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戦う高校生シリーズ

高校生VSオウム 〜高額な餌の要求をあしらえ〜

作者: 一木 川臣

「それじゃあ売木ウルギのお兄ちゃん、『ウルギ』をよろしくね!」

「マジかよ、俺がこのオウムの世話すんの!? 死んでも知らねえぞ」


「大丈夫大丈夫、餌は夕方に一回あげれば十分だから、サルでもお世話できるよっ!」


 ゴールデンウィークの初日、朝早くに突然近所に住む小学3年生になるヨシ君が玄関に現れた。


 ヨシ君は俺とよく『パチモン』交換をする間柄であり、年齢は離れていても友達といった仲である男の子だ。


 そんなヨシ君であるが、どうやらゴールデンウィークに家族と一泊二日の旅行に行くようで、その間だけ彼の飼っているオウムの面倒を見てほしいと突然に言ってきたのだ…… 肩に緑色の大きなオウムを連れて……


「はーあ!?」


 時刻は朝の7時ごろ、こんな早朝に現れてのお願いである。


 んだったら前日までに一言言っておけや! 突然朝早くからインターホン鳴らされ「オウムの面倒を見てくれ!」って突きつけられたら誰だって困惑するだろーが!


 ……だが、俺の心は海よりも広く川よりも狭いんだ。仲の良いヨシ君の頼みときては直様すぐさまに断るわけにもいかないが…… オウムの世話なんてやったことねえぞ……いいのか?


 しかもこのオウム、名前が『ウルギ』である。中々癪に触る名前だ。一体どういう経緯でこんな名前に漕ぎ着いたのか尋問したいところであるが、時間はそこまで悠長ではない。そろそろヨシ君が出かけちゃうとのことなのだ。


「『ウルギ』の餌を忘れないでね! あと、電波届かない山まで行っちゃうから僕と連絡付かないけど…… 売木のお兄ちゃんなら大丈夫だよね」

「大丈夫じゃねーよ! どんな田舎に行くんだよ!? ってか餌ってコイツ何食うんだよ!?」


「何でも食べるよ! 『ウルギ』は売木お兄ちゃんと違って好き嫌いがない良い子だから」


 そういうこと聞いているんじゃねえよ! 確かに俺はシリアル食品しか食わねえけどそれがこのオウムが偉くなる理由にもならねえだろうが! 餌で何を食うかって聞いているんだよォ! 答えねえと石とかあげちゃうぞ。


「もし何か困ったら直接『ウルギ』に聞いてよ! 『ウルギ』はオウムだけど、こう見えても喋れるんだ!」


 元気いっぱいでそんなことを言ってくるが、それでいいのかよ……? ペットに直接尋ねるなんて俺やったことねえぞ。

 そんな『ウルギ』ではあるが、ヨシ君の肩に乗っかったまま瞼を閉じている。……寝ているのか?


「あ、時間だ。僕もう行かなきゃ! じゃあ、売木のお兄ちゃん1日よろしくね!」


 ヨシ君が腕時計に視線を移しながらそんなことを言ってくる。ちょっと待て! 聞きたいことがまだ山ほどあるぞ!


 だが、そんな困り果てた俺に変わらずヨシ君はでっけえ緑のオウムをじか渡ししてきた。


 なんで直渡しなんだよ! 


