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拉致られましたが勇者と申します  作者: チモシー
はじまり
4/7

知識と驚きとシリアス

 異世界行きが決まってから鏡水は祖父の成道に懇願して異世界の常識を教えて欲しいとお願いした、最初は悩んでいた成道だったが監視カメラつきの部屋から出ないこを条件に許してもらった。


「あ~勉強が楽しいなんて生まれて初めて思ったわ、しかも小説とかとあんま変わんないから覚えやすいしな」


 ほとんど異世界系の世界観と一緒だったので鏡水にとっては簡単だった。

 さらに魔法等の存在もしったのでテンションがエグい勢いで上がっていった。


「えーと忘れないように少しだけ復習しとこ、てか勉強なんか詰め込みしてる時点でやっぱビビってんのか、ははは……」


 鏡水は先日と違って冷静になっていた、だからこそ普段は喉から手がでるほど叶えたい夢であった異世界に行くことに今は少し不安を感じていた。

それに対し自分が自分にまともなとこも残っていたのかと自嘲気味に乾いた笑いが自然とでてきた。


「えーとどこからにしようかな~?」


 鏡水はボッチである。

 基本的に集団行動の場である学校はボッチにとって苦痛でしかないのだが、だからこそ個人の技量が試されるテストが強かった。

 休み時間などはいつも暇なので教科書をみて暇を潰しているのだが、そのお陰でテストはいつも90点台だったのだ。なので後半の徹夜も詰め込みも経験してなかった。

 けれども鏡水は勉強自体が嫌いだった。

 それは勉強自体がボッチの証明だったからである。


「えーとクラスランクについてのページはこれか」


[クラスランク]各個人にあった適正職業の適正度数を表すもの。


[ランクC]

 村を守れる。コモン~レアのスキルを一つ獲得できる。


[ランクB]

町を守れる。レア~ユニークのスキルを2~4もらえる。


[ランクA]

 国を救える。ユニーク~ゴッドのスキルを4個以上もらえる。


[ランクS]

世界を救える。ユニーク~ゴッドのスキルを4個以上もらえる。


「なーるほどな、通りで皆が驚いたはずだ。てか世界レベルって凄いな! じいちゃんの言う通り冷静にいこう。この世界はスキルが命! か、一応魔法とかレベルはあるみたいだけど……えーと次はスキルランクだな」


[スキルランク]スキルの強さ、ランクの大きさと比例して強くなる。


「なんだよ強くなるって。ここら辺適当だよなー、えーと強さの順は『コモン<レア<ユニーク<アルティメット=ゴッド』か、ん? なんでイコールなんだ? 良くわからんが覚えるのは簡単だな」


「おーい入るぞー」


 そういって監視部屋に入ってきたのは成道だった。


「なんだ、緊張しているのか? がははは若いな、まぁ本当に若いんじゃが」


「どうしたのじいちゃん? 用事ないなら出ていって」


「いやー冷たいのーせっかく異世界に行く孫にちょっかいかけにきてやったのに」


「じゃあー帰りやがれ」


「まったくつれんのー、ん? それはあっちの常識辞典か、こんな時間に勉強かい、がははは感心するの~」


「こんな時間っていってもまだ10時じゃん」


「おい、あんま年寄りなめんなよ普段ならとっくに夢の中で若い娘と遊んでおるわ、それが可愛い孫のためにせっかく来てやったのに」


「それ全然素直に喜べない」


 そこから少しの間沈黙ができた、そこで鏡水は昨日から気になっていたことを伝えた。


「じいちゃんも昔勇者だったんだよね?」


「ん? そうじゃよ、それがどうかしたかい」


「じゃあやっぱ魔王倒したんだよね、殺しあいもとかもしたんだよね、こういうこときいてもいいかわかんないど、

その……ど、どんな気持ちだった?」


「そうじゃな……まぁやっぱり辛かったのーあの日々は魔王討伐という重圧が本当にでかかったのー」


「そっか……」


「だがな、やっぱり辛いことには、それと相反する楽しいこともある。それは分かるか?」


「魔法とかスキルでしょ! それとチートで相手をぶっ飛ばす快感とか」


目を輝かしながらそう言った鏡水のことをみて成道は急に真剣な表情になりこう告げた。


「そうか、そういう風に考えておるのか、確かに楽しみはあった方がいいその内容も十人十色だ……だが鏡水、これだけは守ってくれ、自分の快楽に溺れて壊すな、それで

は快感殺人者となにもかわらないからだ、そしてその一回の破壊は次につながるそして最後残るのは……いや何でもない

とにかく、壊すことには責任をもてそれを忘れるな」


 真剣な表情で話していた祖父にはいつもは感じられない覇気が感じとれた。

 そのことに少し鏡水も緊張して背中に冷や汗をかきだした。


「そ、それは大丈夫、その言葉忘れないでおくよ」


 また訪れた少しの沈黙、それを破ったのは成道だった。


「しかし楽しむなと言ってる訳じゃない、むしろ異世界なんて行くんだ存分に楽しめ」


「じゃあ、なにして楽しんだらいいの異世界で?」


「それは人それぞれだな、こっちにない飯とか、仲間との冒険を楽しむとかな、だが」


「だが?」


「やっぱ一番は女じゃろ!」


「俺のシリアス返しやがれエロジジイが!」


 さっきと違い、ニカっと笑う自分の祖父をみてほっとした鏡水は今日一番の気合いの入った突っ込み+蹴りを喰らわした。

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