第二章
●第二章 ―脅威の再来―
―王宮の一室―
大臣「国王…これはやはり由々しき問題ですぞ」
軍師「あの仕組みが正しく働いていれば、こんな事には…」
大臣「今更そんな事を言っても始まりますまい」
元帥「そもそも、前回に不測の事態が重なった事こそが全ての問題…」
国王「………現在、魔族の動きはどうなっている?」
諜報員「はっ、我々人類の脅威となるのは時間の問題かと」
???「頭を失えば統率を失い、残された身体だけで暴れ回る…ある意味予想が出来ていた事態とも言えますねえ」
大臣「国王…決断せねばなりますまい。過ちを正し本来あるべき正常な流れへと戻すのか…」
???「それとも…この仕組みを打ち砕き、新たな仕組みを構築するのか…」
国王「……………」
伝達員「朗報!朗報です!」
大臣「何じゃ騒がしい、ここをどこだと思っている。もっと礼節をもって…」
伝達員「ですが……勇者が、新しい勇者が見つかったとの報告が!!」
一同「「「「―――――――!?」」」」
―勇者の夢の中―
ノーブル「大変だったようだね…お疲れ様」
勇者「貴方は…先々代勇者、ノーブル様?ここは一体……そうか、死後の世界―」
ノーブル「いや、ここはキミの夢の中だ」
勇者「夢の中…?では何故貴方が私の夢の中に?」
ノーブル「まず、私が魔王に敗れた事は知っているね?」
勇者「…はい」
ノーブル「その時私の魂は魔王に囚われてしまった…だが、キミが魔王を倒してくれたおかげで開放され、今こうして現れる事が出来たんだ」
勇者「成る程…しかし、何故今そんな事を?」
ノーブル「ただ一言キミにお礼を言いたかっただけなのだけど…中々良い機会が無くてね」
勇者「いえ、お礼など…」
ノーブル「受け取っておくれ…ありがとう。そして、キミは負けないでくれ」
勇者「それは、一体何に―――」
勇者は目が覚めた
―領主の館の食堂―
執事長「領主様、お客様がいらっしゃいました」
勇者「客?約束は無かったはずなんだが…誰だ?」
執事長「それが………」
エレル「エレナの妹のエレルと言います。初めまして」
勇者「なっ…エレナに妹!?…そんな話は聞いた事が無いぞ。いやしかし、どこと無く面影が…」
エレル「あ、嘘ですから」
勇者「――――――!!!」
エレル「本当はエレナの姉です」
勇者「よし、摘み出せ」
執事長「畏まりました」
エレル「わっ、ちょっとした冗談じゃないですか!エレナに関する情報を持って来たのは本当なんですから、話くらい聞いて下さいよー」
勇者「……何?」
―領主の部屋―
勇者「…では話を聞かせて貰おうか、もしまた冗談を言うのならば…」
エレル「判ってますよ…本当、エレナの言う通り空気が読めなくて融通の利かない人ですね…」
勇者「…………話をする気が無いのなら…」
エレル「わー!わー!もう、判ってますから!とりあえずエレルっていう名前は本名です。エレナとの関係は従姉妹で、あと文通相手でもありました」
勇者「文通?それも聞いた事が無いんだが…」
エレル「正確には、魔術を使った文章交信ですね。で、当時はあんまり気にならなかったんですが…最近ちょっと気になる文章を見付けまして…」
勇者「変な文章?」
エレル「内容はいつもと変わらない勇者様との惚気話だったんですが…」
勇者「いや待て、今何て言った?惚気話?そんなのをエレナは他人に送っていたのか!?」
エレル「そこ、話の腰を折らない」
勇者「ぐぬ…」
エレル「文章に違和感があったので並べ替えてみたら、案の定…暗号だったんですよ。で、その内容なんですが……」
勇者「一体何だったんだ?」
