表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/33

其の十七  八幡廓落成式

氏治「よかったね、八幡。ここは貴方がいくらでも自由に使っていい空間よ」


八幡「そうだな。これで間借り暮らしのノリエ○ティとは呼ばれまい」


氏治「何それ? まぁでも、これなら夜ひとりでいくら歌ってもご近所迷惑には……」


八幡「それはいぅなぁぁっぁ!」


氏治『おもしろい……』


氏治「ふふっそんなに叫ばなくてもいいのに。そんなに聞かれるの嫌なの?」


八幡「生憎お前みたいに見世物にできる代物じゃないんでな」


氏治「そう? うん、言われてみればそんなに上手でもないもんね」


八幡「お前……喧嘩売ってるのか?」


氏治「え?」


八幡「……まぁいい。それよりお前来るお早すぎるだろ。用意中だ。料理も用意できてないからつまみ食いもできねぇぞ」


氏治「失礼ね! 私はそんな品の無いことしないんだから! 当主である私自ら手伝いに来てあげたんだから感謝してよね!」


八幡「お前そんな性格だったっけ?」


氏治「ん? こうすると男の人は喜ぶって……赤松が」


八幡「またあのおっさんか……」


氏治「ところで、本当にこれお昼までに用意整うの? 人少なくない?」


八幡「あぁ、野郎共を頭数に考えてたんだけどな、あんだけ人数がいて役に立つ人間が数人しかいなかった……学生時代の後輩の方がまだ役に立ったぞ……」


氏治「皆、元は農夫さんなんだから当たり前じゃない。餅は餅屋って言うでしょうに。じゃぁ、今は何人が働いているの?」


八幡「あぁ~……あんまり女中雇ってないからなぁ……葵が料理係の担当で、下町の友達と妹連れて来たから今、台所は幼女祭りだな」


氏治「また八幡は葵ちゃん酷使して! 過労で倒れたりなんかしたら怒るからね!」


八幡「いやぁ、本人が頑張るしどんどん仕事が欲しいって言うからついな……後は、普段からいる女中三人が食材の調達と掃除、会場の整理や酒の配置なんかを分担してやってるんだ」


氏治「会場は……見る感じなんとか三人で間に合っているみたいね。じゃぁ、私は葵ちゃんの方を手伝ってくるから」


八幡「そうか、すまんな」


太兵衛「八幡様、仮設の能舞台の用意も終わりました」


八幡「そうか、ちゃんと商人たちも招待したか?」


太兵衛「はい、万事抜かりなく。しかし、何故に商人まで?」


八幡「商人にはだいぶ世話になっているしな。これからも世話になる予定だからいろいろ知っておきたいんだ。酒を飲ませればどんな人間かはよくわかる」


太兵衛「なるほど。そうだ、いろいろと近隣の村からも御祝儀が来てますよ」


八幡「ほぉ、そりゃ有難いな」


―――台所―――


氏治「きゃぁ!」


――――――――


太兵衛「台所の方からですね」


八幡「どうかしたんだろうかな? ちょっと見てくるわ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