表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

花言葉台詞集

作者: ИАIТ(ナイト)

花言葉をモチーフにして書きました。




★青い薔薇


「僕はなんて幸福者(しあわせもの)なんだ

…君とこんな風に付き合えるなんて

想い続けていれば『願いは叶う』なんて言うけれど

信じていなかった

(むく)われない想いを(いだ)いたまま一生を過ごすと思っていた

神様に感謝したい気分だよ。

え?何?『僕に言わなきゃいけない事がある』

何?言ってみて

ええ!君も一目惚れ(ひとめぼれ)だったの!?本当に?

お互いに一目惚れなんて、小さな奇跡だよ

大切にしていこうね…僕達の小さな奇跡を…」



花言葉: 夢叶う 不可能はない 奇跡 神の祝福 神秘的 一目惚れ



────────────────────────


★赤い薔薇


「貴女を愛しています!貴女だけを愛してます!!

貴女の笑顔が大好きです!!!

前向きで頑張り屋で…

他人(ひと)に弱い部分を見せない

強がりなところも……

いつも一緒に仕事をしていたから

それくらい分かりますよ

出来れば 僕を見てください

そして僕との事を考えてみてくれませんか?

頼りないかもしれませんが…

僕は貴女の宿り木(やどりぎ)には なれませんか?

貴女の唯一の存在になりたいんです」



花言葉: あなたを愛してる 愛情 ロマンス

美 熱烈な恋 情熱



────────────────────────


★ラベンダー


「何故黙っているんだよ……

俺はやましいことなんて 何もしてない!誓ってもいい!

君は誰かに 昔の俺の噂でも

吹き込まれたんだろうけど…今はしていない!誓うよ!

お願いだからこっちを向いてくれよ

……わかった。今は俺の事 信じられないんだな

ちくしょう…昔の俺を恨むよ

もしも……少しでも 君の疑いが薄れたのなら教えてくれ。待ってるから」



花言葉: 沈黙 私にふれないで 期待

不信感 疑惑 沈黙 静寂

私に答えて下さい


───────────────────────


★白百合


「逃げても無駄だ

お前は私の花嫁になる運命(さだめ)なのだから

我ら一族には お前の無垢(むく)で純粋な血が 必要なのだ。

暴れるな…フフッ…陶器(とうき)のように(なめ)らかで白い肌

唇は…まるで……さくらんぼのように瑞々(みずみず)しく

手首など簡単に砕けてしまうほどに細い…

(けが)れを知らぬその身体…実に美しい

逆らおうなどと思うな

お前も私に(ひか)れているのだろう?

怯えた瞳の奥に(かす)かに宿る欲情…

私が見抜かないと思ったか?

光栄に思え。優しく、丁寧(ていねい)に、じっくりと

お前を愛してやろう」



花言葉: 純潔 威厳 無垢 洗練された美



────────────────────────


★黒百合


「──いつも(ひと)りだった

誰も僕を愛してくれなかった

孤独を(いだ)き、哀しみの(かたわ)らに(うずく)まり

唇をかみしめ、嗚咽(おえつ)を押し殺し、

一生 独りで生きていくのだと思っていた

そんな時 突然 彼女が僕の前に現れた

幾度(いくど)ともなく逢瀬(おうせ)を重ね、

『貴方は独りじゃない』…そう言って抱きしめてくれた

彼女の喜ぶ顔が見たくて 一輪の花を渡した

高い所にひっそりと咲くその花は、

まるで僕のようだと思った

突然 彼女の顔は恐怖と嫌悪に変わっていった

僕を罵倒(ばとう)し始める

何故 そんなに怒るの?待って!いかないで!!

その先は──

短い悲鳴が聞こえた

彼女が消えた其所(そこ)には……

渡した花だけが残っていた」



花言葉: 呪い 愛



───────────────────────


★アネモネ


「今年から僕も社会人 一人前の大人の仲間入り!

そして今夜は会社の皆と飲み会なのだ ガンガン飲んじゃうぞ

「いやー!仕事後の1杯は最高だよな!」とか言ってみたかったんだよね

でもぶっつけ本番だと失敗するおそれもあるよな…う~ん……よしっ!

