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拉致られましたが勇者と申します  作者: チモシー
はじまり
5/7

女と家訓と非日常の始まり

少し長くなりました。ここから異世界スタートです。

 翌朝、鏡水は緊張のためか朝の5時に目を覚ました。

 もう監視部屋にもいる理由もないのだが何かしなくては落ち着かず、結局また自然と勉強を初めていた。


「は~~~、俺、今日異世界行くのかー 

なんか現実感0なんだよなー」


 そう言いながら鏡水はもう何回読んだかわからない同じページをひたすらペラペラと読んでいた。


「……じいちゃんがあんなこと言うからそればっか考えちゃってんなー、まぁ普通の思春期のガキなんだからその辺はなー」


 鏡水は昨日、祖父に言われた言葉がどうしても頭によぎりあまり集中出来ないでいた。


「んーーー 異世界の女子が初彼女なのか? いやーでもなーその場合どうなんだ

さすがにこっちに連れてくる分けにもいかんし」


「んー? そんなの簡単じゃよ?」


「へーーそうなんだーっておい、なに思春期の孫の部屋に散歩感覚できてんだよ」


「いやーたまたまじゃよ、た・ま・た・ま

で? なにを悩んでおるんじゃ?」


「悪意しか感じないけどいいや。てかさっき『そんなの簡単じゃよ?』とか言ってたけど、どゆこと?」


「鏡水よ私が以前、勇者であったことは昨日はなしたな?」


「うん。 それがどうしたの?」


「勇者がラスボス倒して得られるものは何だと思う?」


「やっぱ名誉とか最強のスキルとかどっかの姫とかかな?」


「まー大体あっとるな、で! 私はラスボスを倒したのだから当然姫も当然get じゃよ! てか姫目的なくらい惚れていたわ」


「世界を救う動機、不純過ぎだけど、まぁじいちゃんらしいね。で? そのベタ惚れだった姫様どーしたの?」


「ん? いやお主もう何回もあっとるだろ?」


「はーーー? どうゆうこと?」


「いや、ばあちゃんじゃろ」




「・・・・・・は?」


「だから、ばあちゃんじゃよ」


「ばあちゃんて俺の?」


「それ以外のばあちゃん、じゃったら逆に怖いわ」


「異世界の姫様?」


「そうじゃよ」


「・・・・・・」



「・・・・・・」




「はーーーーーー!? んだよそれー!!?

なんで近くに、てか身内に姫さんいるのー!? しかも異世界の、俺の憧れのファンタジーの!?」


「いやだって、勇者じゃもん」


「勇者特典凄くない!?」


「がははは!、あと4時間後には旅立つんだお主も気合い入れとけよ?」


「……や、やっぱ向こうの娘たちって可愛いの?」


「なんじゃ? 興味あるのか がははは!

それでこそ我が孫だ! 確かにあっちの娘たちは常識外れに可愛い! しかーし我が家の家訓、覚えておるな?」


「『女は一人だけ、そいつを泣かすな怒らすな、自分の全てを掲げて愛せ』だっけ?

でもこれって完全に男用だよな? なんで?」


「それ話すと長いからお前が帰ってきたらな」


「期間長すぎだろ、でもなるほどじいちゃんがなんだかんだでばあちゃんを大切にしてる理由がこれか」


「まぁ一番は今でも惚れてるからじゃよ。」


 そう言った成道は顔を少しも赤らめず言ったことから鏡水は本心だと確信した。

 そして心の中で口には出さないがその時の成道が本当にカッコよくみえた。


「さぁ、もう少しじゃとりあえず肩の力抜けよ?」


「分かってるよ、ありがとじいちゃん」


「おう、じゃ後でな」


 こうして成道は監視部屋から出ていった。


「さてと……やりますか!」


 鏡水は自分以外誰もいないこの白塗りの部屋で静かにそう言うと、常識辞典から可愛い種族の説明をここから4時間、片っ端から読み漁った。





 ひたすら黙々と種族の説明を見ている間にすでに4時間が経過していた。

 そろそろこの辺で止めとこうと鏡水が本を閉じた瞬間、狙ったかのように監視部屋の扉が開いて黒のスーツにグラサンとゆう逃○中のハンターのような人達が三人入ってきた。


「そろそろ時間です。ついてきてください」


「わ、分かりました。 それと先日はすいませんでした、いきなりパニックになってしまって」


 鏡水がそう言うとハンターもどき達は一瞬驚いたような顔色をしたがすぐに元の無表情にもどった、だが口元は先程より少し優しくなっているように感じた。


「いえ、それは構いません。むしろあの程度のパニックにしかならいなんてなかなかない精神力だと思います。」


「そういって頂けるとありがたいです。」


 その後、鏡水はハンターもどきに連れられ監視部屋から出てエレベーターにのり、最下層で降りた。


「こちらでございます。」


 着いた部屋は暗くまるで洞窟のようだったが、少し光があったのでそれを頼りに鏡水が奥へ進んでいくとそこには成道と見覚えのある数人と全長3mほどある当たりを照らす反射鏡のよいな装置が見えた。


「やっぱり父さんと母さんか、見送りに来てくれたの?」


「まぁそんなとこだ、で? 今の感想は?」  


 そう言うこの男性は鏡水の父である金玉風月だ。そして隣にいるのは鏡水の母である金玉椿だった。


「気合い十分で興奮してるよ。じいちゃんのおかげかな、ははは」


「それはいいことだ、ならばもう無粋な忠告はやめだな。だが最後に我が家の四家訓をいいなさい」


「はいはい この家訓なんて今考えたら完璧、異世界用じゃん。だから昔から教えてたのか」


「ほらほら早く言わないとまたお父さんがグングニルでさしてくるわよ、これでも元王国最強の聖騎士だったんだからね」


「もう慣れたからツッコまないけどさ、じゃお母さんはどうだったの?」


「私? 私はただの賢者よ」


「一人で魔王の手下1万匹を一時間で灰にしたな」


「ちょっとー?今はそんなことよりほら鏡水の家訓でしょ!」


「帰ったら洗いざらい教えてもらうからね

たく……(ツッコミてーーーー!!)はぁもういいや、じゃいくよ」


 鏡水の家には四家訓と言うものがある。

 この四家訓と言うのは金玉家にとってとても重要なもので鏡水も5歳からずっと耳にタコができるほど何度も聞いてい覚えさせられた。


(今にして思えばあのやたらでかいヤクザの家っぽい屋敷も変な家訓もこれでやっと分かったわ、てか誰も異世界共通の英雄を紹介する窓口なんて想像できるかー!)


 幼い頃から謎だったものを2つ解決し改めて興奮している自分を抑え鏡水は真剣な顔になり言葉はっした、それは鏡水にもこの家訓をいう大切さが分かっていたからだ。


「一つ 自分で決めたことから逃げるな、逃げることは自分を捨てることと同じだから」


「二つ 常に冷静でいろ、注意を怠るな」


「三つ 女は一人だけ、そいつを泣かすな怒らすな、自分の全てを掲げて愛せ」


「四つ 向上心を忘れるな、向上心なき者に得られる物などなにもない。これをもって金玉鏡水の宣言とする!!」





「ふー終わった~ で?次はなにを……

ちょ、ちょっと え? いきなりなに、

ど、どうしたのじいちゃん?、お父さん?」


「さぁいってこい鏡水頑張れよ!」


「いい女にあってこいよ、がははは!」


 そう言われ羽交い締めにされたまま鏡水は巨体反射鏡に入れられ消えていった


「次は壊さないといいな」


「はい、しかし本人も成長しましたし大丈夫でしょう」


「だといいがな」

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