの差はどうしようもない。はふはふ言いながら走ってたら、ナディアナさんに気づかれた。


「レンさま」

「じゃ、じゃいじょ(だいじょ)びゅ()

「リリアナさま、失礼致します」

「ええ、だいじょうぶよ」


 ナディアナさんは、姉さまをお姫さま抱っこから子供抱っこに変えると、私の前にしゃがんだ。


「ぅおっ?」


 右腕に姉さま、左腕に私を抱えてナディアナさんは再び走り出す。子供とはいえそれなりな重さだと思うけど、ナディアナさんは息も切らさず走ってく。スゲェ。


ちゃかいにぇー(たかいねー)


 視界が高ーい広ーい。


「ナディアナはちからもちね」

「リリアナさまとレンさまが軽くていらっしゃるんですよ」


 笑顔で謙遜とかなにそれステキ。



 上からな侍女さんが呼んだお医者さんの診断は、軽い捻挫。動かさずに冷やすことと湿布みたいな貼り薬が出た。ちなみに応急処置はお医者さんにも誉められた。やればできる子です。エヘン。


 姉さまは安静にとのお医者さんの言葉と、本人の意思で離れにお泊まりが決定。しかもパジャマパーティーもなし崩しで承認。やったぜ女子会!


 まぁ、ほとんど全部姉さまのお話を聞いて終わったけど。寝落ちするまで楽しく聞いたよ。思い出話や勉強のこと、厳しくも優しかった頃の母のこと。


 思うに、姉さまはストレスの塊だったのかもしれない。話を総合すると、勉強とレッスンばかりで発散する場も機会もない。そらストレスも溜まるはずだわ。


 次の日、めでたく仲良く朝寝坊した私達だったけど、姉さまの顔はすっきりとしていた。




おのれ確定申告許すまじ。詳しくは活動報告にて。

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