給湯室、給湯室っと 仕事中だからお茶で我慢 我慢

ゴクッゴクッゴクッ…ぷっはあぁぁぁぁ!やっぱ仕事後の1杯はこれだよなぁぁぁ!!

…ん?今、声が聞こえたような……

わっ!?あっあの これはですね 今夜 初めての飲み会に備えて練習というか…その……

えっ!?『内緒にしてあげる その代わり それはやめたほうがいい』って何故ですか?

えっ!?親父臭い!?……そんなぁ、練習した意味は?僕の夢は?……はぁ…」



花言葉: 期待 純潔無垢 無邪気



────────────────────────


彼岸花(ひがんばな)


「河岸に無数に咲く花 見渡す限りの赤……(あか)……(あか)……

視界が歪む 頭が 朦朧(もうろう)としてくる 手足が震え、立っていることすら困難になる

何故 僕は 現世(ここ)にいるのだろう 何故 あの人は 現世に いないのだろう

消えて逝く瞬間 貴女が最後に考えた事は何? 最後に浮かんだ顔は誰?

僕には答えを見出(みいだ)(すべ)はない

このまま僕も 貴女の傍に いけたなら……

不意に身体が弧を描くように地面に吸い込まれていく

見渡す限りの緋色に包まれる

──あの人のように──

花を手折り 口付けをするーーあの人を…想いながら──」



花言葉: 悲しき思い出 あきらめ 死人花

地獄花



────────────────────────


★カトレア


「ベッドに(もた)れながら紫煙(しえん)(くゆ)らし それを見つめる彼女

気怠(けだる)げに髪を搔き上げる。どんな仕草も優美で、魅惑的で、僕は思わず魅入ってしまう

彼女しか目に入らない 彼女のことしか考えられない

まるで思考を操られているかのようだ。エメラルドグリーンの瞳が(そば)に来てと妖しく誘う

一歩 また 一歩と 彼女との距離が縮まる。身体まで奪われたように彼女の意のままに動く

彼女の紅く艶めいた唇が優しく囁く。

そう言えば今朝 枕元にミルクを必ず置くようにと

神父様に言われていたけど、すっかり忘れていた

彼女に逢うことしか考えていなかった

何故 神父様は そんな事を言ったんだっけ……

もう 何も考えられない。彼女のこと以外 考えたいとは思わない。

あぁ 何だか 瞼が重くなってきた…

泥濘(ぬかるみ)でも歩いているみたいに身体が動かない

目が閉じる直後に見えたのは…言葉では 表せない程 美しい、彼女の微笑みだった──」



花言葉: 優美な貴婦人

成熟した大人の魅力 魔力 魅惑的



────────────────────────


★ガーベラ


「──歩く足が おぼつかない 夏でもないのに 汗が頬を伝う──

気持ちが悪くて何度も……何度も袖で拭う

──何故 こんな結果に? つい昨日までの自信に満ち溢れていた自分はどこにいった……

今はまるでボロ雑巾(ぞうきん)のように項垂(うなだ)れ、打ちひしがれている

なんてザマだ…壁に(もた)れ、周りをゆっくり見渡す


一人の女性がオープンカフェの開店準備をしていた

一つ一つのテーブルに花を生けたグラスを置いていく

その花を見ていると 少しだけ気持ちが浮上してきた

──どんなに挫折しようが 諦めない限り失敗ではない── 祖父の口癖を思い出した

一つ呼吸を置いて 前を見つめ しっかりとした足取りで歩き始める

まずはコーヒーでも飲もう

「おはようございます」と言った女性は

…グラスの花のように明るく 綺麗な笑顔を 私に向けた」



花言葉: 希望 常に前進



───────────────────────



勿忘草(わすれなぐさ)


