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009 嬉しさとアホらしさとぶちギレを

別タイトル。

レンさん、いっきまーす!

 どうも。レンさんです。やっとこ3歳になりましたー!


 姉さま達にお祝いしてもらったよ! ケーキ美味しかったなぁ。プレゼントももらったの。姉さまからはキレイな水色のリボン。キラキラしてるリボンで私の髪を結んでくれたの。


 ミリーヤさんからは新作リュック。こちらも水色でかわいらしい。でもフリフリは程々でいいと思うの。


 ナディアナさんは新しい帽子。シンプルな白い帽子に、青いリボンがついてた。お散歩用にするにはもったいないくらいステキだった。


 姉さまの侍女さんからは、刺繍入りのハンカチをもらった。イニシャルと花がキレイに刺してあった。器用だなぁ。


 もらったものは、嬉しくて宝物になった。もったいなくて使えないと思ったけど、使わない方が失礼だから、たくさん使って見せてね、と姉さまに言われてしまった。


 こんなに幸せでどうしよう!?



 ……だというのに、この男はよぅ。


「わたしはお前に会いたくなどないのだからな。我が愛しのリリィのためなのだからな」

「だきゃ()ら、うちにこにゃ()くてもいいと、てかめいわくですがにゃ」


 滑舌が大分改善されたよ! 練習したからね!


 この自称紳士、中身はシスコンで隠れマザコンの兄は、あれからちょくちょく離れへとやってくる。姉さまへのご機嫌伺いだ。


 姉さまには会ってもらえないけどな! 


 まだ怒ってるんだよ。怒った姉さまもかわいいけど、笑ってる方がいいなぁ、と言ったら私達には笑顔になってくれたけど、兄が訪ねてくると般若になるという。しかも面会拒否。これループ。


 何度か繰り返して、ようやく(てかドS執事の進言かも)私への謝罪にたどり着いたわけなんだが。これ、謝ってないよね? 許す以前の問題だよね?


 毎回相手になる私の身にもなってもらいたい。会いたくないのは姉さまだけじゃないんだけど。


 応接間のソファーにちょこんと座らされて、お茶が置かれてるテーブルにも届かない。みかねたナディアナさんがサイドテーブルにお茶とお菓子を乗せてソファーの脇に置いてくれた。ありがたやー。


「思うに、リリィがあんなにわがままになったのは、お前のせいではないかと思うのだ」

「……は?」


 なに言っちゃってんのこいつ? まったりとお茶を飲んでた私は、聞き間違えたかと思った。しかし、本人は至って真面目だ。……バカなの? 知ってるけど。


「そうでなくては、我が愛しのリリィがあのようにわたしをきょぜ……距離を置こうとするはずがない」


 なんかいかにも正しいこと言ってる、と自分に酔ってるみたいだけど、後ろでドS執事が笑いを堪えてるの、気づいてる……わけないか。


 しかも内容が事実とは正反対の、自分に都合のいい部分だけをつないで解釈(もうそう)したもの。バカじゃね?


 呆れてる私達に気づくことなく、バカの妄想はさらに明後日へと走り出した。


「お前のような不器量な子供が、我が愛しのリリィの隣にいることすら不愉快であるというのに、純粋なリリィをそそのかしてあのようなことを言わせるとは許しがたい」


 ……。


「優しいリリィはお前を許してやっているようだが、わたしは甘くはない。謝罪をしてリリィに嘘をついたことを説明しろ。そしてリリィを元に戻すのだ」


 …………。


 ぶちん、とナニかがキレたような気がするが、気にしたらホントになるから気にしなーい。


 ……こんの、ド阿呆が!!



次回、レンさん3歳。噛まずに罵れるか!? 乞うご期待(笑)

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