エレル「全て仕組まれて居た事だった…誰も信じてはいけない。私は私で、出来る事をしてみる」
勇者「………」
エレル「………どうですか?何か心当たりは」
勇者「…いや、正直漠然とし過ぎていて判らない。一緒に冒険をしてきた時は罠だらけだったからな。それこそ、魔族のみならず人間からも…な」
エレル「ですよねー………まぁただ、それが送られて来た日付が…ここ、右上に記入してあるんですけど」
勇者「…………」
エレル「心当たり、ありました?」
勇者「この日付は…」
エレル「この日付は?」
勇者「エレナが……………――――魔族に堕ちる前日だ」
―王宮の一室―
国王「それで…新たな勇者の行方は?」
諜報員「それが……」
国王「依然行方知れず…か」
諜報員「申し訳ございません」
国王「何としても見つけ出せ。この国の…いや、全世界の命運が掛っている」
諜報員「ははっ、承知しております」
???「中々苦労しているようですね。新たな勇者探しの方も…」
国王「お前か…いい加減現れる時くらいは挨拶をせよ」
???「おっと失礼、お邪魔しています」
国王「…ふん。それで、今日は一体何の用だ」
???「今、王宮が血眼になって探している新たな勇者の事なんですけど…」
国王「その口ぶり…何か知っているのか?」
???「はい…ただ一つ、王様には謝らないといけない事があるんですよ。許してくれますよね?」
国王「…言ってみろ」
―領主の寝室―
勇者「ところで…」
エレル「ん?何ですか」
勇者「何故お前がここに居る」
エレル「必要な資料が勇者様の部屋にあるからに決まっているじゃないですか。あ、もしかして…夜伽に来たとか思っちゃいました?」
勇者「…資料だけ持って、とっとと客室に帰れ」
エレル「つれないですねー…ところで勇者様、隔世遺伝って知っていますか?」
勇者「何だ、藪から棒に…あれだろう。子は親よりも、祖父母に似るとか言う…」
エレル「大体正解です…で、ここからが本番な訳ですが…エレナの事です」
勇者「……エレナの…?」
エレル「私とエレナは従姉妹…つまり祖父母が同じな訳ですが、従姉妹の中でも結構似ている方なんですよ」
勇者「それで…どういった話になる?」
エレル「つまり…」
勇者「つまり?」
エレル「具合もエレナとそっくりなんじゃ無いかと思う訳ですよ!どうですか試し…って、あぁー!無言で猫掴みは止めて下さい!!」
勇者「君…」
エレル「な、何ですか…?」
勇者「いくら従姉妹とは言え、言って良い事と悪い事がある。エレナは死者だ…死者を冒涜するような発言は止めろ」
エレル「んー…冒涜しているのはどっちでしょうね」
勇者「………どういう意味だ?」
エレル「冒涜って言うのは、暴言を吐いたり話の種に使って鹹かったりする事ですか?エレナは、こういう事をされたら怒りますか?」
勇者「あぁ………いや、違うな………少なくとも、俺が知っているエレナならばそうは言わない。多分こう言うだろうな」
勇者&エレル「「ナイス一本!くぅーぅ、勇者くんをからかうのにそんな手があったかぁー!!」」
エレル「プッ……」
勇者「ハッ…ハハハハ」
エレル「それで…思うんですよね。エレナだったら、きっと自分に縛られて勇者さまが辛い思いをしてるのは我慢できないだろうって…」
勇者「………」
エレル「だから…何を以ってエレナへの冒涜とするかを考えたら、きっと今の勇者様のエレナへの気持ちが冒涜なんだと思います」
勇者「………だったら。だったら何故、そんなエレナがあんな最期を…あんな道を進んでしまったんだ」
勇者「少なくとも…俺が知っているエレナは、あんな………魔族に堕ちるような人間では無かった」
