感動と興奮とチート
「なにしてんのじいちゃん?」
その言葉通り目の前にいるのは、紛れもなく自分の祖父である金玉成道だった。
「おー やっときたか鏡水。じゃこの施設の説明じゃな。ここは代々金玉家に受け継がれてきた英雄斡旋をなりわいとする会社じゃ、具体的には異世界に危機が起こった時駆けつける勇者や賢者を派遣して金もらってるんじゃ。はーい説明終了~~異世界いってらっしゃーい」
「おいまてじいちゃん、説明少なすぎてさすがにこれで行く気がしないし質問が限りなく出てくるから少し質問させて」
あれだけ異世界に行きたいと願っていた鏡水だかさすがに展開が見えなくなっていた。
「まず最初の質問、異世界でなにすればいいの?」
当たり前の質問だがこれを聞かないことには何も始まらないそこら辺の判断は冷静だった。
「なにいってんじゃ、異世界ゆーたら魔王倒すのが基本じゃろ」
「いやどこの常識だよっていーたいけど納得してる自分がいるからムリだわ」
「そうじゃろ そうじゃろ で? 次の質問はいいのか?」
孫の返答にそれでこそ我が孫と言わんばかりにニッコリとしてさっきより満足気な表情で鏡水にきいてきた。
「じゃーお言葉に甘て、なんで俺が選ばれたの? やっぱりチート持ちなの!」
この質問をきいてさっきの満足気な表情から一転して苦虫を噛み潰したような顔で遠くを眺めた。
「うーん、そうじゃな確かにチートは持っているぞ」
「おっしゃゃーこれで無双できる! 俺の夢が今現実になる。やっぱ神様いるんだ、リア充だけが好かれているなんてやっぱり嘘なんだ、ざまぁ~~」
この様子をみた成道は少しほっとしたのと同時に孫が逞しく育ったのをみて嬉しくなったがまた少し思いなやんだようか顔になったいた。
「あーその調子で生きるんだぞスキルは見てのお楽しみじゃ」
「ス・キ・ルだと? やっぱそういうのあんだ最高かよ!」
「あーあるよ、じゃこれでいいかの?」
「待って待って、最後の質問ね、クラスとかやっぱりあるの?」
「あーあるよ、見たいか?」
「当たり前じゃん、どーやって見るの?」
「この水晶を持ってみろ」
渡された水晶は薄い青いろで中心部分が透明になっているキレイというか幻想的とう言葉が似合うほど鏡水が見たなかで一番キレイな鉱物だった
「もてばいいの? ほいっと」
鏡水が水晶を持った瞬間に水晶から金色の湯気がたち、その湯気がだんだんと形を作ってきたそして形を作ると見慣れた文字が浮かぶと同時に周りから感嘆の声が聞こえてきた
「これが噂の勇者のSランクか」
「あの伝説のか」
「さすが血を引いているだけはある」
次々と様々な感想が聞こえたがそれがまるで聴こえないような感覚で鏡水はいた。
「マ、マジで凄いじゃん、これならマジで無双できそうだ」
鏡水が感動と興奮に身を震わせているのに向かって成道が興奮を冷ますようにゆっくり優しくいった。
「確かにお前は強いかもしれんが、必ずそれを憎むこともある。だから次は良く考えて使いなさいそして自分のものにしなさい」
「わかったよ。何事も慎重にが、家訓で良かったよ」
成道の言葉に耳を傾けて少し落ち着いたいた鏡水だがまだ興奮しているせいかその言葉の矛盾に気づかなかった。