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其の二  菅谷さんの話

八幡「さて、第一回はいきなりどうでもいいことから始まったが、一応そろそろ小田家についても触れてみようかと思う」


氏治「最初からそうしなさいよ」


菅谷「まぁよいではありませんか。ここは戦なく一息つける皆の憩いの場。そう喧嘩腰なのは無粋というものでございましょう?」


氏治「……そうね。別に怒ってたわけじゃないけど」


八幡「まぁ、そんなわけで、作者が調子に乗って普通の人は気づくのかってネタを仕組んでいた3~5話くらいのネタをちょっと話してみよう」


氏治「その頃にネタ? 冗談じゃないわよ。あの時は敗戦で大変だったんだから」


菅谷『あのとき…[は]?』


八幡「うん。なんだか菅谷さんも思うところがあるようなので話を続けよう」


八幡「作者としてもネタ単独で出されたら気づく人はそういないだろうから地の文でだいぶ解説しているわけだが、もうこの時点で読者には悲しい事実が突きつけられていただろう。なんたって、歴史戦記物だというのに幾度となく敗北と出ているのだから」


氏治「そういう風に言うと私が弱いみたいに聞こえるじゃない。そういう人聞きの悪いことはやめてよ。[幾度となく]じゃなくて、その時はまだ[たったの二回]でしょ?」


八幡「まぁ、普通は二回も大敗すれば一気に滅亡する大名だって少なくないはずなんだけどな……」


菅谷「まぁ、[大規模な合戦では]二回ですね。諸城はすでに何度も落ちていますが」


八幡「氏治って合戦するたび負けて小田城で防ぎきれずに土浦へ流れるって印象を受けるんですけど、実際どうなんですか?」


菅谷「概ねその通りかと。桜川下って土浦へ流されるだけの簡単なお仕事です」


氏治「もういいでしょ!! 早く話進めなさいよ!」


八幡「おぉ、悪い悪い。話し戻すけど、本編の[構いませぬ。ほかの部下も慣れております故]ってだいぶひどいよね。しかもそれに末端の兵達まで同じ認識を持ってるって君主としてどうなの?」


氏治「知らないわよ! 誰にだって負け戦ぐらいあるじゃない! かの信玄公も小大名だった村上家に負けているのよ!?」


菅谷「胃が痛い……」


八幡「ご愁傷様です」


氏治「何が言いたい」


八幡「それと、[以前お使いになられた部屋をそのままにしております]ってさ、近いうち絶対まだ土浦まで逃げ込む事態が起こるって読まれてるよね。氏治の采配は本当に信用されてないのな」


氏治「そんな訳ないじゃない。それに、備えあれば憂いなしっていうでしょ」


八幡「負けてからに備えないで負けないように備えろよ……」


菅谷「それと、その後来た佐竹殿の使者には悪いことをしましたなあ……某がちゃんと氏治様のそばを離れていなければ、あの使者殿も義昭殿に罰せられることもなかったろうに」


八幡「そのさらに数週間後には小田城を奪還するんですから菅谷さんたちは本当にすごいですよね。正直なぜ俺が呼ばれたのかさっぱり……」


菅谷「まぁ、仏様も何か考えがあってのことでございましょう。一歩ずつ歩んで、最終的に小田家がよい道をたどってくれればそれでよいではありませぬか」


八幡「流石菅谷さん。良いこと言いますね。菅谷さんがいてくれれば小田家も安泰ですよね」


氏治「……私は?」


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