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言葉がわかりません!

思ったより長くなりました。

音が聞こえる...


うまく動けない...


異常に眩しいようでなにも見えない...


「#%€%#^*##%#*!」


「#%€%%^^%#“*;!」


なにか聞こえるけど日本語じゃない。


あぁ、ラノベみたいに言葉の変換とかはないのかぁ。




どうやら無事に転生できたらしい。


安心したのは最初だけだった。


記憶保持での転生は案外苦労が多かった。


まず、動けない。


これが思いのほか苦痛だった。


意識のあるうちは一日中動けないのだ。


自由に動けるってのは素晴らしい事だったんだ!


次に食事だ。


新生児なのだから当然母乳。


前世と変わりないらしい。


好きな時にお菓子やら食べてた記憶持ちだとこれも相当苦痛。


なんせ母乳一択なのだ。


今日はカレー、明日は生姜焼き、昼食はラーメンたべたいなー!


なんてことはないのだ。


ラーメン食べたいなぁ。。


そして言葉!


まずうまく発声できない。


そもそも言葉がわからない。


なんとなく空気で「こう言ってるのかな?」みたいな事はあるが、実際に正しいかはわからない。


わからない言葉をずっと聞かされそれを考えるのはそこそこにストレスだ。


とにかく早く言葉を覚えなければいけない。


現状で出来ることはそれくらいしかないのだから。





しばらくすると家族構成がわかってきた。


そしてこの世界のことも少しわかった。


まずこの世界は中世ヨーロッパ的なイメージでいいだろう。


服は和服なんてことはなく、洋服だ。


エアコンとか冷蔵庫といったものはなく、文明的には現代日本に劣る。


次に家族構成だ。


まずは僕の、いや私の父は金髪の短いオールバックに青い瞳。


そして太っちょだ。


顔は優しそうだ。


そして丸い。


もしかしたら痩せるとカッコいい顔をしているのかもしれない。


あくまで私の感覚でだが。


次に私の母だ。


こちらも綺麗な金髪に青い瞳


端的にいって綺麗だ。


自分の母がこれだけ美しいのであれば私自身も期待できるのではないだろうか?


あとは兄がいる。


5、6歳位だろうか?


ヤンチャそうな顔付きをしている。


イタズラ好きなのか、良く母に怒られている。


そして私の恐らくは四人家族だ。


もしかしたら他にもいるかもしれないが、この1ヶ月程で他に家族らしき人は見ていない。


メイドらしき人は複数いる。


女性ばかりだが、若くて美しいメイドって感じではない。


大抵が優しそうなおばさんだ。


男性は2人


いかにもな執事長といった感じのおじいさんと


コックさんっぽい感じの人


服装で形を表すのは日本とそう変わらないのかもしれない。


これだけ人がいる家なのだから多少お金持ちなのかもしれない。





数ヶ月が経つと言葉も大抵わかるようになった。


この身体は前世より頭がいいのかもしれない。


早く話しすぎると面倒な事になるかもしれないと思ったので話すことはない。


なんせこの親は親バカなのだ。


特に父は寝返りを初めて見た時泣いていた。


そして天才だと叫んでいた。


それからというもの時間ができると父は満面の笑みで話しかけ、寝返りをうつと拍手だ。


これでは多少話せるとわかったら大変な事になる。


実は少しなら既にハイハイもできるのだが...これも当然見せない。


早く移動できるようにして動きたいのだが...。


それぞれの名前がわかった。


まずこの家はアーデ家らしい。


父はケビン・アーデ


母はヘレン・アーデ


兄はロイ・アーデ


そして私はリリィ・アーデだ。


名前がついたとこでステータスにも名前がついているのか?スキル等は変更ないか?確認したいがどうやら自身では確認出来ないらしい。


神殿などで魔具とやらで確認するか


神官などに光魔法で確認してもらうかの二択のようだ。

なぜそこまでわかるのか


私が生まれた時に光魔法を使える人に確認してもらったようだ。


その際の記録が家にある。

リリィ・アーデ

LV1

魔術適性

光LV3

水LV1

土LV1

スキル


いくつかおかしい


まず土が追加されている。


これは推測だが遺伝したのだろう。


このステータス表の他にも家族の分が1箇所にまとめてあったが


父に土魔術適性があったのだ。


因みに母と兄は火魔術の適性がある。


兄は父と母の両方を遺伝したわけではなく母のだけを遺伝したのだろう。


全員魔術LVは1だった。


そうすると私の適性と適性LVは異常だと騒がれてしまうのかと思ったがそんなことはなかった。


父は言った。


「この子は天才だー!」

母は言った。


「この子は天才ね!」


大体私が何かするたびに天才で済む。


親バカとはこういうものかと私も深く考えるのやめた。


とはいえ光魔術LV3がどの程度なのかわからないし

魔術も現在は試せない。


なんせ四六時中誰かが近くにいるのだから。


せめて移動ができる時期になってからにしようと思う。


そしてスキルがなにもなかった。


生まれたばかりなのだから無くて当然なのだが


私には無いとおかしいスキルがある。


そう、性別変換だ。


これはおそらくアイアス様が見えないように仕掛けてくれたのかもしれない。


余りにおかしなスキルだから目立たないように。

そう思うと納得がいった。


まあ無くなってしまった、でも構わないのだけど。





それから数ヶ月が経つとハイハイでの移動もできるようになり、家中をうろつくようになった。


まず最初に移動したのが書庫だ。


魔術について学びたかったからだ。


なんせ前世ではできなかった事


早く試したくてたまらなかった。


だがここで大きな問題が発生した。


言葉が読めなかった。


もうしょうがなかった。


本当は1年過ぎてからにしようと思っていたのだが早く魔法を試したかったので父に話しかけたのだ。


「パパ」


一言だけ


たった一言しか話していないのにそれはもう大事件だった。


屋敷中大騒ぎだ。


主に父と母が。


母は「ママよーママって言って」と繰り返し、「ママ」というと泣いて大喜び


終いには「この子は賢い、将来は賢者様かな!」


「ええ、この子は天才だもの!」


夫婦仲良しでいい事だ。


実際生後数ヶ月の子供が、ハイハイ覚えたての子供が言葉を理解し話せるというのは異常かもしれない。


ただこの数ヶ月本当に苦痛だったのだ。


動けるのに動けないフリ


話せるのに話せないフリ


私としてはよく我慢した方だと思う。


だからもう開き直ることにした。




それから数日後


「パパご本読んで?」


と頼むと父は微笑んで何度も何度も読んでくれた。


次はあれ


次はこれ


仕事はしなくていいのだろうか?と疑問に思うほどに毎日読んでくれた。





おかげ様で1ヶ月程で文字の基本が読めるようになった。


ありがとうケビンパパ。


でも働こうね!


感想貰えると嬉しいです!

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