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兄弟喧嘩です!

よろしくお願いします!

「リリィ、思えばリリィと喧嘩した事はなかったよね。いつだってリリィは正しかった。けど今回は...僕が正しい!マルコさんを置いていくんだ。」


ロイ兄は言いながら分かっている


私が譲らない事を


ロイ兄の魔力は全開だし、魔剣も抜いている


ロイ兄の魔力にダンジョンが揺れている


「リリィは僕に勝てないよ?リリィの魔術は支援がメインで戦闘向きじゃない。対して僕は戦闘系スキルばかりだ。レベルも僕が上。武器も僕の方が強い。リリィが勝てるわけないよ?」


ロイ兄の言葉とは思えない


「それでも...私は引かない。ここで私が引いたら皆死んじゃうから。絶対に引かない!」


ロイ兄は笑う


ロイ兄とは思えないほど邪悪な笑みだ


「じゃあ、リリィはここで死ぬよ?いいね?」











言うなり魔剣を振るう


すると魔剣から黒い炎が飛んで来た!!


なにこれ!?


こんなの知らない!


私は遅れをとり片腕を吹き飛ばされる


大丈夫...凄く痛いけど、自動再生...しない!?


「うん、やっぱりね。リリィには特に相性がいいみたいだ。これはねアレスと特訓した合成魔術だよ。闇の上級と火の初級。それを合成したオリジナルの魔術。[邪炎]って名付けたんだけどどうかな?」


その名前はどこかで聞いた事あるから改名しなさい!


闇の上級と火の初級...


マナドレインとファイアボールか!


え?全然原型留めてないじゃない!


ボールでもなんでもなかったよ!


でもこれは...強い。


「わかったみたいだね?邪炎は両方の特性を持つ。焼いた相手の魔力を吸収するんだ。だからリリィの腕は再生出来なかった、再生するにも魔力は必要だろ?」


確かに相性は最悪...


これ以上焼かれると仮にここを突破できても魔力不足でなにも出来なくなる


あの魔剣相手では結界も効かない...


どうすれば...


「どうやらお困りのようですわね?ワタクシが力を貸して差し上げてもよろしくてよ?」


そこには結界で封じてきたはずのシータがいた










「シータ、でも大丈夫だよ。リリィに負ける僕じゃない。そこで見ててよ、すぐに終わらせるから」


シータ、やっぱり超級ではスキルの影響を阻みきれなかったの?


こんなにも早く来ちゃうなんて。


「勘違いしているみたいですわね。ワタクシが声をかけたのはロイではなくリリィ、貴女ですわよ?無計画にも程がありますわ。策は計画的にしないとこういう事になりますの。次からはもう少し慎重になさい」


シータ!


でもどうして?


「説明はあと。ロイを抑えるのは容易ではありませんわ。貴女はさっさと曾祖父様を戻してちゃっちゃと終わらせて来なさい」


でも...それじゃシータが


「兄弟で勘違いはおやめなさい。お慕いしてる者に命を絶たれる...ある意味甘美ではございますわ。けれどワタクシがお慕いしているのはロイであって、目の前の操り人形ではございませんわ。ワタクシは貴女と違って無計画にここにきたりはしませんの。対策はございますわ」


シータ、ロイの事好きだったの!?


そう言われれば思い当たる節が...


え?ええ!?


「今は余計な事を考えてないでさっさとお行きなさいな!帰ったら説教と一緒にお話しますの。」


それは...楽しみだなぁ。


「じゃあ任せるね。ロイ兄の事お願いね?」


「任されましたの。行ってくださいまし。」


私はセーフティエリアまで走る...


