始動
「海輝ぃ〜今日はもう休もうぜ〜」
「何を言ってるんですかこのヘタレ。海輝様をお守りするのにその程度の体力とは...全く呆れます」
疲れ切った表情でその場にへたり込んでしまった俊介に奏多が冷たく毒を吐く
「っんだと!この赤髪クソ野郎!」
「ちょっ!まあまあ、2人とも落ち着いて!
確かに今日はもうたくさん歩いたし、丁度そこに宿もあるし、あそこに泊まろうか」
俺は喧嘩になりかけた2人を慌てて宥め、丁度目の前にあった宿を指差した
「おっ!さすが海輝♪そうと決まったら早く行こうぜ!」
途端に元気になる俊介に若干呆れつつも俺と奏多も俊介の後ろに着いて行き宿に入った
受け付けも済ませ、遅めの晩飯も食べ終えると、時刻は既に深夜2時となっていた
「旅に出て3日目か...2人には本当に感謝してる。無茶言ってこんな俺に付き合ってくれて本当にありがとう」
ニコッと笑ってそう告げるとなぜか2人とも驚いたように顔を真っ赤にした
「海輝、ちょっそれまじ...反則////」
??
何のことかわけが分からず俺は首を傾げる
「と!に!かく!俺は何があっても海輝の味方だからな!」
「今回ばかりは、このヘタレに賛成です。僕も、海輝様を守り抜きます」
「だから、ヘタレじゃねーって!しばくぞ!」
そうやって喧嘩してるように見えつつもなんだか和やかな雰囲気に包まれたこの部屋は、とても居心地が良かった
ただただ、こんな平和な時間が続いて欲しいと、心から思ったんだ