【企画】 『舞』
「どうすれば、もっと多くの人と『普通』に親しくなれるのかしら……」
そう、黒髪の少女は呟いた。滑らかな美しい黒髪は水を滴らせば尚映えるであろうという美しさを備え、少女の顔は感情の起伏に欠けた凛とした面持ちである。起伏には乏しいがその内面を全く読み取れないほどのものでなく、影の差した表情からは何やら物憂げな何かを窺い知ることはできる。
「あなたはいいわね。悩みなんてこれっぽっちもなさそうで」
黒髪の少女は米神羅那と言い、気丈で、由緒ある血筋からはどこか気高さを感じさせる空気を纏ってはいるが、当人はそれを鼻に掛けるつもりはなく、冷たそうな言動の節々に気遣いも見せる人柄である。
「にゃぁ?」
羅那は田んぼのあぜ道で毛繕いをする子猫に声をかけていた。屈んで猫と戯れている様子から、どうやら猫が好きらしい。猫は当然のことながら人語を解するでもなくその少女を見上げた。
「ずいぶん毛並みも整って清潔感もある猫ね。人懐っこいし……どこかの飼い猫かしら?」
羅那は猫の首の下を指先でくすぐるように撫でてやる。すると猫は心地よさそうに瞼を瞑り、顔をその手に摺り寄せる。
「その子、喜左衛門将善治って言うの。可愛いでしょ?」
羅那の後ろから唐突に声を掛けられピクッと一瞬体を震わせる。ゆっくりと振り返るとそこには少し柔らかい、まるで空気を含んだかのような髪質をした、これまた黒髪の少女が膝に手をついて立っていた。
羅那の肩から顔を覗かせる少女はまだあどけなさを残す少女で、羅那よりもさらに年若い。幼いというのがまだしっくりくるような顔立ちである。目線を羅那と同じ高さにして肩口から猫を見下ろすので、その顔は必然的に羅那の顔に近い。
(初めて会うのに……近い……かなりフランクな子供ね)
「私は小田氏治って言うの。あなたのお名前は?」
「米神羅那よ……よろしくお願いするわね」
羅那は氏治から顔を少し引いて答える。氏治は名前を聞くと楽しそうに「よろしく」とあいさつを交わして微笑んだ。
「善治もあなたのことが好きみたいだね」
「その、よしはるというのは、この子の名前かしら?」
氏治は羅那に飼い猫の名前を教えると、その隣に座る。猫は見上げた顔を氏治へと移し、主人を認めるとその足元にすり寄る。
「そう、喜左衛門将善治かっこいい名前でしょ?」
「えっと……そうね。良いと思うわ」
羅那は、まず最初に『名前が長すぎる』という率直な感想を抱くが、それを伝えるわけにもいかずに答えに窮し、適当な返事を返した。
「でしょ! それでね……」
お世辞を真に受けて、満面の笑みで飼い猫のおもしろ話を繰り出そうとする氏治の後方に走る人影が迫る。その者は小田家の使い番である。使い番は息も絶え絶えに叫んだ。
「氏治様! 氏治様ぁ!! 一大事にございまする!!」
見知らぬ奇抜な和服を着る少女が、様付で呼ばれたのを見て羅那は目を丸くする。まさか、それなりに身分のある人間なのだろうかといろいろと推察するも、無理に敬う必要性はないと判断してあえて普通に接する。
「ど、どうしたの!?」
「それが、城下の方で面妖奇怪なる姿の女子が食い逃げを働いて逃げ出し、追捕使を差し向けましたが、その傾奇者が思いの外手練れでして城下全体を舞台に大立ち回りをしでかす次第。ただいま菅谷様が五百の軍兵をもって出陣せんと用意を整えております。ついては、氏治様より傾奇者追討の許可を賜りたいとの由にございまする!」
「え、えぇ!? ちょっと待って! すぐ行く!」
報告を聞いた氏治は慌てて善治を抱え、乗ってきた馬に飛び乗る。
