表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/111

023 ステルスも極めれば役に立つ?

父との面談、長引きそうです

 貴族の娘なら、政略結婚なんて当たり前なんだろう。けど、私はまだ彼を忘れることができないでいる。こんな気持ちで相手を探そうなんて、相手に失礼だし私が納得できない。


 生やら世とか界を跨いでまでしつこいかもしれないけど、気持ちに嘘をついてもいいことはないし、ストレス溜め込む生活も多分無理。つくづくお貴族さまにはむいてないのだ、私。


 おひとりさま上等だ。独身街道ドンとこい! 操でもなんでも立ててやらぁ!


 どうも。初恋を終わらせることができないまま、引きずり流されてるレンさんです。



 父親と初めての顔合わせは、子供としてではなく、()として臨んだ。さて、私の爆弾発言で固まった大人をどう解凍したものか。


 そらそうだよなぁ。3歳児が結婚はしない、働きます宣言なんて普通はしないもの。私普通じゃないのか、うんそうね。


 びっくりしたままの(多分血縁有りの)父と、なんか納得しましたな執事長。これ、ずっと執事長が陰から支配……支えてきたんだろうね。わーかほりっくじゃなかったのか、父。いや、それは間違いない。執務室から出てこないらしいし。


 なんか、ほぼ執務室で生活してるらしいよ? 自分の部屋もあるのに、執務室の仮眠部屋で寝てるそうだ。おかげで子爵家の業績は右肩上がり、うちの使用人は安定した職でウハウハ。子爵その人の真っ黒な隈さえなければ、私もなにも思わないんだけど。


 この人、一体なにから逃げようとしてるの? 


「トゥレン様」

「はい」


 私の目線に合わせてしゃがんだ執事長は、真っ直ぐに私を見つめてきた。


「どこまでご存知でいらっしゃいますか?」


 えーと、割とどこまでも? てか、鋭いな執事長。ステルスな私は、どこに行っても気づかれない。ので、使用人のあれやこれいやんな噂話から、子爵家の昔話まで結構聞くことができてる。情報って大事だよね。


「貴女は、子爵家のご令嬢でございます。働くなどお考えになりませぬよう」

「いまはよくても、いずれそれではよくないひがくるのでは? このままでは、そうそうにししゃくさまはたおれますよね?」


 その時、それでも私はきっと家を助けるために嫁ぐことはできない。ならば、別の手段を考えなくては。


 そう言う私に、執事長は目を伏せた。


「貴女から見てもそう思われますか」

「ねぶそくか、こころにふたんがあるのか。どちらにしてもげんかいがちかいかと」


 今だって、衝撃を受けすぎたのか寝不足なのか、思考がまとまらないみたいだし、まともに立ってられないように見える。


 ホントにこの人大丈夫?



レンさん、耳年増疑惑。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