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二度と、鳥肌
視点スザクに変わりまーす!
巫女様にはその証がある。
代々つづく神官の血筋、音木家の者の口付けがキイとなって「お呼びする」と、その身にメーガル神が憑依するのだ。
神官による神の召喚に応えられる身体、が巫女の身分を証す。
神を降ろせた成宮あこはは間違いなく、巫女様だ。
初めて神を呼ぶ口付けをした僕の肌さえ未だ鳥のようだ。神をその身に降ろした本人がひとりになりたいと云うのを拒めない。
むしろありがたい話だ。
永遠に彼女と口をききたくない。
彼女が知り合ったばかりの他人と。
否応なしに突っ込まなくてはならない未来の行方を、僕は知っているから……。
だがそのときドアの向こうから彼女の、声が僕の鼓膜を揺らした。
誰かと言い争うような、恥らいを含むその音色に、気付くと僕は部屋のドアを開けていた。




