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おっさんと融資する日々

俺は冒険者ギルド長の執務室に入った。


そこにはギルド長と見たことの無い女性がいた。


眼鏡を掛け、ショートヘアな知的な女性。


「わざわざ来てもらってすまんな。早速だが本題に入らせてもらっていいか?」


話が早くて助かる。


「実は、数年前から冒険者の人数が減っているんだ。それまでは殉職する冒険者の数以上に新人が入っていたんだが、最近は減少傾向にある。このままでは遠からずギルドが成り立たなくなるだろう。そこで、今、巷で賑わっている銀色の騎士使ってアピールしようと思うのだが…、いかんせん、予算が無くてな。融資をしてくれんか?」


はい、来ました。お金の話。お金で解決できるなら出しますよっと。


「構いません。街の為にもなる話ですね。もちろん、融資しますよ」


「ありがとう。必ず、有効に使ってみせよう。それと、こちらの女性を紹介しておこう」


「こんにちわ。私はメリッサと言います。冒険者ギルド本部から派遣されてきました。この度は数多くのご支援ありがとうございました」


メリッサは美しく微笑んだ。普通の男ならイチコロだろう。


それからも彼女の話は続いた。


要約すると、冒険者ギルドの正式なパトロンにならないか?


パトロンになれば、都市間移動時の冒険者の護衛が無料かつ、高ランクになり今まで以上に安全が保障される。


宿へ宿泊する場合も割引が利き、夜には扉の前に護衛が常駐させられる。


また、商売している場合も商業ギルドで融資が受けやすくなり、融通がきくようになる。


などなど、他にも色々あった。


が、俺は断った。


俺には一切関係ない話だ。


まず、俺は他の都市に行かない。行ったとしても走った方が早いし魔物が出ても振り切れるし体当たりで倒せる。


それに商業ギルドに融通が利いても俺にメリットない。商売してないからな。


俺は今まで溜めていた資産を崩しているだけだ。足りなくなったら依頼を受ければいい。


メリッサには色々あって表に名前を出したくないから断ると伝えた。


彼女は少し考えて了承してくれた。


絶対に勘違いしているとおもう。


この街の金持ちは悪人が多い。表向きは海運商会でもやっているのは海賊とか。


悪い事している方が財を築き易い。それがこの街だ。


メリッサは絶対に俺が()()()()と勘違いしてるだろうな。


まぁ、いいや。


そんな感じで話や手続きをしていたら、あっという間に夜になってしまった。


ギルド長との面会を終えて、宿へ帰る。


そろそろ資金が心もとなくなってきた。


と、いうか宿代2日分しか残ってない。


明日()、ちょっと真面目に働くかな?




翌日、俺は早朝と言っても日の出前の時間から宿を出て冒険者ギルドへ向かった。


冒険者ギルドと言っても、商業都市にあるいつものギルドではなく、ずっと離れた場所にあるギルドだ。


魔境都市と言われる危険な魔物が多く出没するダンジョンのあるギルドが目的地だ。


この街の冒険者は最低でもBランクのパーティーでないと厳しいといわれ、場所によってはAランクパーティーでさえ躊躇する場所があるともいわれている。


なので、ここの冒険者ギルドでは高額の依頼が多く存在する。


ダンジョンにある高純度の魔石の採取、魔素貯まりにある泉の水の採取などが一般的だ。


通常のダンジョンモンスターは実体を持たず魔素で出来ているが、長い時間が経つと実体を持つものもあらわれる。そんなレアで長い時間を生き抜き、強くなった魔物の素材が高く売れる。


俺の狙いはその魔物だ。





魔境都市の冒険者ギルドは朝から活気で溢れていた。


どの冒険者も自信に満ちた表情で、装備も全てが魔法がかかった特別製だ。


俺は屈強な男たちに揉みくちゃにされながら、依頼ボードの前に到着した。


Cランクの依頼はあるが、全て他の街へ移動する際の護衛だ。


そして、たくさんのランクフリーの依頼。


全てが魔物の素材だった。


運よく手に入れられたら…、


そんな思いが込められてランクフリー。


どのランクでも買いとってくれる。


色々あるが…、俺が目指すのはドラゴンかな?


コイツ一体で今まで投資した分以上の儲けになる。


ドラゴンがいたら優先的に狩ろう。


俺は街を出てダンジョンへ向かった。


ここの街からダンジョンまでは馬車で行くのが普通らしい。


まぁ、俺は走っていく方が早いし、疲労もしないからな。


途中で何台か馬車を追い抜いたが問題ない。


ぎょっとした冒険者の驚いた顔が面白かったな。




ダンジョンに到着した。


と、言っても洞窟だ。その手前にはテントがあり道具屋や武器屋が出店している。


俺はそれらを眺めながら洞窟に入ろうとした。


「おい、あんた!そんな恰好で入っていくのか?」


俺に声をかけたのは筋骨隆々の屈強そうな男だった。


たしかに、俺の恰好は鎧もなく、持っているのは小さな鉈。


自殺願望者と思われても仕方ない。


「ああ、大丈夫だ。心配してくれてありがとう。」


俺は彼に笑顔で返すと制止する彼の声を聞きながらダンジョンへ入っていった。




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