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おっさんと砂漠都市③

11の隕石を地表に落とした俺は、あるものを見つけた。


「な、なぜ、こんなものが…」


デブリに隠されるように巨大な帆船があった。


豪華絢爛な装飾を華美に施した貴族が好みそうな外見だ。


艦首には巨大な黄金の女神像が飾られている。


「船体情報は…。スペース・クイーン号?どこの船だ?」


オープンチャンネルで通信を試みるが、反応がなかった。


「遭難ってわけじゃなさそうだ。何か訳ありか?」


俺は狭い小型戦艦内でパイロットスーツを着るとスペース・クイーン号に接近した。


「どこか開いている所は…、あった。」


甲板にスライドデッキがあり、そこが開いていた。


小型戦艦を侵入させると人型ロボットが寝かされていた。


およそ30メートルの巨大なロボットだ。


「何だこりゃ?」


前世では、巨大な人型は良い的になるという事でどんどん小型化していき、腕なんていらねぇ、足も飾りだ、頭部が壊れた?頭部がなければ壊れないという極端な思考と技術進化で電話ボックスサイズの小型戦艦なんでモノができた経緯がある。


実務は小型戦艦が主流だったが、それでも巨大ロボットに憧れる人は一定数いた。


「まぁ、趣味の世界だな。」


そこそこの金をだせば、趣味全開の見た目のロボットがオーダーメイドで作れた。


武器も低威力のビームがカラフルな色で撃てるが、稼働許可宙域以外ではセーフティが掛かる使用になっていたはず。


「とりあえずは、ブリッジを目指すか。」


小型戦艦をロボットの隣に着艦させて、ハッチを開くとプシュッと抜ける音と共に船内の空気が一気に宇宙へと放出された。


パイロットスーツのヘルメットに装着されているライトを店頭して案内プレートに沿ってブリッジを目指した。


何かが出ても良いように、ビームガンはセーフティを解除して抜いてある。


居住区を抜け、ブリッジまでやってきた。ここまで怪しい反応は一切ない。


電源が入っていないブリッジの扉をレバーで開ける。


半分開けた状態で中を覗き込むが、誰もいない。


死体もないし、未知の生物もいない。


ブリッジの扉を閉め、ロックする。


ブリッジには中央後方に艦長席、その前に椅子が2つある。


片方には操舵システムらしきものがある。


もう片方は通信席か?


艦長席に座り座席のひじ掛けにある主電源のレバーを入れると室内の明かりがついた。


これで船が生き返った。動かすことも出来るだろう。


艦長席で空間投影型ディスプレイで航海ログと航海日誌を読んでいく。


なるほど…


これは、語るも涙。聞くも涙のお話だ。


ある星の成金が趣味全開のオーダーメイドの船と巨大ロボットを作ったはいいが、脱税がバレて押収される前に漂流させたってのが真相らしい。


全然、涙が出ねぇ話だったわ。


次に船体状況を確認する。


電源は入るが動かせない、だと困るからな。


フム。船体スペックは長さ150メートルか…。宇宙船にしては小型だな。


エンジンは…、超電動ゴム巻き式エンジンか。高安定の低出力で速度は出ないが壊れ知らずの高性能品だ。


外装素材が…、ナノメタル使用?壊れても勝手に直してくれる超超高額品じゃないか。それが船体全てを覆っているとなると、中規模惑星の国家予算並の値段するぞ。


ああ、だから脱税してこんなものを作ったのか。


武装は最低限のデブリ破壊用の低出力ビーム砲だけだ。


操縦も専用の船長帽をかぶれば思考解析で操作も可能らしい。


このシステムはレアメタルを使うのでバカ高かった気がしたぞ。


完全に趣味の世界だ。


…ものすごく動かしたい!


そんな衝動にかられるが、今は隕石落としの結果を見に行かねば。


俺は主電源を切ると暗くなったブリッジを後にした。





小型戦艦に乗り、デブリを落とした地点に行ってみると綺麗さっぱり遺跡は跡形もなく消滅していた。


クレーターがいくつもあり、そのどれかが地下遺跡も一緒に吹き飛んだようだ。


そして、遺跡から周囲数キロは衝撃波で雪も飛び散っていて砂漠と岩肌が見えていた。


これで氷の女王も討伐完了だな。


正面から戦うなんて、騎士のやることだ。


俺たち冒険者は小さな労力で最大限の結果が出せれば、それでいいんだ。


決して卑怯者とかじゃないんだからな。




-氷の女王-


何百年か、何千年かぶりに封印を解かれた。


宿敵の焔の魔神と世界の覇者を争っている時に、人間に出し抜かれ私も焔の魔神と封印されてしまった。


封印を解かれた世界では焔の気配は感じられなかった。


封印中にくだばったか、倒されたかは分からない。


ただ、私が世界の覇者になる邪魔ものはいなくなったのは確かだ。


これで私の邪魔をするものはいなくなった。


目の前にいる人間は覇気もなければ魔力も低い。


相手にするだけ無駄だ。


さぁ、世界を美しい氷の世界に変貌させてみせよう。



しばらくすると、多くの人間がやってきた。


覇気も魔力もそこそこある者たちだ。


その中の一人が私に問いかけてきた。


何が目的か?


決まっている世界を手に入れる事だ。


世界を美しき氷の姿で永遠に愛でるのだ。


まずは、ここにいる人間を美しい彫刻にかえてやろう。


そして、氷のブレスを吐くが人間どもはあっという間に逃げ出した。


誰も彫像にするどころか凍えさせることさえできなかった。


逃げ足だけは早くなったな。


まぁ、いい。近いうちに私の魔力が全回復すれば、地表は一瞬で氷の世界にして見せよう。


フフフ、世界を私の手にするのが楽しみだ。


ん?地面が揺れている?いや、何か巨大なモノが落ちてきているのか?


天井を見上げた瞬間、巨大な何かが天井を突き破り落ちてきた。


そのまま私は逃げることもできずに――






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