おっさんと新たなる拠点の日々
自暴自棄の女将の言葉を実現するべく、巨大な宿の建設予定地の土地の買収を行った。
民家の場合は別の場所に土地と今まで住んでた家よりも広い家を用意し支度金として普通の人の年収分を渡した。
そして、一番の強敵だったのが骨董屋のご老人だ。
長年住んだ家と店を手放したくないという。老夫婦の経営だ。半分趣味のレベルだろう。
俺はお金の力で王都で暮らしている息子夫婦を呼び寄せ、商業都市に2世帯住宅に住まわせた。
孫の面倒を見るために店をたたんでもらう作戦だ。
頑固な老人も孫には甘い。余生は孫と一緒に穏やかに過ごしてもらおう。
なんだかんだ、あったが老人は納得して土地の権利を渡してくれた。
そうそう、息子夫婦は2人とも宿の従業員として働いてもらう事になっている。
商業都市で一番大きな宿になるんだ、従業員の人数が全然足りない。
女将に土地の買収が終わったと伝えたら、すごく驚かれた。
冗談で言ったことが本当になって、無償の資金提供だと悪いから娘を差し上げますって言われた。
だから言ってやった。
俺は新しい宿の大きなホールのような食堂で働く姉妹が見たい。
そのために資金提供をしていると。
女将は深々と頭を下げて感謝しているが、厨房で働く息子の事を今思い出した。
何て言おうか後で考えよう。
それから1カ月がたった。
魔法建設の力は凄い。
5階建ての建物があと2週間で完成するようだ。
魔法を使って整地して、魔法を使って重い物を持ち上げる。
そして、乾燥も魔法を使い瞬間乾燥。
建築ギルドには相場の2倍で提示したら過剰ともいえる人数で建築をしてくれた。
素晴らしきは金の力。
後は従業員だな。
女将が商業ギルドで募集を掛けていて、順調に人数が集まってきているらしい。
経営に関しては女将に一任している。
素人が経営に口出しても碌な事が起きない。
さて、もうすぐ完成だ。
俺の計画もこれから始まる…
で、宿が完成した。
外観からは冒険者ご用達の宿とは思えないほど清潔さを感じさせる。
1階はフロント、広いロビー、厨房、リネン室、大浴場、従業員用の部屋、倉庫、俺専用の部屋。
2階は食堂、大小様々な会議室、ホールが複数室となっている。
3階以上は個室で一人部屋、2人部屋、3人部屋、4人部屋となっている。
建物は3階以上がコの字型ですべての部屋に窓がある。
部屋数は各フロア50室の計150室だ。
本当はもっと高い建物を考えていたが、5階以上の建物になると建築に時間がかかると言われ、早く立てられて、部屋数も多い5階建てになった。
そして、俺の部屋は俺の希望により一番奥、リネン室と倉庫を過ぎて向かう誰も立ち入ることのない場所を指定していた。
この部屋は他の部屋と違い、女将にも秘密で地下室を作ってある。
1階はベットとテーブル、椅子、収納と他の客室よりも若干広くなっているが普通の部屋だ。
トイレ、風呂も完備している。
そして、ベットの下の隠し扉を開くと地下の小型戦艦の格納庫へと通ずる階段が現れる。
地下格納庫と言っても6畳ほどの大きさの土がむき出しな味気ない空間だ。
その奥に小型戦艦が置かれている。
何もかもが嫌になって逃げる時に使うために定期的に整備はしてある。
使うときは来ないであろうが、整備して置くことに越したことは無い。
これが俺の新しい拠点だ。
なぜ、俺が誰もこないような倉庫の奥に拠点を作ったかって?
それは…
誰にも邪魔されずにゆっくり寝ていたいからだ。
寝ている時に壁から女が押し掛けてきたり、よっぱらいが間違えて部屋のドアを叩いたり、そんな事で大事な睡眠を邪魔されたくないんだ。
人生の半分は寝ているっていうだろ?
さて、新しいベットでの睡眠を試してみますか。
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