020 どうしようかね?
亀ですみません。
世の中には言ってはいけない言葉や、本当のことを言うと傷つくから、とかいう人としての優しさがあるわけなんだが、それを踏まえた上であえて言おう!
「しつじ、むいてないんじゃない?」
「ぅわあああぁぁぁん!」
だって超真実。
どうも、口だけ成長著しいまだまだ3歳のレンさんです。
またバカを泣かせてしまったけど、反省はしない。むしろ泣かずに反省して努力しろと言いたい。それくらい酷いのだから。
バカにつける薬はないっていうけど、本当だよねとしみじみ思う今日この頃。
さて、うちに執事見習いで放り込まれたバカことラストルくん。別館は立ち入り禁止なので、執事長さん自らご指導されてるとのことだった。
5歳児にできることなんてたかがしれてるけど、マナー等は実家でも教育を受けていただろうから、後は口の悪さと態度のでかさくらいかと思ってた。周囲の大人も然り。
いやー、甘かったね!
まず敬語ができない。すぐ「俺は伯爵家」を振りかざす。伝家の宝刀かと。教えても覚えない。貴族の基本がなってない。伯爵家から追い出されたのにも納得な残念っぷりだったわ。
これじゃ、騎士見習いになんてなったら1日で潰れるよなぁ、と誰もが思ったに違いない。伯爵ご夫妻の方向性は間違ってなかったよ。うちに迷惑がかからなければな!
結局、執事長とトールのお父さんが交代で面倒見てるそうだ。てか、伯爵家のお坊っちゃまは脳ミソつるつるなんじゃね? 毎日同じこと教わるってどんだけー。
私は自分のお勉強があるし、姉さまの勉強にも強制的に参加させられてるので、3歳にしてはお利口さんだと認識されてるよ。姉さまはそれ以上だけどね!
そんな私にお客さまがいらしたのは、そんなバカの処遇をどうするかと大人達が本気で思案し始めた頃だった。
本館の応接室に入ると、デカイソファーにちょこりと座る子供の姿があった。どこかで見たような気がするけど、この世界、茶髪ばっかりだからなぁ。
茶髪に金の目の少年は、ソファーから下りると一礼した。
「ルドナはくしゃくけ、じなんのフィナルです」
「はりぇすししゃくけ、じじょのとぅれんです」
とっさにお子さまカーテシーで返事を返す。そして思い出した。
バカことラストルのお取り巻き、あの誘拐未遂の時にラストルが連れてた男の子だった。
味方を後ろから撃つ奴がなんの用?
しかも大事なとこは次回っていう。