043 嵐はフラグを立てて去りぬ
退場です。……多分。
あの後、あれは猿轡を噛まされ手足を拘束された状態で迎えに引き渡されたそうな。
暴言暴行でやむを得ず、という建前が拘束を解かれた本人によって真実になったので、ここからはスムーズにことが運んだそう。かなりな暴れっぷりだったみたいだし、これはしょうがないよね。
どうも。なんとか片づいた後の疲れが半端ないレンさんです。
さて、後日談だけども。
まず、本人は戒律が厳しいことで有名な修道院に送られた。ほんとにもう速攻って感じで、本人だけが放り込まれたそうだ。まぁ、修道院にあの真っピンクなドレスは必要ないからねぇ。
修道院につくまでとついてからもなんかすごく暴れてたらしいけど、侯爵家の優秀な護衛さん達が最速で送り届けたんだって。馬車じゃなく、拘束したまま馬で。
「普通なら、淑女になんてことを。と抗議する所だけど、淑女にあるまじき行いしかしていなかったからねぇ」
同情の余地もなかった、が皆の共通認識になった。お疲れ様です。
それでも一応、最初は馬車だった。でも窓開けて叫ぶし扉開けようとするしで、拘束されたんだけど、芋虫状態でも暴れるから馬が興奮しちゃって、護衛さんが担いで馬に乗せたんだって。
まぁ、それでも暴れ続けたので最後は気絶させたらしい。ご苦労さまでした。あとは修道院にお任せしようそうしよう。
「今から躾け直したとしても、間に合うかしらね?」
三つ子の魂百まで、と言うからなぁ。てか姉さま、修道院て行儀見習いとかであって、躾する所じゃないと思うんだけど。
「下町の子供より礼儀のなっていない貴族に、社交界での居場所はないわよ?」
ごもっともです。
実家の男爵家は取り潰しになったけど、男爵夫妻は隣国に引き取られた。奥方が隣国の王族に連なる方だそうで。どうやらお花畑はこの奥方のよう。最後まで娘の現実を認めようとしなかったとかで、隣国でほぼ幽閉に近い扱いになるだろうと父がため息をついていた。
男爵の方は、惚れた弱みなのか奥方を否定しないので、離縁しない限りまともとは判断できないと、奥方と同じ扱いに決まった。
実家という後ろ盾がなくなったことで、修道院から出てくることはできないだろうと皆思ってる、てか願ってる。フラグじゃないよ?
ともかく、これ以上はたとえ国王陛下でも踏み込めない領域なので、私達もこの件はこれで終わりだ。
あ、追い剥ぎされた伯爵家のご令嬢は馬車の中で無事見つかったよ。下着姿を誰にも見せられなくて泣いてたそうだ。普通はこうだよねー。
そんなこんなで平穏な日々が戻ったと思ったんだが、これはどういうことだ?
皆さまお身体には気をつけて!