「は!? ちょ、おい。鳥籠はどこなんだよ!? オウムをじかで渡されたって困るだろーが」

「大丈夫だよ、売木お兄ちゃん。『ウルギ』はどこにも飛んで逃げたりしないからさ!」


 その自信は一体何なんだよ! 俺が困るんだよ、こんなでっけえオウムだけ(・・)渡されたっておき場に迷うだろーが。


 鳥籠だけじゃねえぞ、餌とか、トイレとか用意してくれよ…… 俺今までオウムなんて飼ったことねえんだから何があっても本当に知らねえぞ。


「じゃあね〜、お土産買ってくるからね〜」


 結局何も聞けずにヨシ君が旅行に行ってしまった…… 本当に無茶苦茶な子供である。まぁ、子供というものはそういうものなのか……? 俺は知らねえけど。



 さて、玄関に取り残された俺とオウム…… こと『ウルギ』。とりあえず部屋に持っていくか…… 変に家族に見つかって騒がれても嫌だしな。






「ふあ〜」


 とりあえず、手に乗せていた『ウルギ』を机の上に下ろし手を洗う。オウムの『ウルギ』は伸びをするかのように羽をその場でバッサバサと羽ばたかせていた。


 本当に呑気な奴だ。俺がどんな思いをしてこの『ウルギ』を預かっているのか知りもしないで。



『はぁ〜 マジかよ』


 突如として聞こえた謎の声。俺の声ではない…… 部屋には俺しかいないはずなのに…… この妙な声……


『やってらんねえよ』


 まさか、『ウルギ』が喋っているのか!? 

 俺が『ウルギ』の方向へ目を向けると、どことなく落ち込んだかのように項垂れていた。


「あ、もしかして旅行で置いてけぼりにされたことを悲しんでいるんか?」


 俺がオウムに問いかけてみると、緑の『ウルギ』は『キィー』っと奇声を上げながらバッサバッサとまたも大きく羽を羽ばたかせ、俺に向かって風攻撃をけしかけてきた。


『うるせえよ! ったく、なんでこの俺がこんな野郎の部屋に居なきゃならねーんだよ!』


 よく喋るなあ。しかもやたらと流暢だ。ヨシ君のやつ、一体どんな調教をしたんだろうか……


「あ〜あ、かわいそうに。お前は家族と見なされてねえみてえだぞ。残念だったなあ」


 俺がわざとらしく嫌らしい口調で言ってやると当のオウムは『ふお!?』っと声を上げこうべを垂れてしまった。 


『マジかよ…… 俺、絶対一緒に行くと思ったのに……』


 結構萎えているな。

 そりゃそうか、旅行に置き去りにされちまったもんな、俺だって萎える。




「ってかお前、言葉通じるなら忠告しておくけど、部屋ん中でクソするんじゃねーぞ。するんだったら外でやってくれ」

『はぁ? ここ一瞬トイレかと思ったぞ。こんなトイレみてえな部屋でクソしちゃダメなの!? 信じらんねーよ』


 こ、コイツ中々生意気だな。オウムのクセしてふざけたこと言いやがって…… 一体誰に似たんだよ。

 落ち着け俺…… 相手はただのオウムじゃねえか……


「あと部屋の中で暴れたりするの禁止な。鳥籠ねえからといってお前を自由にさせたわけじゃねーからな」

『んだったら鳥籠用意してしっかりと管理しろや』


 お前の飼い主が鳥籠よこさなかったのが原因だろーが! なんだこの鳥、さっきから変なことしか言わねえんだけど。

 お前は鳥なんだから動物ニュースに出てくるインコみてえに『コンニチワ』とか『イターダキマス』とか言ってればいいんだよ! 可愛くねえぞ。


 ……まぁいいや、俺の忠告したいことは全部できたし、あとは適当にしておけばいいだろう。明日にはヨシ君帰ってくるし、今日一日の辛抱だ。


 そういえばまだ俺は朝飯を食っていなかったので、とりあえず朝食の準備をすることにした。今日もいつもと変わらない米国ゲロッグ社が誇る珠玉のシリアル食品『コーンフロマイティ』だ。


 俺は『コーンフロマイティ』をお皿に移しシャクシャクと食べ始める。相変わらずうめえな、全然飽きねえぞ……


 っと、食っている間に妙な視線を感じる。他でもないオウムの『ウルギ』から発せられるものであった。


 何だよその目、お前には一粒たりともやんねえからな。


『腹減ったぞ、何か食わせろ!』


 地団駄を踏みながら急に『ウルギ』がそんなことを言ってきた。


「はあ? お前夕食1回で十分じゃなかったのかよ!? まだ朝だぞ、飯にはまだ早すぎるだろーが」


 確かコイツは夕方に1回だけ餌をやれば死なないサルでも育てられる生き物だとさっきヨシ君が言っていたような気がする。こんなタイミングで腹減ったなんて昨日飯食わせてもらってねえのか? 