エレル「では逆に聞きますけど……勇者様は、何でエレナがあんな事になったんだと思います?」
勇者「………」
エレル「むしろ…別の意味で逆に。エレナがあんな事をするには、どんな理由付けが必要だと思います?」
勇者「それは………………」
エレル「可能性を見出してくれたのなら、今はそこまでで良いです。エレナを信じてくれている事も判りましたし」
勇者「…そこまで言うからには、君はあの時のエレナの気持ちが判っている……いや、確信を持っているんだな」
エレル「えぇ、まぁ……それと、二つ良いですか?」
勇者「ん?何だ?」
エレル「一つ目、私の事は君ではなくエレルと呼んで下さい」
勇者「あ…あぁ、判った。気を付ける」
エレル「二つ目、これはまぁ…自分で振っておいて何ですが…私の事は、エレナと重ねるので無く…エレルと言う一人の女としてして見て欲しいです」
勇者「――――っ………」
勇者は不意打ちを受けた
―帝国要塞内―
帝王「それで…っと、お前。名前は何だっけか?」
ヤスカル「ヤ、ヤスカルですよぉ。久しぶりに名前を聞いて頂けましたね…」
帝王「んな事で一々感動するな。それより、さっきの話は確かか?」
ヤスカル「はい。王国から魔王の装備一式が消え去っていました…」
帝王「成る程…で、それを確かと言い切るだけの根拠は何だ?他の場所に移動しただけって可能性もあるだろ」
帝王「事が事なだけに…不確かな情報は許されねぇぞ?」
ヤスカル「それはもう、帝王様もこれを見て頂ければ…」
帝王「こりゃぁ……オイ、嘘だろ。これは………かの勇者、ノーブルの指輪じゃねぇか!」
―領主の寝室―
エレル「勇者は 1919の経験値を得た」
エレル「勇者はレベルが上がった」
勇者「やめろ」
エレル「えと…ごめんなさい。私だけでなく、まさか勇者様も………その。勇者様はてっきり、もうエレナと…」
勇者「………言わないでくれ」
エレル「ではその…ご馳走様でした?」
勇者「女の側が言う台詞では無いだろ!?それ以上言うと、その格好のまま窓から放り捨てるぞ」
エレル「いやいや、さすがにそれはアブノーマル過ぎるので勘弁して欲しいのです!」
―領主の館の大広間―
エレル「では一旦これで」
勇者「帰るのか?」
エレル「名残惜しくなってしまいましたか?」
勇者「よし帰れ」
エレル「つれません。もう少し女性の冗談に対する適応力を上げてくれても良いと思います」
勇者「大きなお世話だ」
エレル「まぁ良いです。ともかく私は一旦家に戻りますね。一旦」
勇者「強調しなくても良い」
エレル「大事な事だから二回言いました」
勇者「もう良いから本題に入れ」
エレル「はいはい…コホン。翻訳後のエレナの文章を改めて勇者さまに見せるために、家から装置を持ってきます」
勇者「いや、そこまで……」
エレル「した方が良いと思います。手間がどうこだとかそんな問題では無いと思うので」
勇者「では…そこまで言うなら頼む」
エレル「はい、頼まれました。それでは行ってきます」
―魔王城―
国王「魔王の装備の着心地はどうだ?」
???「中々に良い感じですよ。装備すると自動的にサイズ調整してくれるんですね、これ」
国王「………」
???「あ、凄い。フルフェイスなのに臭くないし息苦しくも無い……まぁそうですよね、用途を考えたらその方が実用的ですから」
国王「…口が過ぎるぞ」
???「おっと、これは失礼。ではまぁ…後はそちらも手筈通りにお願いしますよ」
国王「………………判っている」
―王宮の一室―
大臣「国王…それは本当ですか?」
国王「冗談で言える程、軽い内容だと思うか?」
