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大怪盗参上です!

ブックマークが増えてます!

めちゃめちゃ嬉しいです!

私の決断が最悪の未来を呼んだなら


私の決断で未来を取り戻す


そう決めたから...


私は王様に会いに行った。










王様はガデス様のお屋敷に留まっていた


王都にも戻らず


あるいはこの未来さえも見ていたのだろうか?


「久しいな、聖女よ」


私は人払いを頼んだ


ガデス様も含めて


「ふむ、実のところ其方の心だけは読めなかった。それは今も変わらずだ。今まで運命の分岐点は幾度となく見てきた。それこそ今までの王の記憶で1000年分だ。しかし、誰か1人の放った一言で未来が確定したのは初めてだ。」


私は王様に聞きたい事があった


「ロイ兄に言ったこと、嘘ですよね?」


すぐさま王様は答えた


「嘘ではない。現在ある唯一の突破口だ。但し、限りなく薄い可能性ではある。1万回挑めば1度いいところまではいくかもしれない...といった可能性だ。しかしそれしかないのであれば伝えるしかあるまい?」


そんなことだと思った


「ロイ兄とヴォルフさんは死ぬ気です。鬼になる可能性を持つ者と、再び獣になるかもしれない2人は死ねと言うことですか?」


ふむと言った後に続けてこう言った


「それはそれで今後の憂いを断つ意味でも悪くないがな。しかしそれで他の3人を敵に回しても国は滅ぶ。それ程の力を備えておろう?朕は嘘は好かん。無駄な争いも好まぬ。意味のある争いでも出来れば避けたい。真実を伝え、出来ることを模索する。それだけだ。」


私はこの人に会ってから違和感しかなかった。


周囲を纏う魔力


絶対的権力者の空気


そして何より


あの話しを聞いて全員が戦う意思を固めた事だった。


一見すると確かに戦わないといけない気がする


避けれない気がする


でもどうしても違和感が拭えない


自分の呪いを解くと決めたロイ兄が


ヴェルガさんの呪いを解くという考えを捨てていた事に


ヴォルフさんが自身の祖先を殺す事に躊躇わない事に


あの臆病なアレスが率先して命をかけていることに


そしてなにより


私より遥かに頭のまわるシータが


私でも気付く可能性を見逃すはずない!


「王様のユニークスキルが完全に効かないのは事実でしょう。でも誘導、もしくは浸透させる事はできる。そうでしょう?そしてそれは私にだけは効かない。私だけが気付いた。だから私以外を死地に向かわせる事で私を誘導しようとした。違いますか?」


王様は眉1つ動かさない


「4人に超級の結界を仕込んできました。後は呪文を唱えるだけ。ロイ兄だけは魔剣で破壊できるけど、ロイ兄だけでは時の牢獄を解除出来ない。

仮に復活するまでロイ兄を待機させる事にして、ロイ兄で単独撃破させようとしても今度は暴走するロイ兄を止める者がいない。私は王様が2人を殺すつもりなら躊躇わない。ロイ兄もなんとかして行かせない。」


王様は何も言わない


「王様は私の未来が見えない。代わりに他の人の未来で予想をつけている。私がこうしてここに来ることも、そしてこのあと私がどんな行動をするかも見えていない。」


王様が口を開く


「過去1000年で1度、たった1度だけ其方と同じように未来が見えぬ者がいた。それは神の加護を持つ者だ。其方も持っているのであろう?神の加護を」


神の加護?


心当たりはある


アイアス様だ。


けどステータス欄にはないし...


そういえば転生前と転生後ではステータスの内容も若干違ったような...


今はいい。


とにかく...