 ヨシ君、ちゃんとコイツの面倒見ろよ……


『んなわけねえだろ! それは俺が死なない最低限の食事回数だ。お前だって夕飯一食にされたって死なねえけど腹が減るだろ!!』


 なんちゅう我儘な鳥だよ。ここはヨシ君の家じゃなくて俺ん家なの、俺ん家は最低限の飯しか出ねえの。食い過ぎたって太るだけだろうが。


「知らねえよ、死ななきゃいいだろ。そんなの俺にとっちゃ知ったことじゃねえよ」


 『コーンフロマイティ』を口に運ぶ。あ〜 美味しい。腹を空かせたオウムの前で食う飯はうまいなあ、ピクニックに来たみたいだ。野鳥にしては随分とけったいな柄をしているが……


『おい! そんなふざけたこと言うな!!』

「焼き鳥だったらすぐに用意できるぞ。フライパンの上に寝転んでくれれば作ってやるぞ」 



 俺が皮肉たっぷりにそう言ってやると『ウルギ』は『キィー!』と声をあげて怒り出す。

 さっきみたいに風をおこされて皿の上にある俺のフロマイティを全部吹き飛ばしやがった!!


「な!? やりやがったな! 俺のフロマイティを!!」


 無様に床に散らばる『コーンフロマイティ』。なんてことをしてくれるんだ!! 俺の大事に朝飯がこんなことに……!? とんでもないことだぞ、これは……


『はよ飯出せや!』

「はあ!? こんなことしくさって、だだじゃおかねえぞ! ガチで焼き鳥にすっぞ!!」


 俺の言葉を聞けばまたも『ウルギ』が『キィー!』と奇声を上げて威嚇をし始める。やめてくれ、それ結構うるさいんだ。近所迷惑になっちまう。


 お、落ち着け俺…… 相手はオウムだ。オウム相手に俺は何マジになっているんだ…… 一旦冷静になれ…… 俺は人間様なんだ、オウムごときで熱くなってはいけない……


 数秒深呼吸した後、とりあえず俺は床を掃除する。あ〜あ、俺の朝飯が…… もったいない。




「ったく、文句の多い鳥だ。メシィ? 芋虫とかミミズでいいんか? 窓開けるから自分で調達しに行ってくれ」

『そんなもの食えるわけねえだろ! ちゃんとした『オウム用の餌』を与えろや』


 ……そうなのか? 鳥って虫とか食っているイメージがあるんだけど……



「『オウムの餌』? んなもんウチにねえよ。あ、冷蔵庫の中にきゅうりがあるけどそれでいいか?」

『全然違うじゃねえか! クワガタじゃねえんだからそんなもん食わねえよ!!』


 なんなんだよコイツ。俺の家にオウムの飯なんてあるわけねえだろ。それと近似したやつで今日は我慢してくれよ。


「ねえもんはねえぞ! 今から窓開けるから、近隣の家に行って勝手に食ってこいや」

『俺にドロボーさせる気かよ!? できるわけねえだろそんなこと! お前がなんとかしろや、人間だろーが!』


 人様の家に上がり込んでメシを要求するあたりドロボーのそれに似たようなもんだろ既に。何言っているんだコイツ。


「はーあ? 俺に『オウムの餌』を作れって言うのか!? 仕方ねえな、今材料取りにゴミ箱漁ってくるから少し待ってろ」

『俺の腹をぶっ壊す気か!? やめろや、お前が作った『オウムの餌』なんて食いたくねえわ!! 絶対サルモネラ菌入ってるだろ!?』


 せっかく俺が手塩をかけてお手製の餌を作ってやろうとしているのに全力で拒絶されてしまった。何が問題なんだよ、俺が料理することなんて相当珍しいのに、瞬時に断りやがってよぉ。失礼な香具師だ。


