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悪役令嬢は肉食令嬢〜婚約者の皇太子を食べられません  作者: 碧井 汐桜香


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7/12

悪役令嬢は待機する

「つまり、ファスター様は私が服を脱いだら耐えきれなくなった、と?」


「簡潔に申し上げると、そうなりますね」


「まぁ、この肉体美だからなぁ」


 悪役令嬢らしいナイスバディな肉体。ポーズをとってリザーフは自分にボディラインを確認する。



「あ、ハッバルアにも確認の連絡を出しておいて」


「かしこまりました。お嬢様の仰せのままに」







ー数日後



 ファスターの私室の前に佇む、二つの影。


「ねぇ、5分後にはファスター様がいらっしゃるのよね?」


「現在、ファスター様は入浴中のため、チャンスは今かと」


「ありがとう、ハッバルア」


 ハッバルアが去って行ったのを確認して、リザーフはそっと部屋に忍び込んだ。






「ふぅ、いいお湯だった……ん?」


「おかえりなさいませ、ファスター様」


「なぜ、リザーフが私のベッドに寝ているんだ?」


「ファスター様と寝るためですわ」


「それはどっちの、じゃなくて、どうやって忍び込んだ?」


「内緒ですわ?」


「……ハッバルアか。まぁいい、そこから出て家に帰るんだ。婚前の男女が夜に私室で2人きりは、外聞が悪すぎるぞ」


「誰にもバレないように屋敷を抜け出して参りました。ここに入ったこともハッバルアしか知りません。つまり、問題ありませんわ」


「皇太子妃になる者が何をしているだ!? というか、地位を盤石とするために、私との仲が良好だと言う噂を流すことを狙ってるんではないのか!?」


 そう言いながら、ファスターがベッドに近づき、リザーフの隠れる布団を捲り上げた。



「……な!? なんで服を着てないんだ!?」


「……誘惑するため?」




 リザーフの美しい肉体に、ファスターの視線は釘付けだ。だが、視線と反対の言葉を紡ぐ。




「まだ、婚姻の済んでいない男女だ、服を着ろ。誰にも見つかっていないのなら、ここで寝ていいから」


「え? いいんですか?」


「私は隣の仮眠スペースを使う」


「……ファスター様のけち!」


「けち……?」


「ファスター様のいじわる!」


「どちらかというと紳士だろ!」


「襲ってやるー!」


 布団と共にファスターに飛びかかったリザーフは、ファスターのバスローブを脱がせようと必死に戦った。


 ファスターもファスターで必死にバスローブに身を隠す。






「ファスター、夜遅くにすまないが、明日の会議の……本当に邪魔したな、すまない。その、婚姻が済むまでいろいろ気をつけなさい」


「父上!」


「……国王陛下」


 2人が半裸で絡み合っているのを見た国王陛下は。そっとUターンして部屋から出ていった。

 国王陛下の参入を流石に予想できなかったリザーフもそのまま固まる。幸い、リザーフの裸体は布団に隠れていて国王陛下からは見えない。服を着ていないことは、バレただろうが。



「父上、待ってください。違うんです、それよりも、なんのお話ですか?」


 国王を追って、バスローブを整えながら、慌てて部屋を出ていくファスターの後ろ姿を見つめながら、リザーフは考えた。


「国王陛下は黙認してくれそうね……本当、いい方法はないかしら」

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