蛙の怨霊?
◆夏のホラー2022 ラジオ 蛙の怨霊?
── 真夏の太陽がぎらぎらと照り付ける丁度正午になる頃だろうか。六畳一間の小さくて狭い部屋の中が益々蒸し暑くて何処にも出かける気が起きない。
それなりに掃除した畳の上にゴロリと四肢を投げ出してうつ伏せに寝転がりながら流行りの本を手にした。
先ほど、ラジオから流された天気予報では、今日も丸一日快晴らしい。
……あ~っ ……かったりいなあ。
冷凍庫から取り出したばかりの棒アイスを食べようと小さな丸テーブルに置かれた椀を見ると、アイスは椀の中で早くも解け始めている。
ミンミン、ジージーと都会のど真ん中のはずなのに、蝉の声がどこかでますます暑さを煽る。
ラジオの放送も延々と続いていた。
”……さあ、バッターが打った球が、今! 左中間を抜けて……
……決まったあ~~っ!! ホームラン!!!……”
ああ~もう……ホントさっきからずうっとうるさいんだよなあ。
電池も入ってないし、コンセントも抜けてるし、おまけに連日の暑さでエアコンのかけ過ぎで電気ぶっとんで停電中のはずなのに……
しゃあねえから、音量変えるか? ──