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おっさんと救出の日々

オーガの巨大なこん棒の薙ぎ払いで騎士は避けたが、女勇者は反応が遅れた。


直撃する寸前で俺がこん棒を片手で()()()()()


「えっ!」


驚く女勇者だが、直撃していれば命はなかっただろう。


「戦場では一つの物に集中せず、常に全体を把握できるように殺気を鎧越しで感じるのだ」


もしくは、当たっても問題ないくらい頑丈になるか、気付いた瞬間に避けられるくらいの超スピードを得るか。


俺はオーガのこん棒を両手で掴むとそのまま顔面に向かって突進した。


「ぐおおお!」


オーガの顔面にこん棒が直撃し、後方に倒れた。


倒れたオーガがこん棒を離したので、そのこん棒を使いオーガの頭を潰した。


「ぐおおおおおお!」


隣にいたオーガが激高し俺にむかってこん棒を振り上げた。


甘い、隙だらけだ。


俺は持っていたこん棒をオーガの頭部に向かって投げつけた。


目論見通りオーガの頭部にこん棒が突き刺さった。


その瞬間、先に倒したオーガと突き刺さったこん棒が魔素に還元され消えていった。


顔面の潰れたオーガも倒れ魔素に分解されていった。


「あ、ありがとございます。助かりました」


女勇者が頭を下げて礼をいう。


「このダンジョンの魔物は貴公らでは荷が重すぎる。地上まで案内しよう」


「あ、ありがとうございます!」


再び頭を下げる女勇者だった。


「まってください!彼は何者なんですか?助けてくれたのはありがたいですが、怪しすぎます」


騎士の男が言う。


「…君たちのパーティーメンバーが冒険者ギルドで救助要請をした。そして、私は助けに来た。これでは不服かね?」


ギルドの要請を受けたとは言っていないぞ。


「わかりました。一応、信用しましょう。おい、行くぞ」


騎士の男が魔法使いの女性に声を掛けたが、彼女の顔色は血の気を引いたように白い。おそらく、魔法の過剰使用だろう。


「いや、いったん休憩だ。体調をある程度整えなければ危険だ」


「しかし、またあのような邪悪な魔物が現れては…」


「あの程度、いくらかかってきても問題ない。それに、邪悪というが、魔物の発生理由を理解しているのか?」


「魔物は魔王の手先です。昔からそういわれています」


「ふむ、私が調べたところだと、魔素が集積し魔石になり、周囲の環境に適した魔物を輩出しているというのが通説だ」


「そのような通説、聖皇国の騎士として信じられません」


「ああ、もちろん貴公の信じる物の為に戦うのを否定はしない。ただ、貴公が信じるのは経典か司祭か教皇のいづれか?上から教えられたことが全て正しいのか?今一度、経典を読み教皇の言葉を聞くのだ。何が悪で何が善か。自らの頭で考え状況を考察し、騎士とは何なのかをもう一度自分の中で問うといい。そうすれば、貴公はもっと強くなれる」


「…何が悪で何が善か…」


騎士の男はそれっきり考え込んでしまった。


実は、思わせぶりな事を言っただけで、何も考えてなかったんだ。


強い謎の騎士がお前は強くなるってアドバイスくれたら、何かあるんじゃないかと勘繰るだろ?そこに裏があるか無いかわからないが、勝手に結び付けてくれるだろう。


それに、女勇者のキラキラした視線。物語を楽しんでいる観客の目をしている。


昔のゲームやドラマではありがちな展開だからな。


いや、ひょっとしてBLとか考えてないか?


…まぁいい、魔法使いの顔色も戻った事だし、そろそろ出発だ。




道中現れる魔物を力で叩き潰す。


蹴りで骨と内蔵にダメージを与えたり、顔面を殴り陥没させて倒したりと、パワーを見せつけた。


そんな感じで()()()()()()()()をしながら数時間歩き続けてやっと地上が見えてきた。


「ここまでくれば後は大丈夫だろう」


俺の言葉に一同が頷く。休憩せずに歩いたので疲労がたまっているだろう。


「ありがとうございました。無事に帰れる事ができそうです」


女勇者が頭を下げて礼を言う。つむじが右回転か。だからどうしたと言えばお終いだが。


「もし、よかったら私たちとパーティーを組んでいただけませんか?」


「それは遠慮しておこう。私にはやらなければならない事がある。例えば」


俺は言葉の途中で女勇者の前に手を出した。


「こ、これは!」


騎士の男が驚きの声を上げた。


俺がつかんだのは、小さなナイフだ。紫色の毒が塗られている。小さな傷でも命とりになるだろう。


そして、ダンジョンの奥から10人もの黒装束の集団が現れた。


「暗殺者…」


「ああ、君を狙う暗殺者だ。ここは私に任せて先に行くんだ」


「でも、あの人数を!」


女勇者が叫ぶ。


「たったの10人だ。問題ない」


「行きましょう。私たちにはやらなければいけない使命があります」


騎士の男が女勇者を引っ張り出口へ走っていった。


その後を魔法使いが脇腹に手を当てながら滝のような汗をかきながら追いかけて行った。


あの子は体力が無さ過ぎだな。運動しろよ。


暗殺者の一人が俺を飛び越え彼女たちを追おうとしたが、俺は頭上の足を掴むと強引に前に振り下ろした。


「ぐへっ!」


潰れたカエルのような声をして男が倒れた。


「この先に行きたければ、俺を倒すんだな」


俺の発言ってまるで悪役じゃん。



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