おっさんと頼み事の日々
初めて遭遇した。
この世界に生まれて35年。
襲われている馬車を助けるなんて初体験だ。
普通はしっかりと護衛を雇い、安全なルートで目的地まで向かうんだが。
まさか貴族の揉め事に首を突っ込むとは思わなかったぜ。
それに、テンプレに初遭遇して
テンション上がったまま、ノリと勢いで色々やったが…、まぁいいだろう。
それが、致命傷でも気にしないのがおっさんだ。
泉で着替えて、何食わぬ顔で商業都市に戻る。
しかも、私が行った森に近い城門でなく、反対側の方から入る。
面倒ごとはゴメンだ。
そのまま、屋台で冷やかしながら宿へ戻った。
翌日、昼前にイリマに起こされた。
そして、食堂へ行き一緒に飯を食う。
なんでも、貴族の護衛の指名依頼を受けたそうだ。
主犯とみられる人物は一度捕らえられたが、
貴族からの物言いが入り、釈放してしまった。
とても嫌な予感がするから手伝ってほしい。
相方のナーガも知り合いに助勢をお願いに行った。
「なるほど、話は分かった」
俺は頷きながら考えた。そして発した言葉がコチラ
「お断りします」
イリマの顔が一瞬で固まった。石化とでもいうのだろうか?
「そうか、残念だ」
イリマは寂しそうにうつむいた。
「イリマ、手伝ってもいいと思っている。だが、俺が貴族の揉め事に巻き込まれるのはゴメンだ」
イリマは俺の目をじっと見つめて次の言葉を待った。
「これを持っていってくれ」
「これは?」
俺が取り出したのは赤い宝石が2つ。
「この宝石は対になっていて片方に魔力を込めれば、もう片方が振動するんだ。ほら」
俺は片方の宝石を持ち魔力を込めた。すると、もう片方の宝石がテーブルの上で振動した。
「で、これはお互いの宝石が近づけば振動が大きくなり、離れれば小さくなる」
俺は持っている宝石を遠ざけるとテーブルの宝石も振動が小さくなった。
「振動を止めるにはお互いを接触させれは振動は止まる」
2つの宝石を接触させて振動を止める。
「これでピンチのときに駆け付ける。アレが」
「アレって?…まさか…」
「初めてイリマと会った時は、あの恰好だったよな?それからギルドで疑われて、懐かしいな」
「…そんな昔の事を覚えているのか…」
当時のイリマは流行りのビキニアーマーを着ていた。
魔力で防御力を高めているが、魔力が切れれば普通のビキニだ。
そして、そこに攻撃を受ければ…、あとはわかるよな?
それに先ほど出した宝石も、このあと大人のお店で遊ぶために買った大人のオモチャだ。
宝石も大人のオモチャとして使われるよりも、正しい使い方されて本望だろう。
道具をエロに変換できるないか考えるのがおじさんあるあるだよな?
…イリマは俺が銀色の騎士と初めて会った時から疑っていたし、いつかはバレるかもしれない。
それなら、隠し通すよりも打ち明けて便利に使った方がいいだろう。
それに、Aランクの冒険者がピンチになるって、ないだろうからな。
食事を食べ終えた俺たちはそれぞれ、目的地へ向かうために分かれた。
イリマは護衛対象の屋敷へ。
俺は大人のお店へと向かった。
お金で解決できて、あと腐れないって最高じゃん?
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