後ろは振り返らない。









「へぇ?どうやって王様のスキルを?それに僕を抑えるにしたってシータは戦闘向きじゃないでしょ?」


このロイはロイではない。


そう思っても目の前に立つと決心が鈍る。


「今は陛下ということですわね?やはり本体に選んだのはロイでしたか。我らの中でもロイは最も高レベルですからいくら陛下でも直接移らなければ操れない、そういうことですわね?」


するとロイの雰囲気が変わる


「シータ・ヴァイオレット。貴様いつから気付いていた?」


やはり


「隠す気ならもう少し対象の観察が必要ですわ。それに女の秘密を探ろうだなんて無粋ですわね。しかし心は読めないご様子で。他の力を使用できない代わりに対象に直接乗り移り操る事のできるスキル...奥の手ということですわね。」


陛下はじりじりとこちらに近づいてきている


「これは参った。そこまで読まれるとは。失策であったな。だが良いのか?先も言ったが貴様では1分と持つまい。結果はかわらんぞ?」


もう少し...


「陛下の知らない奥の手がございますわ。それも飛びっきりのが。陛下こそ急がなくていいので?リリィは今頃ヴェルガさんにお会いしている頃ではなくて?」


もう少しで...


「魂胆が透けて見えるぞ?焦らせても無駄だ。一瞬でカタをつけて転移すればいいだけのこと」


今っ!


「シロ!お行きなさい!」


ワタクシの影からでる魔獣


それは真っ白の狼


召喚陣で呼んだワタクシの従魔、シャドウウルフ


中級の魔獣だけれど一つの能力を持っている


それは同族の影に潜む事ができる


レベルは召喚者と同じ


「従魔か、その程度で!」


シロを狙うその前に


「クロ出なさい!」


シロの影からクロを出す。


召喚陣のスキルレベルが低く中級の魔獣二体しか召喚出来なかったが、これで充分


陛下は2体目の魔獣に反応が遅れる


その隙をついてワタクシの魔術が炸裂する


「ロック!」


時間にして1秒も止められない。


この距離まで使用できないし、止めても大した事はない。


それでも


「これでチェックメイトですわ」


ワタクシは魔剣に触れる


「魔剣ブラドよ!貴方が選んだ使い手は違うはず。操り人形に手を貸すなど言語道断、力を貸しなさい!」


魔剣に魔力を注ぎ暴走を促す


結果...













「シータも人の事言えないよね?リリィと同じく無計画にも程があると思うんだけど」


ロイは戻ってきた


魔剣の力によって


「こう見えてワタクシ博打は得意ですのよ?」


実は勝算は低かった


それでも可能性はある


ロイが魔剣と対話しているのを何度もみた


だから意思があることも知っていた


その為の陛下との会話


そして魔力を渡せば解放してくれるんじゃないかと期待しての行動は見事に成功した


「うん。知ってる。シータは運も強い。だけど無茶しすぎて死なれちゃ困るから気をつけてね?」


実はワタクシは今1つの事が気懸りだ


ロイはさっきまでのことをどこまで覚えて...


ワタクシとした事が雰囲気と勢いに任せとんでもない事を言ってしまった。


きっとあの瞬間だけ操られていたのだろう


「さて、リリィを助けにいきますか!シータ、これを鑑定してくれる?」


渡されたのは金色のベル


これは...


「転移のベル、記憶させた3箇所に転移が可能...お一人のみですのね。」


1人だけ。


ならば最初からロイをぶつける狙いだった、と言う事ですわね


「うん、じゃあシータはここで待ってて。リリィとマルコさんを迎えに行ってくるから。」


ロイはいつもの笑顔でそう言った。


「行ってきます!」


ロイはそう言うと光の中に消えていった。








ーーー

「はぁ。まあいいですわ。ワタクシもするべき事は残ってますもの。陛下?恐らくは近くにいるでしょう?」


すると陛下は出てきた。


陛下はいつもの無表情でも


愉快そうな顔でもなく


混乱していた。


「朕は...我は...余は...私は...誰だ?」


聞いたワタクシも混乱する事になった。


この話で一区切りにしたかったんですが...

なかなかうまくいかないものです。

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