其の十三 才女氏治/うどん食べたかった
氏治「みんなー! 長野さん家が地元の産物を送ってくれたわ!」
鈍斎「それはありがたいですね氏治様! さすがは在原業平を祖に頂く名門一族だけあります。さりげない気遣いが貴公子の血筋を思わせますね」
八幡「ちょっと待て、お前まだ本編で正式に出演してないだろうが!」
鈍斎「貴様は黙ってろ。細かいことをちまちまと器の小さい男だな」
八幡「んな!」
氏治「あ、白木ちゃんも一緒に食べようよ!」
白木「あら? うれしゅうございます! ですが、これはお饂飩……ですか? ずいぶんと平たいようですが……」
八幡「あぁ、こりゃひもかわうどんってやつだな」
八幡『そういやこっちに飛ばされる前にB1グランプリか何かで一位だったな……丁度そのあとすぐこっちに来ちまったわけだが……』
白木「八幡様は本当に物知りなのですね」
八幡「い、いや、それほどでも……」
鈍斎「しかし、それにしても業正様の娘様方はやはり在原業平の血筋だけあって美女揃いなのだとか。素晴らしいですね」
八幡「お前はキャラとしてそれでいいのか……?」
氏治「ちなみにこのお饂飩、業正殿が直々にうったそうよ。流石よね。この前会った業正殿も、高齢で年老いて尚凛とした顔立ちと鋭さのある武人の空気の中にわずかな優雅さを漂わせていたのは素敵よね」
八幡「ん?」
氏治「さすがは桓武天皇のお孫様だけあって高貴だし、私もいつかは業平のように優雅な短歌を作ってみたいものね」
八幡『う、氏治がなんか賢そうなことを言っているだと!?!?』
八幡「氏治! 大丈夫か? 風邪でも引いてるんじゃないか!?」
氏治「な、何よ? 失敬ね! 私はそんなに頭悪くないわよ!」
菅谷「八幡殿……ちょっと……」
八幡「はい? どうしたんですか菅谷さん」
菅谷「八幡殿、氏治様は実はああ見えて多芸で教養もあり勉学もできる風流人でございますぞ?」
八幡「……ナ、ナンダッテー!?」
菅谷「氏治様は毎年年始には連歌会を設けられるほど歌がお好きですし、多くの歌物語や伝記、経典を諳んずることもできるお方、あまり軽んじられては困りまする」
八幡「……すいませんでした!!」」
テレビを見てたら急にうどんが食べたくなった。
ひらかわうどん……群馬へ行こう。フル装備で。




