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022 目標はでっかく!

レンさん、自分の将来を思う。

 あの後、思わずおバカラストルのとこまで行ってなんなのあいつは! と叫んでしまったレンさんです。


「きてたのか!? あいたかったなぁ」

「あわなくてよろしい。てかにどとあうべからず。きょういくによろしくない」


 確かに、貴族としては正しいだろう。でも、私にあの思考はいらない。奴は帰る時、「では、また」と言い捨てて行った。また来る気満々な笑顔だった。胡散臭い。


 これは婚約とか事業提携とか正式に申し込まれる前に、子爵に会ってこれからを擦り合わせといた方がよさそうだ。


 と、執事長に父である子爵への面会を申し込んだら、ぱちくりと固まったよ。そんなに驚くことかね? それとも、ハリェス子爵に会いたいって言ったから? だって、お父さまなんて呼んだことないし、そもそも会ったことないじゃん。


「し、しょ承知致しました」


 動揺したのか、噛みながら了承の言葉をくれた執事長は、確か子爵と歳が変わらないと聞いている。幼なじみというか、乳兄弟みたいな感じ。陰から子爵家を支えてるのはこの人だろう。だって父はわーかほりっく。



 だから、面会にはしばらくかかると、なぜ思ったその時の私!


 3日後には父の書斎に呼び出されたよ! なにこの私的怒濤の展開!



 机の前に立つ父と、向かい合う私。背ぇ高いなー。

 見上げた父は栗色の髪に琥珀色の瞳の、なぜか私に似てるような気がするイケメンよりな20台後半だった。


 あれぇ? 私、父の子じゃないんじゃなかったっけ? 確実に血の繋がりを思わせるくらいには似てるよ?


 頭の上にクエスチョンを飛ばす私を見たまま、動かない多分父。驚くのはいいけど、そこまでか? てか、一応自分の子供(戸籍上は)の情報くらい把握しとけよ。


「はりぇすししゃくさまには、おはつにおめにかかります。とぅれんでございます」


 お子様カーテシーでご挨拶するが、まだ動かない父。なんか余計驚かせたみたいなんだが、気のせいか?


「旦那様」

「っ、あ、ああ」


 執事長が声をかけてようやく解凍された父を、執事長さんは呆れて見てる。いやいや、貴方も私と父を見比べてたじゃん。そんなに似てるのかね。


「きょうはおいそがしいのに、おじかんをつくっていただきかんしゃします」


 大人ふたりにまかせてたら、話がちっとも進まないので、勝手にやらせてもらうことにした。時間はプライスレスなのだ。


「せんじつ、ラストルのおともだちがなぜかわたしをたずねてまいりました。おねえさまかわたしとなかよくなりたいといわれました」


 報告は執事長からされてるだろう。頷く執事長を見て話を続ける。


「わたしには、かれとなかよくするりゆうがありませんので、つぎからはおことわりしたいのです」


 子爵家的につき合わないとまずいのならば、なにか考えないといけないけど、そうでないのなら出禁にしてほしい。


 これも執事長が頷く。問題ないらしいので次。


「それから、わたしはしょうらいこんいんはしないではたらきたいとおもっています。なので、お見合いはしないでどこかーー」

「え?」

「は?」


 ふたりして話を遮るなよ。大人なんだから、話は最後まで聞こうよ。マナーじゃん。


「せいりゃくてきないえのこまにはなれませんので、さいしゅうもくひょうをおうきゅうじじょにしたいとおもってます」

「……あー」

「は!?」


「なので、ごさいのおちゃかいはひつようありません。べんきょうして、どこかじじょみならいなどありましたらはたらきたいので、きょかをください」

「……は!?」


 目指せ自立。目標は職業婦人! 王宮の女官とかなれたら食いっぱぐれはないしな!



父より執事長のが話わかるんじゃね? と思いました。

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