「私が単体で行動する未来は王様には見えない。だから滅びの未来しか見えてない、そうでしょ?でも私は動きます。このまま皆を死なせたくないから」


王様が笑う


「其方は確かに特別であろう、高レベルでそれだけの魔力量に優れた魔術適性。しかし其方1人で倒せる相手ではない。どうする気だ?」


私には策がある


「成功すれば必ずなんとかできます。失敗しても私が死ぬだけ。そしたら超級魔術は発動する事なく先程のプランは実行できる。王様に損はない。だから教えて欲しい、ヴェルガさんの出現位置を正確に!」


ヴェルガさんの居場所さえわかればいい


けれど現状ヴェルガさんの出現位置を知っているのはこの人だけ


「ふむ。朕にはなんのリスクもないし、メリットも大きい。断る理由はないな。ならば答えよう。ヴェルガの封印が施されているのはダンジョン深層60階層のボスフロアだ。マルコの最大到達領域でもあるそこに転移させて、封印した。」


ダンジョン60階層?


何故ダンジョン...


そして転移がなければ1人でたどり着けない階層...


いや、それならロイ兄だって一緒だ


シータ達がいなければ罠を見破れないし、強力な魔物達を1人で相手をしなければならない。


ならきっと王様は60階層に辿り着く方法を知っているはず!


「あるにはあるがな。しかし一度しか使えぬ故に成功するかも内容もわからぬ策に使う程、朕は愚かではない。」


そう...


でももう大丈夫


思いついたから!


「大丈夫です、おかげで方法は思いつきましたから。ですからこれから2週間の間だけで構いません。私のする行動全てを見逃して頂きたいのです。」


王様は笑った。


「2週間ときたか!たった2週間でなにができる?そのレベルであろうともダンジョンを1階層から進み20階層と進めぬであろう?80階層に転移して戻るほど愚かでもあるまい。いや、良いぞ。楽しみに待っている。今代の聖女よ、其方の活躍に朕は期待する」


王様は子供のようにはしゃぐ


この人の思い通りになんてさせない


「ありがとうございます王様。未来を変えてみせますから。それでは2週間後にまたお会いしましょう。」


私は席を立ち


部屋をでた







ーーー

「今世に加護持ちが現れるとはな...そのような事をする神が未だこの世にいるとは。どのような神か気になるではないか!」


王は高笑いをしていた。


ただ1人、部屋の中で


「のう?デウス?」


天井を見つめながら...








ーーー王様との謁見を終え、来ていたのは市場だ。


私は大量の瓶と食材を購入して


そのまま宿を取る


しなければいけない事は沢山ある


1番重要なのは当日まで奥の手を見せない事


買出しを終えて私は宿に籠る


当日までひたすらに...






2週間後


何度も見た事ある家が目の前にある


今回は訪問ではなく、侵入するのだけれど...


怒られるかなぁ。


全部終わったらいっぱい怒られよう。


怒られたいなぁ。


目の前のお屋敷はヴァイオレット家のお屋敷


大怪盗リリィ参上です!


侵入は容易だった。


壁をジャンプで越えて


目的の三階の窓を破り侵入


予想外だったのは侵入するとそこにシータがいたこと


「あら、リリィ。今日はどのような用件ですの?窓から訪問だなんて...そういう事ですのね。」


シータが喋ると同時に超級の結界でシータを縛る


ごめん、シータ。


でも今はやらなきゃいけないの。


私はシータの目の前にいる石化したマルコさんを魔具に収める


家から持ってきた魔具は闇の魔術が適用された魔具


物のサイズを変換して内部に大量の物を出し入れできる所謂アイテムボックスだ。


この中にはあの時の魔石も入っている


そして窓から出ようとすると私の足が床にめり込む


これは...


「リリィ殿、どうしてこのような事を?なにか手立てがあるのなら相談して欲しい!我らはそれ程信用できぬか?力になる!言ってはくれまいか?」


アレスだ...


アレスもたまたまヴァイオレット家に居たのか。


ごめんね、アレス...


私はアレスに手を向けると超級の結界を張ろうとして、失敗した。


アレスが何かしたの!?


「例え刻印を刻んだ魔術であろうと魔力を扱う事には変わりない。この距離ならば魔術妨害位はしてみせる。さあ話してくれまいか?」


魔術妨害?