「どうかしたの?」
聞き耳を立てるつもりは無くても、その声の大きさから必然と耳に入ってはいたが、状況を理解しきれないこともあって、それらの確認の意味も含めて氏治に現状を問うた。
氏治はハッとした様子で振り返り、手を差し伸べる。
「そうだ、羅那さんも良ければ同行して。もしかするとここらへんも危なくなるかもしれないから。それに、その手の服装なら羅那さんの知り合いということもあり得るかもしれないし」
「なにが起きているかは知らないけど……わかったわ。連れて行って」
羅那は真剣な表情で頷くと、氏治の手をつかんで馬に飛び乗る。が、ここで少し問題が発生した。
「ねぇ、氏治さん。これっておかしいんじゃないかしら?」
「うん……私も今そう言おうとしたところ……」
馬は基本的に前の方が安定して乗りやすいため、反射的に氏治は引き上げた羅那を鞍の前側に乗せたのだ。しかし、羅那の方が背は高いために氏治の視界は完全にふさがれてしまう。見た目からしてもアンバランス極まりない。
「私、馬を一応扱えるから、私が後ろに乗ってもいいかしら」
「うん、私は前でおとなしく善治抱えてることにする……」
こうして二人は全力で現場へ急行した。いざ現場に到着してみると、現場は思った以上に静まり返り、小田軍は冷静に一件の茶屋の周りを遠巻きに囲み、掻盾を隙間なく並べて二重に取り囲んでいた。
膠着状態の現場に駆け付けた氏治に、動揺と恐怖で青ざめた一人の若い家臣が声をかける。
「氏治様!」
「どうしたの行方!? 何の騒ぎ!?」
「あちらをご覧ください! ひらひらとよくわからない装束を付けた傾奇者があの茶屋に立てこもって火縄銃を乱射するのです! 間隙を縫って幾度と兵を突入させること百余名、全員ぼろ雑巾の用にされて放り出されました!」
「なんですって!? ずいぶん強いのね……でも、原因が食い逃げ?」
行方の手の差す先には、手じかな民家を間借りして手当てを受ける多くの兵が横たわっていた。その様子を見て氏治は声を上げて驚き、口元を手でふさぐ。怪我人を軽く労って回り、重傷者がいないことを確認すると一息つき、原因を確認する。
「えっと、そうですね。報告によりますと」
行方が手元の資料で一応確認すると、羅那は不思議そうに口元に手を当てて俯く。そしてしばらくして顔を上げると氏治に声をかけた。
「ねぇ、氏治さん。普通の人が食い逃げだけでここまでするかしら?」
すると、氏治も首をかしげながら答える。
「そうよね、何かおかしな気がするの。……なんだろ?」
「私に聞かれても……相手の話でも聞けない限りは……」
羅那はそう呟くと、この時代には珍しい二階建ての茶屋の、犯人がいるであろう二階部分を見上げる。すると、その隣で氏治が何かを閃いたように手の平に拳をポンと乗せ、目を見開いて声を上げた。
「そうだ! そう! 直接話を聞いてみればいいんじゃない!」
「……え?」
羅那は、自分の軽率な発言で何か突拍子もない方向に閃いてしまったらしい氏治を、何とも形容しがたい表情で見つめた。何かまずいことになるんじゃないかと咄嗟に思い至った羅那であったが、時すでに遅し。氏治の行動は早い。早速動き出した氏治はすでに二重の包囲の内側にいた。
「皆! 下がって! 火縄と弩を下ろして!」
「な、氏治様! あぶのうございまする!」
氏治が右腕を横に振り上げ、鉄砲隊を制止させる。すると、行方は掻き盾を持って氏治に近づき、自重を促す。しかし、案の定とでもいうべきか、氏治はそれらの言葉に耳を傾けることなく一歩、また一歩と茶屋の方へ足を進めた。
