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遠く、高く、果てへ……
スザクはどこまでも飛んでいく。
島の端を過ぎ、海の上へ。
「やっほぉぉぉー」
「気もちいいだろ? サイコーだよな」
「ヒャッホォォォォッ」
わたしは喚声を上げる。スザクは又一段と高く飛ぶ。
雲の合間をすり抜けているのにわたしたちの呼吸は乱れない。
風を受けて白衣の袖と緋袴の裾がふくらむ。
その空気が変わったのは島からかなり離れた沖合いだった。
スザクの首に回す手の力が知らず強まる。
それをチラリと見、
「解るか」
スザクはわたしを締め付ける腕に力を込める。
「何? 何なの?」
「結界の境を越えた」
「結界?!」
スザクは頷く。
「ルリカ島には結界が張られている。僕たちを外敵から守るため……と云うよりこの島を秘匿するためだな」
「え……。この島以外にも何かがあるの……」
天と地がひっくり返った衝撃だった。
島の外に世界はつづいていくなど考えた事もない。
ましてや聞いた事すら。
「いまから見に行こう」
そう言ってスザクは飛んでいく。
わたしを抱いた儘。
わたしの未だ知らぬ海の果てへ。
彼は何を見せてくれるの……。




