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異世界建築士  作者: 十三岡繁
サダヒデの工房にて
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サダヒデの工房にて(その6)

『まずい!』クニオがそう思って、刀を片腕に持ち替えてアマリアの盾を構えようとしたところで、近くで黙って見ていたコウが、ゾンビナイトに向かって右腕を振り下ろした。次の瞬間ゾンビナイトは球形の空気の檻に閉じ込められる。前に見たヒュドラの時と同じだ。


「最近めっきり見かけなくなったからな…クニオはアンデッド初めてかもしれないけどさ、こいつら切っただけでは死なないよ…もう既に死んでるから」

 そう言ってコウは今度は指をパチンと鳴らす。すると先ほどできた空気の球の中は炎で満たされた。


「聖属性の魔法で浄化するか、塵になるまで焼き尽くさないと倒せない。物理攻撃だけしかできない冒険者には結構厄介な相手だよ」

 コウがそう言った。


 程なく球形の檻の中の空気を全て使い果たしたところで燃焼は終わった。檻が無くなるとアンデッドは灰になっていて、そこには燃え残ったミスリル製の防具だけが残った。


「これ素材としては儲けものだよな?」

 まだ橋の上にいるサダヒデにコウはそう声をかけた。サダヒデは残されたミスリル製の武具のところまでくると

「これは上モノじゃな。アダマンタイトほどではないが貴重な素材だから、ギルドに持っていけばかなりの額で買い取ってくれると思うぞ」と言った。


「いいよヘジテにやるよ。あ、ユキヒラにも刀のお礼に半分使わせてやってくれ」

 ヘジテというのはサダヒデの本名だ。彼は人間ではなくドワーフである。


「おお、それは助かる。そうじゃな、ユキヒラにもミスリル加工の修行をつけてやろう」

 そう言いながらサダヒデは鎧の切り口をまじまじと見ている。


「しかし、我ながら凄い刀を生み出したもんじゃ。元々の刀身もミスリルで作ってアダマンタイトで強化したら、更にヤバいものができそうじゃな。もっとも真価を発揮するのはクニオ殿のスキルと組み合わせた時だけかも知れんが…」


「いや、私にはこれで充分…というか既に過ぎたる刀ですよ。今も鞘に納めるときに失敗したら、自分の事切っちゃうんじゃないかと冷や冷やしました」

 クニオはやや情けない事を言う。


「あ、そうださっきの話の続き…転移ゲートなんだけどさ」

 コウがそう言いかけたところでサダヒデが口を挟む。

「まぁそれは工房でお茶でも飲みながら話しましょうかの。ユキヒラ、お前はこのミスリル銀を回収しておいてくれ」

 サダヒデにそう促されて一行は工房へと戻った。戻る途中コルビーがなんとなく曇った表情を浮かべていたのが、クニオには少し気になった。

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