high-five34ex.《お天気お姉さん》
《high-five27関連》
相賀晴貴のセリエB・セリエA2二刀流入団報道。
スタジオ見学に行った成沢遥香は、
西仲郷素衣と高萩直の仕掛けにより生出演した。
緊張して何をしゃべったか覚えていない。
推薦で早々とつくばね大進学を決めた遥香と、
つくばね大学の一般入試を突破した晴貴も、
入学手続きだけは行う予定だ。
「今日は騙されないからね。
出演する理由もないし」
今週も強引にスタジオへ連れてこられた遥香が、
二人を相手に口を尖らせる。
服装はわざとラフなジャージ姿のまま。
「そう言わず、先週の放送が大反響なのよ」
「シェーンハイトの広報はOK出しているよ」
しかしスタジオ入りすると、
スタッフは真剣顔で何やら協議中。
「どうしたのみんな……」
「春春砲。これですよ……」
スタッフの一人が『週刊春春』最新号を示す。
番組のお天気お姉さんの密会が報じられていた。
「本人は雲隠れ、事務所とも連絡がつきません」
「今から代わりを呼ぶにしても……」
「局アナに代役を頼もうかと……」
「西仲郷さんか高萩さんやってみませんか……」
西仲郷と高萩は顔を見合わせる。
「遥香ってさあ、推薦受かってから、
気象予報士の勉強をしていたよね……」
「そう言えばまだ聞いてなかったわね……」
逃げ出そうとする遥香をがっちりガード。
「この間の気象予報士試験……」
「先週発表だったよね~、
結果はどうだったの?」
意外な成り行きに、スタッフが注目する。
「……どう、だったかなぁ……」
「その言い方は怪しいな……」
「どうしたの、
合格したんじゃないの」
「忘れちゃった、
ダメだったんじゃないのかな~」
西中郷が高萩に目配せをする。
高萩はマネージャーからスマホを受け取り、
どこかへ電話。
「駄目~っ!」
「もしもし、遥美?
ちょっと助けて欲しいのだけれど……」
スタッフが集結する中、
暴れる遥香を西中郷が抑えつける。
「……そう、金曜日が発表だったんだ。
ありがとう。
私達に任せて、
悪いようにはしないから、
それじゃ、また」
スマホをマネージャーに渡して、
高萩は遥香に微笑みかける。
「遥香、気象予報士、合格おめでとう」
「遥香、やったじゃん。
それじゃ初仕事という事で……」
「成沢さん、気象予報士なんですか!」
スタッフがどよめく。
遥香は首を振る、
TVはもういい!
「出演お願いしていいのですか?」
「親の承諾は取りました。
マネジメントはうちの事務所が責任を持って行います」
「シェーンハイトにも改めて話しておくわ」
「じゃあ、メイクお願いします!」
「誰か衣装見つくろって!」
「直、シェーンハイトのユニフォームあったよね」
「ちゃんと一式預かってきたわよ、素衣」
「成沢さん、15秒のアドリブ考えておいてください!」
「いやだ~~~!」
抵抗むなしく、
新・お天気お姉さんのお披露目回となった。