プロローグ1
魂の試練とか天使が言ってた。
平和な現代日本に生まれ、普通な学生時代を送り就職した。
朝起きて、仕事して、帰って寝る。
毎日が同じ行動の繰り返し。
そして30歳を迎えた朝、会社の目の前の信号で、信号無視の車に轢かれた。
最後に思ったのは、
書類の提出期限が間に合わなくなる…
どこまでも社畜だったんだろう?
そこで、天使に会った。
自分の意識をもったまま転生させてくれるそうだ。
現代知識でチート出来まするぜ!
なんて思ったが、生まれ変わった先は現代日本よりも文明が発達した世界だった。
惑星間航行が普通に行われていて、各地の異星人とも友好的な関係を持ち、交流や文明レベルを上げる。
そんな世界に生まれた。
生まれ変わったのはそんな世界。
裕福な家庭に生まれ、両親の愛情を受けて育った。
学生の適性検査でアストラルの量がありえないくらい多いそうだ。
アストラルとはざっくり言うと魂の大きさ。
アストラルが多くて優遇される仕事は軍だった。
軍では最新の技術でアストラルに憑依させる形で強化服を収納させることが出来る技術があった。
一般的な人のアストラル量では一般的な防御フィールドよりも優れた強化服。
そして、僕の場合は強化鎧だった。
ただでさえ、軍用の強力な生体強化を受けて100メートルを2秒で走れるのに、そんな強化鎧を来て測定したら0.3秒だった。音速じゃん。
その、強化鎧だけど見た目が黒い全身を覆う服の上にシルバーの鎧が体の各所を覆っている。
もちろん、頭部はフルフェイスだ。
もう見た目はどこかの宇宙刑事です。
この鎧のスゴイところは、腰に装着された2本のレーザーブレード。
アストラルを切り裂くので、どんな防御フィールドも無効になる反則武器。
なんだけど、軍が相手にするのは宇宙海賊がメインなので、砲撃戦で終わっちゃいます。
巨大な戦艦も厄介だが、一番ヤバイのは小型戦艦といわれるのが軍艦。
巨大な戦艦はそれこそ惑星規模で一撃で惑星が破壊できる攻撃が出来るし連発も可能。
そして、小型戦艦で一番ヤバイのは一人乗りの戦艦。
電話ボックスくらいの大きさで、てっぺんに筒がある感じなんだけど、攻撃はまず当たらない。
防御フィールドがあるけど、そんな物関係ない。
敵戦艦の攻撃を掻い潜り、砲の射角の内側で防御フィールド内から攻撃されたら、いくら低威力のビームでも脅威になる。
もちろん、海賊もバカじゃない。
小型戦艦に対応するために搭載機を発信させるが、機動性運動性が小型戦艦を下回り、防御フィールドもない攻撃しかできない戦闘機がいくらあっても小型の戦艦に勝てる道理もない。
こうみると、小型戦艦スゲーってなるかもしれないけど、搭乗者からはとても嫌われている。
エネルギーの関係で2日間しか航行できないが、いろんな任務に就かされる。
逆をいえば、2日間ごとに補給しながら一人で対応できる任務を行う。
小型戦艦内の食事は栄養補給のゼリー。
補給するたびに食べられる現地の食事が美味しく感じるという。
一般的にはそんなイメージの小型戦艦。
だけど、自分には違った。
元々の性格なのか、一人が大好きだし食事にもこだわらない。
多くの搭乗員が1カ月で交代を申し出るが、自分はもう何十年何百年とこなしている。
そうそう、この世界では生体強化すると若さが保たれたまま寿命も延びるんだ。
一般的な生体強化で1500歳くらいで軍用の特別版で3000歳くらい。
さらにどこかの王族になると万を超える人もいるとか。
そんな長生きしてどうすんのかね?
それで、自分は多くの任務を成功させて多くの仲間から賞賛を得た。
その分、敵も同じくらい作った。
まさか軍の上層部に敵がいるとは思わなかった。
護衛対象と落ち合った瞬間、惑星破壊砲で星と一緒に爆発しちゃいました。
いくら優秀な強化鎧を装着してても無理でした。
また、天使にあった。
魂の試練だからがんばってねって。
どうやらまだ次があるみたいだ。