「大丈夫だからみんな退いて! きっと相手にも悪意はないの! 話せばわかってくれるはず。皆は気を楽にして少し待ってて!」
そう言い終えると、氏治は茶屋の中へと消えた。
「あぁ……また菅谷様や赤松様に叱られる……明日は手塚様もいらっしゃるというのに……もぅだめだぁ……」
「何を考えているのかしら……」
茶屋に堂々と足を踏み入れる氏治の後ろ姿を見て、行方は頭を抱えて嘆く。この時羅那は、死人が出ていないことから殺されることはないだろうと思いつつも、危険な所へ放り込む結果となってしまったことに罪悪感を覚え、じっと事の経過を窺った。
その頃、茶屋の二階へと上がった氏治は、傾奇者と呼ばれた異国風の装束に身を包んだ少女と対面していた。まぁ、尤も最初にあった羅那も氏治に言わせれば似たような異国風の服にしか見えないのだが。
「んー、また来たよ……。そんなにこのユイナさま☆に殴られたいのかな?」
聞いてもいないのに勝手に名乗りを上げたユイナという少女は、氏治の周囲に他の人間の気配がないことを確認すると身構え、臨戦態勢を整える。
「ちょ、ちょっと待て、私はそんなつもりじゃないの。話を聞いて」
氏治の敵意のない言葉を一瞬だけ真に受けて構えを解きかけるも、何か過去を思い出したように頭を押さえ、額には汗を滲ませ、少し辛そうな表情をして構え直す。そして、もう一度相手の姿に目を向けると、一向に身構えることも、敵意も感じさせる様子の無い氏治をユイナは訝しむ様子で睨め回す。氏治は生唾を飲み込んでユイナの返答を待つと、ユイナは警戒しながら呟いた。
「じゃあ、不意打ちは反則だよ?」
「私、そこまで武術は得意じゃないし……ほら、見ての通り武器は何も持って無いわ」
氏治が体を一回転させて武装が無いことを示すと、僅かに硬直させた表情をほぐす。
「じゃぁ、何しに来たの? 死にに来たとか?」
「そんなわけないじゃない……話を聞きに来たの。だって、食い逃げくらいでこんな大事件に発展するってさすがにおかしいもん!」
氏治がそういうと、ユイナは少し動揺した様子で見た目より若干幼さを見せる言動で、言い訳がましく何かを訴えた。
「わ、私は悪くないよ! ちょっと間違っただけで……」
「大丈夫、誰もあなたを責めてないから落ち着いて。何があったのかゆっくり話して?」
氏治はゆっくり近づくと、ユイナの手を握って深呼吸を促し、安心させるように努めた。
「えっと、散歩してて、少しおなかがすいたから名物だっていう干し柿餡饅頭を注文したら、お会計で私の通貨が使えないって言われて、どうしようもなくて……」
「そっか、それで少し混乱しちゃったんだよね。最初から説明してくれればよかったのに。わかったわ。私が皆に話しておいてあげる。ちゃんと謝ればみんなもやさしいから許してくれるよ。さぁ、一緒に行こう?」
「……わかった。行く」
こうして、氏治はユイナを連れて迷惑をかけた人々に謝罪して回ると、小田領民や怪我した兵士たちも二つ返事でこの騒動を許した。菅谷などは佐竹の密偵の可能性を上げて尋問を要求するも、職務管轄外もあって却下され、この騒動には決着がついた。
「ねぇ、あなた、かなりこのあたりの土地に発言力があるみたいだけど……失礼でなければ何者なのか聞かせてもらえないかしら?」
「そういえば、私もまさか怪我させた人にまで許されるとは思わなかったなぁ。それもあんなにあっさりと」
小田城下を観光する二人は、案内を買って出てその先頭を歩く氏治に疑問を投げかけた。
「ん? 私?」
それに気づいた氏治は満面の笑みをもって振り返る。
