遭遇
優しく見守ってください。
父の書斎は、扉から入ると正面に重厚な机が置いてあり、左右には本棚がありびっしりと本で埋まっている。
僕は入り浸るようになると、とりあえず入ってすぐ近くにある本から、読み始めることに決めた。
伝記や家の歴史など様々な本を読み、まあ所謂、頭でっかちといわれる知識だけで、経験が伴わない感じに育った。
家庭的に、軍事に携わり所謂、力がすべてのような感じなので益々、父や上の兄、義理母からの風当たりが強くなった。
今更だったので気にせず、9歳から12歳までの3年間過ごした。
書斎に入り浸り始めてから、僕は知識をただひたすら溜め込んだ。いつかは、追い出されるであろうから、それまでに準備だけは欠かさないようにしようと思い立ったのが、一般教養が終わった9歳のころ。なかなか優秀であったので、家庭教師から学ぶことが無くなったことにより自由時間が増えたために、書斎に通いだしたのだ。誰と話すでもなし、遊ぶこともなくひたすら本を読み漁った。かれこれ3年間、1日も欠かさずに、書斎に通い続けて、残った棚が一つになった。そこはこの家の歴史に関係がある区画。とっても興味がなっかたので後回しにしていたが、読む本が無くなりこの中にも役立つ知識はあるだろうと思い。この棚も攻略することに決めた。
12歳のある日、
本の後ろ本棚の壁に、見たことのない星のマークがあるのを見つけた。
五つの頂点を持ち、一筆書きで書かれたようで、線だけだった。
なにかと思って触ってみると、
瞬間、星が光り
カチッ!!
何かが、動き出す音がした。
すると目の前の壁が横にずれ始めた。
何事かと思って見ていると、
大人だとかがまなくてはいけないくらいの大きさの道が現れた。
なんとなく、引き込まれる気がして、特に怖いとか、思うことなく。テクテクと進んでいった。
数歩進むと、入ってきた本棚が元の位置に戻ったが、中には明かりがあって困らなかった。
だけど、その明かりも少し底のある器に長い棒が下に伸びてその足元はは平たい円形の支えがあり、器から紐が出ていてそれに火がついているものだった。
少し進むと扉があった、だがこれも今まで、見たことがなかった扉だった。
大きさは、大人の身長ぐらいあり、材質的は、木だと思う。表面には紙?が張られていてここにも星のマークが書いてある。
取りあえず開けようと押してみるが、開かない。
引っ張ることのできそうな持ち手もなく、引くこともできそうにない。
だけど、扉の高さは真ん中、左端に丸い窪みはある。
とりあえず窪みに手をかけ、あらゆる方向に力をかけてみる。
横に力をかけると、
するっ
スムーズに動き出した。
そして完全に開き切ると、暗闇だった。
目を凝らして、部屋の中を確かめようと思った途端、
明るくなった。
一本だけ部屋の中に道にあったものと同じものが灯っていた、
その灯りの足元に、一冊の古びた本が置いてあった。
その本に何か惹きつけられるようなものを感じ部屋に入ってみる。
入ってみると、足元には石よりもやわらかい感触が感じられた。
足元は、床と表現できない緑色の柔らかいものでできていた。
本の元まで辿り着き本に手を伸ばそうとすると、
突然、
ガタガタガタッ
と本が動き出した。
思わず、ビクッとして手を引いた。
ポンッ
という音とともに白煙で前が見えなくなった。
白煙が去ると目の前に本はなく、見たことがない服装の女性が立っていた。