『無いなら餌を買ってきてくれ! ほら、近くの『ゐをん』にあるから!』

「『ゐをん』に?」


 『ゐをん』というのは俺の近所にある大型ショッピングモールのことである。あそこは24時間営業しているので朝の7時である現在も営業しているが…… わざわざそこまで買いに行ってこいというのだ。


 鳥のクセに餌を買う場所まで抑えているなんて浅ましい奴だな。鼻から餌を買ってもらうことを目論んでいたのか……?


「なんで俺が『ゐをん』まで行って買ってこねえといけねえんだよ! 贅沢だぞ、お前なんて床に落ちている米粒で十分だろ」

『俺は雀じゃねえから米食わねえよ!』


 あれ? コイツ、好き嫌い無いんじゃなかったっけ? ヨシ君も適当なこと言ってるな。さっきからかなり選り好みされているような気がするんだけど…… 好き嫌い無えなら何でも食えや。


『これ以上ゴネゴネ言うと、部屋の中で暴れ散らかしてお前のシリアル食品に実弾投下するぞ! それでもいいんか!?』


 半ば脅迫じゃねーか! なんてこと言い出すんだこの鳥は! そんなこと絶対に許されるわけねえだろっ!

 ……まぁ、でも実際そんなことされたらそれこそ後片付けが大変なので、一旦譲るか…… 人間様の心の広さを見せつけてやろう。


 全く、贅沢で浅ましくて下品で卑しい鳥だこと。死んでもこんな鳥には転生したくねえな。コイツも前世では相当な悪徳野郎だったに違いない。


「はぁ…… 分かった。俺が『ゐをん』に行って『オウムの餌』を買ってこればいいんだな?」


 改めて考えると何で俺がコイツの餌を買いに行かないといけねえだよ。普通ヨシ君が準備してくれるもんだろうが! 全く、あとでヨシ君に一言文句を言ってやらねえと気が済まねえな。


 俺、『オウムの餌』を買ったことねえけど一体いくらするんだろうか……? まあ、そんな高くない…… 鯉の餌みたいに100円そこらだろう。


 仮に思ったより『オウムの餌』が高かったら、それこそ近くに売っているの犬とかハムスターの餌等の安い代替品を買って食わせりゃ問題ねえだろ。コイツ、バカ舌っぽいしそんなもの食っても気付きやしねえはずだ。


 それでも100円の出費が痛えけどな。


 とりあえずネットで『オウムの餌』の相場を確認すると600円前後であった。思ったより高えな、これだったら一番安い犬の餌でも買ってあとは適当に言いくるめるとするか。こんなクソ鳥に600円も出せない。





「うし、わかった。今から『ゐをん』に行って買ってくるから大人しくしておけよ」


 俺が立ち上がり財布をポケットに入れると、目の前にいる緑のオウムはじとっと目を据えて俺を見つめてくる。


「……何だよ、何か言いたいことがあるのか? せっかく俺がお前の餌を買いに行こうとしているのに『いってらっしゃいませ』の一言もねえんか?」


 俺が問い詰めると『ウルギ』は喉を鳴らしながら首を傾げて見せた。


『お前…… どういう餌を買うか分かっているのか……? なんか妙なものを買わされる気がしてならねえんだけど』


 鋭い奴だな。野生動物じゃねえのにこういう時だけ勘が働くあたり本当に嫌らしい。


「何言ってるんだよ! ちゃんと『オウムの餌』を買ってくるから安心しろって」

『俺が何を欲しているのか分かるのか? ただの『オウムの餌』じゃねえぞ』


 どういう意味だ?


「何が言いたいんだ?」

『俺の好物、『スペシャルオウムフード:プレミアムコーンフロマイティ味』にしろ。それ以外は認めん』


 は? どういうことだ? そんな名前の餌があるのか……? 

