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40 未来が遠くに見えているよ

花粉の季節がやってきたぞこんちくしょう(笑)

「……でして、わたくしはーーーーのーーーーですの。それに……」



 長々と語られるのは、自分自慢とお家自慢。なに言ってるのか、正直よくわからん。自分で頑張ったものがなにひとつないのに、よく堂々と自慢できるな。


 カチャ、とカップを置く音がした。


「もうよろしいわ。ごきげんよう」

「え? でも、あ……」

「ごきげんよう?」


 にっこり笑顔が「はよ立ち去れ」と語っていた。侯爵令嬢セレイアさまは、日々姉さまに似てきてると思わなくもない。美少女はなにしても可愛い。これ正義。



 どうも。セレイアさまのお友達選びのお茶会に審査側で参加中のレンさん6歳です。


 中庭のテーブルに、セレイアさまを真ん中にして左右に私と姉さま。そこにお客さまをお迎えしての面接形式。何人か終わったけど、多分合格者はいない。


 そもそも、なんでセレイアさまと私達が決めるのかって話なんだけどね。なんかセレイアさま、第1王子の婚約者候補筆頭なんだって。てか、王子の一目惚れからのマジ惚れにより、ほぼ決定らしい。


 未来の王子妃になる予定のほんわかセレイアさまに、それなりなお取り巻きを作っておかないと、社交界のあれやこれを姉さまひとりでこなすことになりかねない、ってことになったそうだ。


 ちなみに私は裏方に回る予定。意図せずに王宮女官への道が開けちゃったよ状態。


 そんなわけで、最終判断がセレイアさまとの相性なのはわかる。ここにくるまでに散々ふるいにかけられてるのも知ってる。


 普通、この子が新しいお友達(お取り巻き)だよと紹介されるのがお貴族さまというものなのだ。いや、家もそうだけど、セレイアさまのとこも普通じゃなかったわ。私達的には普通でも、お貴族さま的には落とした子達の方がいい子なんだもんなぁ。


「あとなんにんですか、ねえさま」

「今日はあとひとりよ、レン。がんばりましょう」


 今日は、って言った? てことは次があるってこと?



「カルディナルこうしゃくけ次女、イディアにございます」


 カーテシーも完璧な小さな淑女は、栗色の髪と緑の目のちょっとキツめの美少女だった。美少女率高いなー。目の保養目の保養。


 深緑のドレスはレースが控えめだけど、可愛らしさは負けてない。セレイアさまには合わないけど、彼女にはとても似合ってる。


 センスは良さそうだ。服も話術も。無駄な自慢話も出ないし、挨拶したらこちらの発言を待つこともできる。


「そうね。リリィ、なにかあるかしら?」


 それを見て、セレイアさまが微笑んだ。あ、気に入ったみたい?


「……では。セレイアさまのご友人になられましたら、あなたはどうなされますか?」


 察した姉さまが出した質問は最終判断だ。この答え次第で当落が決まる。


「そうですわね……、この場を見ただけのはんだんにはなりますが、ハリェス家のおふたりはセレイアさまとご友人でいらっしゃる様子」


 質問にイディア嬢は首を少し傾げた後、さらりと言った。


「でしたら、わたくしはおふたりがこえられない身分を担いましょう。公の場で周りの方に言い返せるのはこうしゃくけのわたくしがぶなんでしょうし、セレイアさまにまとわりつく方もおられるでしょう。身分はどうしようもありませんが、ああいう方々はそれでおとなしくなりますもの。セレイアさまのしんらいを得られるよう、精進いたします」


 真面目か!

新入りさんがやってきました。真面目さんです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 合格なのかな。まあ身分的に無難でしょうね。自分の意見言っているようですし良いかな。
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