大臣「いえ、滅相もございません」
軍師「では…」
国王「うむ…早急に国民…いや、全世界に知らせねばなるまい」
―領主の寝室―
エレル「という訳で戻って参りました、第二の我が家」
勇者「お前をここの住人にした覚えは無い」
エレル「そんなぁー、一夜を共にした仲じゃないですかぁ。そこまで行ったらもう家族同然でしょう?」
勇者「ツッコミのし難いボケをするな。良いから本題に入れ」
エレル「はいはい…ぇー…コホン、こちらが昨日私の家に取りに行ったエレナからの通信記録です」
エレル「あと始めに言っておきますが…これはエレナが手動で暗号化した物では無く、当時の記録を暗号化アナグラムに当て嵌めて作成されています」
勇者「…つまり?」
エレル「必要な部分だけを暗号化した訳ではなく、発音した言葉を原文そのままに残しているという事です」
勇者「………」
エレル「では、再生しますよ」
エレルが置いた石から、エレナの声が流れ始める
エレナ『そうか…これだ、普通の動物とモンスターの違い』
エレナ『でも、だとすると…人間と………の違いって…』
エレナ『人間では無い物だけど、……………とも同じ物じゃない…つまりは、特別な存在?』
エレナ『だとしたら…これに関する今までの常識が全て覆ってしまう』
エレナ『今まで謎だった物の正体が判ってしまう…うぅん、判ってしまった』
エレナ『どうしよう…こんな事に気付くべきじゃなかった、考えるべきじゃなかった。理解しなければ良かった』
エレナ『駄目…もしこの過程が正しいとしたら、もう誰も信じられない。全ての情報が嘘にしか見えない』
エレナ『どうしよう…このままじゃ勇者君は………』
エレナ『そうか…そうすれば良いんだ。この方法なら…うん、きっと上手く行く』
エレナ『私は私に出来る事をしてみる…それしか無い』
エレナ『後は…エレルなら、エレルならきっとこの事を理解して協力してくれる。エレル、勇者君をお願い』
勇者『どうしたエレナ。もうすぐ魔王の居る駐屯基地だぞ』
エレナ『うん、ちょっと…調べておきたい事があってね』
勇者『…あまり無茶をするなよ』
エレナ『大丈夫、私を信じて』
勇者「………」
エレル「………これが…私に送られて来た文章の全文です」
勇者「…エレナが……何かに気付いて、何かに警戒しているのは判る。そして…示唆している可能性が何の事なのかもある程度」
エレル「そこはまだ踏み込まない方が良いと思います…が」
勇者「しかし…その核心に、エレナの決断の理由があるのは間違い無い。だったら俺は…――――」
執事長「領主さま!!!」
勇者「…どうした?」
執事長「い、今…国王様かのら伝令で……ぉ、そ、その!!」
勇者「落ち着け、でなければ言葉も出せないだろう」
執事長「は、はい……………その…魔王が…」
勇者「……魔王?魔王がどうした?」
執事長「魔王が…再び魔王城に君臨しました」
―バルコニー―
国王「皆の者、心して聞いて欲しい。昨日魔王城より帰還した密偵からの確かな情報だ。…魔王が、再び魔王城に君臨した」
国王「我が国の宝物庫に保管していた魔王の装備も一切が消え去っており、この事実を一層深く刻み付けている」
国王「だが…だが決して我々はこの事実に屈っしはしない!。例え以前の魔王が蘇ったのであろうと、新たな魔王が即位したのであろうと」
国王「我々人間は必ず勝利してみせる!」
帝王「おぅおぅ、こっちの国王様も中々に威勢が良いじゃねぇか」
大臣「協定を破った上に返り討ちにされた帝国の方には、口を謹んで頂きたいものですな」
