彼氏が出来ました
白零志亜という女の子の恋愛日記。
ほのぼのありの、怖い部分もありますよ?
……たぶん
これは、私の恋愛感覚のみで書いた、暖かくもあり、悲しくもあり、そして恐ろしくもある恋愛日記である。
読む人は時々ちらつく「恐怖の原因」に、引き込まれぬよう注意してほしい。
それでははじめようか。
=20xx年xx月xx日x曜日=
この私に彼氏ができた。
とても優しく、とても甘えん坊で、我がままで、かわいい彼氏。
名前をヨウスケといった。
私はトラウマからか、彼をずっと避けていた。
近づくな、私を見るな、触れるな放っておけと、何度も叫んでは懇願した、拒絶した。
しかし彼は終始「放っておけないから」といって、かかわることをやめなかった。
今になってみればそれさえ彼のわがままから来ただけで、さほど深い考えなどなかったのかもしれない。
そんな態度をとる彼に私は最低なことをした。
「なら、あんたが側にいればいいじゃないの……あんたが、私の穴を埋めればいいじゃないの……一人は嫌なのよ。だから……そばに、いて下さい」
「いいよ」
その言葉を待っていたかのような返答の速さに、はっとした時にはすでに何もかもが遅かった。
なんて言うのかな、間が差したっていうのかな。
あまりにも甘やかされるものだから何もかもがマヒして、してはならない行動をとった。
って感じ。
今にしてみればなるべくしてなってしまったのかとも思うが、あの時のことは悔やんでも悔やみきれない。
だから、最初は穴埋めのつもりだったのだ。
さみしさを埋められればそれで十分だった。
別に嫌いというわけでもなかったし、むしろ人としては好きな方だったし。
本気の失恋の後だったからなおさらね。
馬鹿なことをしたと今では思う。
もっと違う出会い方をしていれば、何か違ったのだろうかとも考えたが、何もかもが変わるわけがなかった。
だってもう過ぎてしまったことなのだから。