 すぐにスマホで商品を調べてみる。お値段なんと3,000円!! 


「高すぎるだろ! 人間の食費より高額じゃねーか! んなもん買えるか!」


 何だよ、オウムの餌のクセして『プレミアムコーンフロマイティ味』って。俺の好物と味が一致しているあたり凄く気味が悪い。オウムの餌なんか無味無臭で十分だろ。何で俺がこのオウムの為にバカみたいな高額な餌を買わなきゃいけねえんだよ!


 流石にワガママが過ぎるぞ!


「大体ヨシ君から毎日こんな高額なモノ食わせてもらってるのか!? 嘘つくんじゃねえよ。お前なんて普通の『フロマイティ味』ですら贅沢なのに、『プレミアムフロマイティ味』なんて身の丈に合わねえだろ!!」


 俺が手厳しく指摘してやると『ウルギ』はその場でドンドンと足を鳴らしてきた。


『俺が食いたいと言っているから食いたいの!! 買え、買わねえと明日からお前の家をフンまみれにするぞ!!』


 なんなんだよコイツさっきから! そんなことされたら気が狂っちまう。


 挙句の果てに


『そうだ、寝ている間にお前の口へ実弾投下してやろ』


 とか恐ろしいことを思いつき始めるし…… これはやべえだろ。信じらんねえ、人間だったらまず思い付かねえ発想だぞ。


 さ、流石に3,000円は高すぎる。たかだか『オウムの餌』ごときでなんでこんなに高いんだよ、本当に謎だぞ……


 コイツの提案には拒否したいところであるが、このオウムだったら本当に俺の口へ実弾投下とかやりかねない……


「でもでもでも、3,000円は高すぎるだろ! 考え直すべきだぞ。ただの鳥がそんな高えもん食ってるなんて聞いたことねえぞ。ほら、その横に普通の『フロマイティ味』の餌があるからそれで我慢しろや」


 それでもお値段1,000円だ。相当オウムを愛していないと買えない金額である。


『はい、実弾決定』

「少しは考えろ!! 即決すぎるんだよ! 交渉というものを知れよ、交渉というものを!」


 ダメだ、考えてもくれない。相手が鳥なだけに『人間じゃねえ』ぞアイツ。人情を知らない、本当に無慈悲だ。


「本当、お前、クソみてえな性格してんな」

『はよ買わねえと、部屋荒らすぞ』


 あーもう!! 買えばいいんでしょ、買えば!!  


 ほんっとうに話聞かねえな!!


 ヨシ君、覚えておけよ!!







 結局、コイツもお目当ての『スペシャルオウムフード』をちゃんと買ってくれるか心配だからとのことで『ゐをん』まで付いてきた。

 ペットショップに着いたら『早く買え』とプレッシャーかけられるし、鳥を引っ提げて店来ている奴なんて一人も居ないためとても目立ってしまい大変居心地が悪くなる買い物だった。


 さらば俺の3,000円、愛してもいないオウムの為に消してしまってすまねえ……


 ・

 ・

 ・




「ただいま〜、売木のお兄ちゃんありがとうね。『ウルギ』は大人しくしていたかな? 

 えっ? どうしたの売木のお兄ちゃん、元気ないよ? あ、分かった、好きな人に告白して振られちゃったんだ、残念だね〜 元気出し…… え、違うの?


 『ウルギ』もお利口さんにしていたかな〜? そかそか、偉いねえ〜 でも、僕がいなくて寂しかったでしょ?


 え? どうしたの売木のお兄ちゃん、凄くやつれてない? 大丈夫? 『ウルギ』が何かした? あ、違うの……? ならいいけど……



 あっ、しまった…… 売木のお兄ちゃんへのお土産忘れちゃった……

 まぁ、いいか。また次の旅行も計画しているしその時に買ってくるよ。でも、その時もまた『ウルギ』のお世話をよろしくね、売木のお兄ちゃん。


 じゃあね〜 ばいば〜い」




 バタン




「ぜっったい世話しねえ!!!」




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