「私はこの南常陸一帯をすべる総大将、小田氏治よ。よろしくね♪」
羅那はこの展開を予想していたのか、少し感心したような表情になる程度であったが、ユイナの方は大口あけて驚いている。
「羅那……それって大統領ってこと?」
「そうね。もうそういう事でいいと思うわ」
羅那はユイナを適当にあしらって、何かを考え込む様子で首を捻る氏治を見つめた。
「だいとーりょ?」
「氏治。それは気にするようなことじゃないから無視していいと思うわ。それより、あなたはここの国主様ってわけよね。なのに、ずいぶんと町中の人も気軽に接していたみたいだけれど……いいの?」
羅那の問に氏治は笑いながら答えた。
「ん? 大仰に畏まる人もいるけど、別にいいんだよ。私は皆が好きで、身分なんて微塵も気にしないんだから。皆が笑っていれば私も楽しいし、そうすればみんな幸せでしょ? 細かいこと考えて楽しいこと遠ざけても仕方がないよ」
しかし、そのような答えを聞けば聞くほど羅那の顔には陰ってゆく。
「でも、こっちがどう接しようとしても、そもそもとして同じ土台にすら立たされず、一歩引かれてしまう……威厳や家柄を鼻にかけるつもりはないのよ。でも、周りの目はそうも行かないでしょう? 結果、うまく親しくなれないときはどうすれば……ごめんなさい。うまく言葉に言い表せないわね。……こういう事、あまり慣れてないの」
すると、先ほどまで話をよく理解できずに唸っていたユイナが唐突に声を上げた。
「そういうのって、別に深く考えなくてもいいんじゃないかな~。私なんかはあんまりいいところの生まれじゃないし。お偉いさんとかって正直あんまり好きじゃないよ? でもね、権威とか力ばかり振りかざしてるわけじゃなくって、同じ目線に立って理解してくれようとしてくれさえすれば、身分関係なくこっちだって少しくらい心を開けると思うよ。だから氏治は皆に親しまれてるんじゃないかな?」
「同じ目線……ね」
ユイナの発言も含めて何かを考え直しているのか、口元に手を当てて再度固まった。
「ところで、何の話なの?」
やはり話がよくわかっていなかったユイナは、何でもないかのようなケロッとした表情で空気をぶち壊す。流石にこの発言には羅那も苦笑いを隠せない。
「少しまともなこと言ったと思って感心して損したわ……」
羅那は呆れたようにため息交じりに言った。何か思い悩む様子の羅那が気にかかって二人の会話を観察していた氏治は、俯く羅那の顔を覗き込むようにして質問した。
「ねぇ、羅那は何か血筋がしっかりしてるところのお嬢様だったりするの?」
「まぁ……少しだけね」
あまり話したくないのか、小さな声で手短に返した。
「みんなと一緒に笑う、とっておきの秘密を教えてあげようか?」
氏治は笑いながら勿体つけて言うが、羅那は氏治と反対方向へ向き直り、その言葉を拒む。
「別に……そんなこと聞きたいなんて一言も……」
が、そんな曖昧な意思表示の仕方で耳を傾ける氏治ではなかった。
「よぅし! 決定! ユイナちゃんも一緒に楽しいことする?」
「うんうん! 楽しいことするっ!」
氏治は即決すると、二人に何をするかさえも説明せずにユイナを引き連れてどこへともなく駆けだしてしまう。羅那はそんな二人を放っておくわけにもいかず、しぶしぶ後を追いかけた。
羅那は後を追いかけてようやく追いついた先で一息つき、顔を上げて周囲を見回した時愕然とした。見覚えのある建物がそこに立っていたのである。
「舞殿……?」
「あ、知っていたんだ! そう、舞殿!」
「舞殿って何?」
