異世界と王と緊張
やっと異世界来ました。
「うわぁぁーー ぐぇ……なんだよ、全く
えーとここがじいちゃんの言ってたバルムンク王国だったか? その王城につながってるって言ってたけど暗くてわかんないし少し待っているか」
城については行く前に成道から聞いていた鏡水はある程度冷静になったがそのせいでさっきの家族からの仕打ちに腹を立ていた。
「なんだよ、こっちだって結構気持ち作って来たのにあれじゃもう強制じゃんくそ。
……まぁいっかせっかく異世界来たんだしそのくらいは多めにみてやるか! ん? なんだこれ?」
そう言って空にしてきたはずのポケットに何か入っていることに気づいた鏡水はそれをポケットから取り出してみた。
「紙? なんか書いてある、ん?なになに?
『よぉ鏡水、異世界はどうじゃ? びっくりしたか? 今回の旅でお主はまずその優柔不断な性格を直せ! それが最優先目的じゃぞ、まぁそのついでに魔王倒してこいこっちも適当に頑張れよ。
p.s そっちの文字とか会話、日本語に聞こえるようにしてやったからな、それと早く帰ってこいよ、嫁つれて』
うん、こいつ頭おかしいわ、なんで最優先事項が俺の性格なんだよ!?
まぁたしかに優柔不断ではないとは全く言えないが、でも魔王討伐が二の次って絶対だめだろ、なに考えてんだじいちゃん!」
鏡水が一人でツッコミを入れているのに対して急に光が灯りあたりを照らし、なに者かが入ってきた。
「お初にお目にかかります勇者殿、私はバルムンク王国25代国王ガノス=ジークフリートでございます。ようこそグラム城へ」
そう言って現れたのはオールバックに外国人っぽい顔の掘りの緑の瞳が特徴のじいさんだった。
「はへ?、お、俺じゃなくてわ、私は勇者です」
「ホッホッホ! そんな挨拶をされたのは私、初めてでございます。知らない世界で困っているようですな、この世界についてあちらの部屋でお話しでもしますかな?」
「あ、いやそれは平気です。あっちで丸1日勉強してきたので」
「それは感心だ! ただ少しお話しがしたいのであちらの部屋に来てもらえすかな?」
「分かりました」
「それでは、セサノス、ラグナこのかたを応接室へ案内して差し上げろ」
「は! では……」
「セサノスさん?」
「ホッホッホ おそらく勇者殿のお名前が分からないので少々戸惑ってるようですな」
「あ、す、すいません私の名前は金玉鏡水でしゅ!??」
「ホッホッホ! 若いことはいいことですな~」
こうして、鏡水は名前を噛むとゆう、ベタな失敗をしてますます自分のことを情けなく感じたが、改めて自分は本当に王城に来たんだと実感して興奮もしていた。
それから元いた場所から5分くらい歩い
た所についた。
中には西洋風のフルプレート式の鎧や刀身が紫に輝くThe 魔剣という感じのものがいくつもおいてあったがそれでも圧迫感をあまり感じないのはやはりこの部屋のレイアウトのお陰だろうか、そして真ん中に置かれたおそらく大理石で出来ているテーブル等からここが重要な話しをするための部屋なことは鏡水でも分かった。
「では、改めて鏡水殿、バルムンクに来てくれたことに感謝します。早速ですがこの世界の今の状態をどの程度知っていますか?」
「魔王の勢力が徐々に増えてきて人類との均衡が崩れかけていてると聞きました」
「うむ、たった1日での勉強で知っているとはなかなか勤勉ですな。
しかし今の状態はそれより少し……いや、ごまかすのはやめましょうかなり悪い状態です。この世界の四大大陸をご存知ですかな?」
「はい、確か大陸が三角のように配置されその中心がバルムンクがあるオールでしたか?」
「はいそのおりです。してその内の上の角のラムンが半分以上の領土を奪われました」
「半分以上? それは甚大ですね」
「はい、元々オールは物流が盛んなのですが四大大陸の中で一番武力に乏しい国でもあります。なので早急に戦力を揃えたいのですがそれについてお願いがあるのです」
「はぁ、もしオ、私にできることがあれば全力でやらして頂きます」
「おー! それは嬉しいお言葉だ。ではお言葉に甘えさせていただきます。
実は鏡水殿のステータスの件なのですが公開で貴族連中に見せてやってもよろしいですかな?」
「いいですけど、そんなのでよろしいのですか?」
「是非! ではこの辺で終わりにしましょうか、いきなり願いばかりで申し訳ございませんでした、今夜は鏡水殿の召喚を祝って祝杯をあげる予定ですどうぞ楽しんでください」
「しょ、召喚って、ははは! では少し休ませていただきます」
そう言って鏡水は応接室から出ていった。
(はぁーー緊張したー、あのじいさん貫禄ヤバくない? マジ最初顔見たときチビりそうだったわ)
鏡水はセサノスに案内されて自分専用の部屋についた。
「では、私はこれで」
「ありがとうございましたー」
セサノスが退出した瞬間に鏡水はベッドにダイブしそのまま深い眠りについた。
「あの少年どうでしたか」
「んーーまだ未知数だなセサノスよ、ラグナお前はどう見えた」
「は! あの少年からは特に武勇のオーラや覇者のオーラは見えませんでした」
「それはスキルで見たか? それとも感じただけか?」
「スキルです」
「じゃあ、外れか?」
「いえそれは分かりません。他のオーラが濃すぎて見えませんでした」
「なに! それは本当か!? それはなんのオーラだった」
「絶望のオーラと死のオーラです」
「それは誠か? しかしならば問題ないな全く、師匠も人が悪いな、だがもう心配ない、これで悪い虫を駆除できる」
そしてガノスはゆっくりと立ち上がり静かにしかし、威厳の塊のような声で命じた。
「このまま策を続行する、万全をきし、
徹底的に潰しにかかれ!」
『は!』
「さーて敵を潰すにはまず無能な味方を潰すに限る」
王の言葉は王城の闇に溶けこみ消えていいった。