046 王宮とお茶会とステルスと さん
桜月的タイトルは、花粉と確定申告と人事異動だコンチクショウ、です。
いつも誤字脱字のご指摘感謝しております、ありがとうございます。
本日2度目のお風呂は王妃宮でした。
……マジか。
つるつるピカピカに磨き上げられましたとも。王妃さま付きの侍女さん達半端ねぇ。
ドレスは新品でサイズもぴったり。どこから調達したんだろうとか思ってたら、なにかあった時のためにサイズ別に何着か予備があるのだそうだ。王宮すげぇ。
元の髪型に編み直してもらって支度が終わると、私はとあるお部屋に放り込まれた。
主要人物勢揃いの、ピリピリした空気が痛いくらいに怒ってる人達ばかりである。
目が笑ってない王妃さまに、その隣にいる男性は見るからに真っ赤な顔で怒ってるし、セレイアさまと姉さまの威圧の微笑みに、セレイアさまの父である宰相さまは仁王立ち。第1王子はセレイアさまの隣で冷たい目で部屋の角を見てるし、イディアさまとケリィゼさまはあらまぁほほほとレーザービーム並の眼力で1点を見てるし。
ひとり立たされてるのは、私を突き飛ばした令嬢かな? なんか涙と鼻水と冷や汗でとんでもないことになってるけど。
……あれ、第2王子は? と思ったら、すみっこで丸まってた。あの態度のデカさはどこいった。
私は姉さまとセレイアさまに挟まれて座った。
「……レン、頬に傷が」
全身チェックされてた模様。ちなみに額にもある。髪を掴まれた時に爪でも当たったんだろう。
「てあてはすんでいます。おうひでんかのてはいにかんしゃします」
「謝罪はこちらがすることですよ、ハリェス子爵令嬢」
口にするなり、王妃さまが立ち上がって優雅に腰を落とした。頭を下げたカーテシーは王族がやっちゃいけないやつ!
「おやめください、おうひでんか!」
「自分のしたことを反省できない子にしたのは親の責。代わりに謝罪することに、王族も貴族もありません」
「ははうえぇ!?」
男前!
しかし、そうか。反省できないのか、それであれか。あれは俺は悪くないって抗議のつもりなのか。バカだなぁ。まぁ、こっちもお返しに押さえつけて暴言吐いたし。別にもう2度と会わないなら無問題。
「私からも謝罪を。弟を諌めることが出来ずに申し訳ないことをしました。怪我が小さくとも、弟には罪を償わせます」
「あにうえぇ!?」
第1王子まで何言ってくれちゃってるのかな!?
救いを求めてセレイアさまの父、宰相さまを見たら黙ったまま首を振られた。止められないんかい!? いや、身分に驕らないいい人達だよ? だけどなんで上がこれなのに、下がアレなんだ?
疑問はわざとらしく聞こえてきた咳払いで解消された。
「あー……王妃よ、それくらいで良いだろう。ハリェス子爵令嬢への詫びは、あれとの婚姻で良いのだろう?」
……トップがクズって救いようがないなー。
今年は花粉が少なくてありがたいです。