「あぁ、ユイナは知らないか……まぁ、踊るところ!」
「なるほど!」
羅那が驚いている間に、氏治とユイナは気が合ったのかどんどんと話を進めてしまい、仮設で旅芸人が芸を披露する筈だった舞台を譲り受けてしまう。この間に氏治が舞台で舞うとの噂が町中を駆け巡り、どこからともなく人が集まって周囲は黒山の人だかりとなる。
「みんなー! お待たせ!! さっきいろんな人に迷惑をかけたお詫びに、舞を披露しようと思うの! ユイナさんと一緒に即興を織り交ぜて踊るから少し大目に見てね!」
氏治が観衆に呼びかけると恐ろしいほどに熱狂的な声援が送られる。
「ねぇ、氏治。あそこ眩しいかも」
「え? ……うわぁ、あの頭は……やっぱり赤松も混ざってる……ごめんね、あれは気にしないで。さぁ、踊ろう!」
「うん!」
二人は舞台上へと駆け出し、熱烈な声援の元、早速舞を始める。様々な音楽に合わせて次から次へと踊りの味わいを変え、様々な曲調に対応する氏治は、流石は名族の令嬢で舞の達人というだけのことはあると観衆を見事に魅了するが、一方でユイナもまた驚くべき運動神経を屈指して豪快な踊りを披露する。
二人は大歓声の中、一向に踊りに参加しないで後ろに控えている羅那に気が付き、一度舞を中断して振り返る。
「羅那も踊ろう? 楽しいよ。一緒に笑っている間は身分なんて関係なく楽しんでいられるよ! 娯楽に身分の上下なんてないんだから!」
氏治が誘うが、それでも踏ん切りがつかない様子の羅那は難しい顔をしてその場に硬直していた。すると、ユイナは堪えた笑いをもらしながら舞台上へと戻って大きく息を吸った。
「皆! もう一人踊りの天才がいるんだけど、皆も見たいよね!?」
すると観衆は鬨の声で応じる。
「え、ちょ、ちょっと!」
引き帰してきたユイナに腕をつかまれて、無理やり舞台上に引きずり出されそうになると、羅那も驚いて全力の抵抗を示すが、どういう訳か腕力がまるで違う。全力の抵抗もむなしく舞台上に引き上げられた羅那はようやく決心して静に神楽を舞い始める。両舞台そでに控える同胞衆も即座に空気を読み取り、太鼓や笛の音を静かに、羅那の舞に合わせた。
「すごい……」
「まさか、本当に踊れるなんて……」
そして、即興の短い神楽が終わると氏治は一歩進み出て叫んだ。
「皆! 今日は一緒に楽しもう! みんなで踊りましょ!」
「おおおぉぉお!!!」
ノリの良い小田領民は張り裂けんばかりの全力の声で応じ、その場は騒然としたお祭り騒ぎとなった。
「ね? みんなで笑えば血や身分だって関係ないでしょ? 深く考えないで楽しもう!」
「……そうね」
しばらくして、大盛り上がりのお祭り騒ぎもようやく解散の運びとなり、三人は楽屋で休んでいた。
「氏治……今日はありがとう。少し気が楽になったわ」
「私も、よくわかんないけど楽しかったよ」
「そう、ならよかった。私も『みんなが笑って暮らせる世』を作るためにまた一歩前進した気がする。此方こそありがとね!」
三人の少女が和気あいあいとした頃、この三人は今日の行動が小田領に暗い影を落とすことになるとは、よもや何者にも思いもよらないのであった――
「いやぁ~ユイナちゃん可愛かったべなぁ」
「なぁにいっとるだこのたこ助が。羅那ちゃんの方がよかったっぺな」
「おまん等、訓練がたんねぇど。氏治様から浮気する気かや!」
「別にそんなこと言うとるんじゃねぇだ!」
「んだとぉ!?」
この一件で小田領民に分裂騒動が起き、そこをすかさず攻め寄せた佐竹によって、記念すべき十回目の落城を小田城が迎えてしまったのはまた別のお話――




