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拉致られましたが勇者と申します  作者: チモシー
想像と現実
7/7

驚きと驚きと驚き

「今日いよいよ俺のステータスか! Sランクだからやっぱチート? 無双? ハーレム? どれでもウェルカムだわ!!!」


 鏡水が起きたそばからこんなにポジティブなのは理由がある。 

 

 それは昨日の夜の鏡水が来てくれたことへの歓迎会が開かれたからであった。


 ただの歓迎会ではなく王城でのパーティーだ、当然貴族が沢山くるわけだか鏡水が喜んだのはやはり貴族の令嬢や姫様とのイチャイチャだった。


 Sランクとゆうこともあり寄ってくるは寄ってくるは、そしてひたすら鏡水のことを過剰という言葉では足りないくらいに持ち上げていた、時には初対面の伯爵に娘を貰わないか? などといわれたりもした。(もちろん童貞+彼女いない歴=年齢の鏡水は固まってしまったが)

 

 そんなこんなで今、鏡水はこみ上げてくる興奮と15年間留守にしてた恋愛への衝動が最高潮に高まっていた。


「あと5時間後かまだ結構時間あるな 

うーんもう少し寝るか」


 結局やることがなく二度寝しようとしたが全く興奮が収まらずそのまま悶々と5時間ひたすらベッドでニヤニヤしていた。

 

______________________________


 鏡水がベッドでニヤニヤしてから5時間たった、そして口角が上がるの我慢していると扉からノックが聞こえた。 


「鏡水殿、そろそろお時間です」


 そういい扉を開けたのはセサノスだった。 

 

 それは昨日とは違い護衛用の純白の鎧をきて長いゴールドの髪を後ろで縛っている姿だった、純白の鎧は手入れが行き届いているのが素人目にもわかるくらい輝いていたがよくみると歴戦の傷がそこらじゅうに見られた。


「セサノスさん、凄いカッコいいです!

いやもう騎士の鏡というかファンタジーの鏡というか」


 鏡水にそう言われるとセサノスはまんざらでもない様子でニッコリとしていた。


「実はこれは王自身に用意された鎧です。それを誉められるのは我が身以上に光栄なことです」


 鏡水は王自身に選らばれたことからセサノスがとんでもなく優秀でまた強いことを理解し何故魔王とは戦かわないのか聞いたすると


「私達ではとても敵いませんよ、それに鏡水殿なら私程度すぐに追い越すでしょう

そのくらい才能というのは大事なのです」


 セサノスから私程度といわれても全く信用できず魔王討伐の大変さを改めて感じていた。


「では、そろそろ向かいましょうか」 


 そう言われ用意された黒を基調として周りに剣を模した装飾や金を編み込んで作られた礼服に着替えて祝いの間に赴いた。


_______________________________


 祝いの間に着いた鏡水は自分の目を疑がった。


 目の前には人がごった返しており昨日のパーティー以上だったしかもこれら全ての人が自分を見にくる経験なんて超人気のアイドルや歌手でもない限りまず凡人には経験できないことだ。


 鏡水はここにきて興奮がさらに高まっていった、もうここで魔王余裕宣言なんてしてしまいそうだった。


「マ、マジかもう最高じゃん最高のシーンじゃん、これもし最高のスキルなんてきたら多分その瞬間英雄でしょ‼ 確定でしょ‼」


 鏡水が興奮しているのを尻目に重く沈みこむような声が辺りをつつんだ。


「みなさん、これから勇者のステータス開示の儀式を行います、何卒お静かにそして勇者にご期待していてください」

 

 その声の主を王だと思い探したがどこにもいない、辺りをキョロキョロとしている鏡水をみてその声の主が階段をおりてきた。


「鏡水殿、私はグラート=ジークフリートと申します何卒よろしくお願いいたしますクフフフ」


 いきなり登場した中肉中背の男はグラートと名乗り軽く会釈してきた、見た感じではガノス王の息子と感じたがあまり覇気が感じられず丁寧な口調からはなぜだか逆の気持ち悪い雰囲気が感じられた。


「父、国王から今回のステータス開示の件については任されました。ですから勇者殿の素晴らしさを存分に貴族に知らしめてやりたいと考えております何卒、肩の力を抜きその偉大さを一緒に知らしめましょう!!

二人で!! クフフフ!!」 


「は、はぁ、でも少しでも勇者として認められるように頑張ります」 


 作り笑いをしながら鏡水はこの変なテンションの皇子から距離をとりつつ貴族の方へ向かった。


「ではこちらの水晶に触れてください」


 そうキモ皇子に言われ手にとった水晶はみたことのあるものだった。


「あ、これあっちでみたやつじゃん。やっぱキレイだな」


 このあとはあっちと同じで金の湯気がSと大きく表示され辺りがまた騒がしくなったのをキモ皇子に注意され貴族達が静かになっていった。


「では次にお待ちかねのステータス開示タイムで~す勇者殿よろしくお願いいたします。クフフフ」


 キモ皇子はそう言うと手にもつ金色の龍の装飾が施された手鏡のようなものを鏡水に向けた。


「ではいきますよ勇者殿準備はよろしいでしょうか、クフフフ」


「大丈夫です! むしろここで勇者を見せつけてチートだ 無双だ ハーレムだーー!!!」

 

鏡水は興奮のせいか口調がいつの間にか敬語ではなくなっていた。


「クフフフ、ではいきますよ

神の名のもとに掲示せよ『マティ』!!!」

 

 鏡水は期待ではち切れそうな気持ちをなんとか落ち着かせそして心のなかで叫んでいた


(あぁ生まれて来たことに感謝するよ、今ならリア充すら許せる)


 そしてグラートからスキルとステータスが映った鏡を渡してきた。

 

 そしてそこに映った言葉に鏡水はさっき以上に自分の目を疑がった。


 そこに映った言葉に誤りはなく無機質に淡々と文章がこう映し出されていた。




『スキル:該当なし』




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