勘違いする南川ちゃん
作者はしばらくお休みです。
ここは本棚学園にある音楽部のお話。
「西田先輩!」
ピアノの前の椅子に座っている少女は南川刹那。
「何だ南川」
呼ばれて近寄ってきたこの男は西田優也。
この二人はこの本棚学園に在学している三年と二年。
最初はただの先輩と後輩の関係だけだった。
だけど何時からだろう、それだけでは我慢出来なくなったのは。
「ちょっとピアノが鳴らなくて、見てくれませんか」
あれ?全然ピアノの音が鳴らなくなった。
「なに?どれだ」
先輩が中を覗く。
ああ、先輩の横顔カッコよすぎる。
「ああ、これは中の線が切れたな」
しばらく確認したあと先輩が顔をあげる。
「じゃあこのピアノ修理に出さないといけませんね」
「顧問の先生に言って修理業者に連絡して貰おう」
「あーあ、しばらくピアノはお預けか…」
「そうだな、いや…そう言えば家にあったな、なあ南川、家に来ないか」
「えぅあ!?先輩の家に!?」
驚き過ぎて変な声が出た。
「ああ、嫌か?」
「い…嫌とかじゃなくて…そんな…急に言われても」
「家の両親にも紹介したいんだがな…」
「先輩のご両親に!?」
まだ付き合ってもないのに。
「お前なら両親も喜ぶだろうし」
「そっそれって、あっ…あわわわ、私が先輩と…嬉しいけど急過ぎるよ…しかもいきなりご両親に挨拶とか、どうしよう…何着ていこう…何かお土産とかあった方が…いやでも」
どうしよう、本当どうしよう。
「おーい、おーい!南川!」
「ひゃい!?なっ何でしょう先輩!?」
「いや声掛けても反応がなかったから」
考え込んでて気がつかなかった。
「あ、ああ!少し…考え事していて、あの先輩…ご両親に挨拶の時どんな服着ていけばいいでしょうか」
「えっそんなの好きな服でいいよ?」
「な、なるほど、変に着飾るよりありのままの自分でいた方が、ご両親には自分がどんな人物か分かりやすいですもんね」
「いや…挨拶ぐらいでそこまで気にしなくても…」
先輩が困惑しながら言った。
「ダメです!挨拶だからこそ大切何です!」
まったく先輩は何を言ってるんだか。
「そっそう言う物なのか?」
「そう言う物何です!」
先輩と…えへへ♪。
「だが家に遊びにくるだけなのに礼儀正しいんだな」
「えへへ、えっ?」
「ん?」
この後勘違いに気がついた南川は顔を真っ赤にしながら逃げ去った。
「先輩が勘違いさせるようなこと言うのがいけないんですからー!」
「えっ、俺のせえか!?」
やあ、いかがだったかな。
面白ければいいが。
感想や変えた方がいい点など教えてくれると凄く助かる。
じゃあね。