私は再び結界を張ろうとするも、やはり発動せず、その上足元から土が上から氷が私を襲う


これが並列思考...


こっちの魔術を塞ぎ、その上で二種の魔術による同時攻撃。


こんなにも強くなったんだね...いっぱい頑張ったんだね。


そんな力を他人に操られていい訳ない!


私は自身に強化を施し


アレスに接近する


「アレス!正気に戻って!こんなのおかしいよ!」


アレスは首をふる


「バカな!突然屋敷に侵入して盗みをするリリィ殿こそ正気にも戻られよ!」


ダメか


今のアレスには何を言っても。


ここであれを使う訳にもいかないし、ここは逃げ...


え?


「リリィ殿が大人しく話してくれぬのであればこちらも全力でお相手するまで、こちらの秘技見せて...「リリィ、これでいいですわね?大体の事情は把握しました。結界内ならば多少はスキルの影響も抑えられるようですわ」」


シータ!


何をしたかわかんないけどアレスを気絶させた。




「ですがダンジョン近くには陛下がいらっしゃいますの。恐らくはそこまで行くとワタクシも結界内であっても抵抗できませんわ。ですからどうかお願いします。皆を助けて下さいませ。」


その為に私は来たんだ!


大丈夫!丸ごと全部私がどうにかしてみせるから!


「シータ、ありがとう。その結界はあと数時間は効いてるはず。だからどうかアレスをお願いね。後は任せて!」


そして私は向かった


ダンジョンへ







ダンジョンの近くまできて、立ちはだかる人が...


ヴォルフさん...


「よぉ嬢ちゃん、散歩かい?つれねえじゃねえか。俺にも声かけてくれよ」


そういうヴォルフさんは笑ってない


まるでケルベロスを相手にしているかのような殺気を放っている


ここまで操れるのか...


操れないって嘘じゃん!


それに予想より対応が早い。


アレスに時間を取られなければ...


「ヴォルフさん、そこをどいて下さい。私行かなきゃ行けないところがあるんです!」


ヴォルフさんは首をふる


「いんや、却下だ。嬢ちゃん1人で行くならまだしもマルコは置いてけ。そいつぁ連れて行かれたら困る」


やっぱりマルコさんを連れてきたから王様は妨害して来たんだ。


でも止まるわけにはいかない


超級結界で縛ろうとすると目の前からヴォルフさんが消えて


目の前にヴォルフさんが!!


顔面を狙う拳


咄嗟に強化と結界を張るも破られ両手でガードする


私は吹き飛び、民家に激突していた


ガードした腕は折れてるな


ガードしなければ間違いなく首は吹き飛んでいた


でも触れた瞬間に超級結界で縛る事はできた


「嬢ちゃんやるじゃねえか!けど、こんなもん獣化を使えば...ああああああああ!!!な、なんで俺ぁ嬢ちゃんに手をあげてる?でもやらなきゃいけねえ。なんでだ?あ?俺ぁどうなっちまったんだ?あ?」


王様との距離が近いからか、超級でもスキルの影響はある。


けど半減程度はできたのかな。


「ヴォルフさん、それは王様の洗脳です。超級結界内なので多少抵抗できてますが、抜けたら操り人形です。だからどうか、事が終わるまでそこで抵抗して下さい。ごめんなさい...ヴォルフさん」


ヴォルフさんは叫ぶ!


「嬢ちゃ...待て!行くな!ぁあああああああっ!!」


ヴォルフさんの悲痛な叫びは耳に酷く残った


絶対に許さない...


思い通りになんてさせないから!


そうしてダンジョンまで辿りつく


あとはセーフティーエリアまで行くだけ...









セーフティエリアの手前に最後のパーティメンバー


パーティ最高レベル


鬼の力と最強の魔剣を持つ


ロイ兄がいた。

本日はお休みのため大量更新しました!

明日からちょっと忙しくなるので、更新回数減るかもしれません。


よろしくお願い致します。

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