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傷
《侵入者発見侵入者発見》
そう簡単には城の内部に入れるはずがないとは思っていたがやはり門の中へ入った途端予想通り、いや予想以上の護衛兵達が襲いかかってきた
「もう、隠すこともないか...」
俺はそう呟くと顔を覆っていた布をとって下に捨てた
「あ、あれは!!」
「本郷家の長男の本郷海輝だ!!」
護衛兵たちの動きが一旦止まり、ザワザワと口々に言葉を発する
その中でも、ある一言だけが一直線に俺の耳に入ってきた
「あいつが藍輝様を裏切った張本人か!」
.....心臓を掴まれたような気分だった
ここにいる人がそう言うということは、藍輝がそう言ったのだろうから
『裏切り者』
その言葉が深く突き刺さった
でも、止まってられない
これ以上藍輝が壊れる前に、早く行かなければ
「奏多、頼んだぞ」
俺はそう言って、敵と正面から向き合うと、奏多に背中を預けた
信頼の証だ
刹那
ガンッ!
という鈍い衝撃が後頭部を襲った
視界が大きく揺れ、俺はその場に倒れ込んだ
「な.....んで.......」
そこで俺の意識は途絶えた