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019 大人って……

ようやく名前が出ました。

 みんな丸く収まりましたちゃんちゃんとかふざけんな認められるかこの野郎。


 ……失礼。私としたことが取り乱したわ。それくらい衝撃的な出来事があったレンさんです。



 怒れる姉さまが、私の無事を確認して安心しつつも、怒りは鎮まらずバカをギャン泣きさせる中、バカの迎えがやってきた。


 バカの両親である。ふたりは、私と姉さまに真摯に謝罪してくれた。子供だからと下に見ることもなく、大人同士のようなやり取りだった。貴族社会怖い。


 そして、当のバカの処遇を話し合ったらしい。私は疲れて途中で寝た。眠気には勝てない、だってまだ3歳。


 結果。


 金髪碧眼の生意気そうなガキが、偉そうな雰囲気そのまま執事服に押し込めて、不本意ですと言わんばかりの不機嫌さで立っていた。何事。


「……らすとるです。よろしくおねがいします」


 なぜにうちで執事見習いかね!?


 私がバカと呼ぶ、ラストルは伯爵家の生まれではあるけど、三男のために伯爵家に残ることはない。簡単に言ってしまえば、自分で稼げるようにならないといけないってこと。


 大体は騎士とかになるんだけど、手っ取り早く貴族のままでいられる方法が、爵位持ちのご令嬢に婿入りすること。姉さまのお茶会はその最たるチャンスだったのだ。


 実は姉さま、男爵位を持ってるらしいのだ。姉さまが爵位を継いでもいいし、婿殿に継いでもらってもいい。実にお得な人材であるようだ。


 なので、自分の息子を想う親からの売り込みがすごい。バカの親も然り。てか、甘やかしすぎじゃね?


 そんなチャンスを自分からぶち壊したバカは、親からも呆れられてしまったみたい。見捨てられたわけではないけど、ちょっと厳しく躾直しが必要だという結論になったそうな。


 でも、自分の家ではまた甘やかしてしまうかもしれない。だからなんでうちなのさ。てか、うちに放り込んであわよくば姉さまに取り入ろうってことじゃないの?


 ()()姉さまがそれに気づかないはずがないじゃないのさ。バカは最初から婚約者候補から外されてるよ、きっと。


 悪あがきもいいけど、躾直しをうちに丸投げとかさすがお貴族様である。


 貴族社会のルールはよくわかんないけど、伯爵家からのごり押しを断れないうちは子爵家。貴族社会面倒。


「よろしくはしないわ。あとはおねがいね」


 にっこりと、笑ってない笑顔で姉さまが執事に言う。


 意訳。許すわけねぇだろが。さっさと出ていけや、二度と来るんじゃねぇぞコラ。


 本館の執事だろう彼は、一礼するとバカを抱えて出ていった。出来る男は仕事が早いねー。


「なっ、なにをする! おれははくしゃくけなんだぞ!」


 理解できてないバカである。救いようがないな。



ラストル君、おバカすぎて執事さんに教育的指導を受ける。が理解する脳ミソをお持ちでなかった、とか(笑)

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