帝王「そちらさんこそ、どの口がそれを言ってるんだ?協定の前提を破ったのは…」
国王「よさぬか大臣。帝国は一時的にいざこざがあったとは言え、今では同盟国だぞ」
大臣「し、しかし…」
帝王「そらそら国王様が直々にあぁ言ってんだ、仲良くしようぜ?なぁ大臣さんよ」
大臣「ぐ…ぐぬぬ…」
国民A「勇者様が来られたぞーーーーーー!!」
国民B「うおぉぉぉぉーーーー!!」
帝王「お、主役様の登場か?」
勇者「勇者、遅れながら馳せ参じました」
国民C「勇者様だ!」
国民D「そうだ、勇者様ならきっとまた―――」
帝王「国王の言葉を真正面から信じちまって…お気楽な国民だな本当……ただ単に、勇者が仕留めそこなったとか、そういう可能性を考えないのかね…」
大臣「帝王殿…勇者の力を直接見た貴方ならば、それが無い事くらいは判るのでは?」
帝王「ま、そりゃそうだがな」
―連合作戦室―
国王「前線を退かせたにも関わらず、一度ならず二度までもお主を戦に狩り出す事…この上無く遺憾に感じておる。すまぬ、勇者よ」
勇者「顔をお上げ下さい、国王様。例え引退しようと、これは勇者に背負わされた逃れられぬ責務…そう考えております」
勇者「それに…私個人としても思う所がありますので。苦には感じておりません」
国王「そうか…そう言って貰えるのは助かる」
帝王「んじゃ、そろそろ本題に入らせて貰うぜ?今回の作戦は…まず帝国軍が前衛になって」
伝達員「あの…いえ、それが…」
帝王「あぁん?話の腰を折るんじゃねぇよ」
伝達員「ですが…その………魔王軍からの要請がありまして……」
帝王「はぁぁっ!?何ふざけた事言ってんだ?敵からの要請なんざ聞く訳が無ぇだろ」
伝達員「それが……その…要請というのが……勇者様と魔王の一騎打ちなのです」
帝王「はぁっ!?」
帝王「―――つまり…戦いの主軸はあくまで勇者と魔王の一騎打ち。連合軍は、魔族の不意打ちに備えて防衛待機…そういう事だよな?」
軍師「はい。そうなります」
帝王「馬鹿馬鹿しい…魔族の奴らが、そんな約束を律儀に守るとでも思ってんのか?」
勇者「正直、約束を守る保障は無いと思う。だが…もし本当に一騎打ちで決着を付けると言うのならば…」
勇者「無駄な血を流す事無く事態を収拾させられる。これは願っても居ない好機だと俺は思う」
帝王「………お前ぇ…思ってたより甘ちゃんだな。魔王城の魔族を一人で相手にする事になるかも知れねぇってのに、怖く無ぇのか?」
勇者「勿論恐ろしいさ。だが…一々恐怖に負けていたら、勇者は勤まらないからな。それと、甘いのでは無く理想が高いだけだ」
帝王「言うじゃねぇか…よし、俺もそれに乗ってやるぜ。他の国はどうだ?賛成か?反対か?」
公国代表「賛成です」
皇国代表「賛成します」
合衆国代表「ここで反対意見を出せる程良い案がありません」
帝王「よし、じゃぁ決まりだな」
―連合軍駐屯地、帝国拠点―
ヤスカル「で…どうでした?帝王さま」
帝王「正直、どいつが狸でどいつが犬なのかはまだ全員は判らねぇ。だが…国王以外にも事情を知ってそうなのは何人か居たな」
ヤスカル「やっぱり…となると、あの話も…」
帝王「あぁ、まず間違い無ぇだろうな。ったく…もしかして国のトップで知らなかったのは俺だけか?」
ヤスカル「ぁー…帝王様は継承じゃなくて成り上がりで今の位置に居ますからね」
ヤスカル「多分、今まで先送りにしてきた手続きの中の一つにあったんじゃ無いですかねぇ…」
帝王「…まぁともかく…こうなった以上は腹を括るか。ヤスカル、お前も付いて来るか?」
ヤスカル「はい、地獄の入り口までで良ければ!」
第三章 ―魔王の仕組― に続く