「ベッドに横になり デスクに置いてある花を眺めていた

2年前に渡米した彼女が空港でくれた花だった

綺麗な青紫の花のひっそりと(たたず)(さま)は彼女に似ている

それをキッカケに この花を買うようになった

お互いに別れたわけではないと俺は思っている

彼女からも別れの言葉は聞いてない

ただ笑顔で『いってくるね』とだけ……

あれから暫くは通話したり メールもしていた。

ただお互い仕事が忙しくて、ここ半年は連絡を取る暇がなかった

離れているのだから 共有する時間を作る努力をしないと

距離が距離だけに不安が心を占めていく

元気にやっているだろうか、新しい恋人でも出来たのだろうか、

──彼女の温もりが恋しい

今日はやけに彼女の事を思い出す

その時 突然 携帯が鳴った

懐かしい声が帰国の報告を告げた」



花言葉:真実の愛 私を忘れないで

真実の恋



───────────────────────



★睡蓮

「わたくしは、神に心身(しんじん)を捧げた身

世俗(せぞく)を断ち切り此方(こちら)に参りました。

わたくしは弱く愚かな人間でした。

欲にまみれ 富を(むさ)り 人を(だま)して生きてまいりました

美しい皮を被った醜い悪魔なのです

わたくしの行いが神の逆鱗(げきりん)に触れたのでしょう

終焉(しゅうえん)はすぐに訪れました

神は私に問われたのです「その身をもって己の罪を(つぐな)うか?数多あまたの試練がお前を試すぞ」と

わたくしは喜んで神からの「試練」を受け入れました

長い年月(としつき)を、その試練に費やしてきました

やっと…やっと、それらから解放される日が近づいてきたのに……

それなのに……最後の試練は貴女なのですか……

やはり神は私をお許しになるつもりは なかったのですね

この世に貴女を愛さない人間なんていない。わたくしも同様に……」



花言葉:純潔、清純な心 清浄 甘美 信仰 冷たさ 滅亡




───────────────────────


★桔梗


「僕の可愛いお人形さん

今日の着物もよく似合っているよ

ほら この花を髪に挿してあげようね……やっぱり良く似合う

わざわざ庭に出向いて取って来た甲斐があった

絹のような髪、白い肌、紅を引いたように赤い唇

最初は手を焼いたものだ 君は意外とお転婆(てんば)さんなんだね 知らなかったよ

今の君はとてもお利口さん……ただ少しだけ寂しいかな、昔愛した君の面影はないから

あの時 僕に刃向かわなければ……大人しく僕の愛を受け入れてくれていたのなら

君は……君のままで いれたのにね

それでも僕は どんな風に変わっても愛しているよ

僕だけを見てくれる 僕だけのお人形さん」



優しい愛情 誠実 従順 清楚 気品 変わらぬ愛 変わらぬ心



────────────────────────


★黄色のカーネーション


「ハァハァハァ……嘘だ…誰か嘘だと言ってくれ!

俺はさっき()()たりにした光景を必死に打ち消そうとしていた

手足が震え、嫌な汗が額から首筋へと流れ落ちていく

こみ上げてくる吐き気を何度も飲み込む

世界がグニャリと歪んで見える

嘘だ…彼女があんな事をしていたなんて……

今まで俺が見ていた彼女はどこにいった?全部…全部が作り物?

──嫌だ!信じたくない!!──

もたつく足取りで目に入った蛇口へと向かう。

蛇口を(ひね)り頭から水を被る──全てを洗い流すかのように

その場に崩れ落ち、嗚咽(おえつ)を漏らす

──僕の恋は終わった

見なければよかった……あんな光景、胸が(きし)んで呼吸が追いつかない

この痛みから逃れるには……

辺りを見回す…………細長く そびえる白い建物が視界に入る

惹き付けられるように あの建物を目指す

──あそこへ行けば……楽になれるのだろうか……」



花言葉:軽蔑 拒絶 拒否



────────────────────────


★オレンジ色の百合


「何をしているんだ!帰るぞ!

……何故あの男の所へ行った!俺は大丈夫だと言ったはずだ

あんな男の嫌がらせなんかで俺は潰れたりしない

だから…お前が責任を感じる事なんか一つもないんだ

お前がアイツに抱かれようとしたのは、俺の為なんだろ?

馬鹿野郎……お前は何も悪くない

あの男はお前を気に入っていた

俺から奪うためなら何でもする奴だ それ位分かっていたよ

見損なうな 俺が簡単に消えてしまう男だと思うか?

良いんだよ……分かれば

ドアを開けた時、一瞬、俺よりアイツを選んだのかと思って大声を上げてすまなかった

そんなハズはないのに……さあ 、帰ろう 2人の家へ」



花言葉:華麗 愉快 軽率 憎悪


────────────────────────


罌粟(けし)


魔窟(まくつ)には無数の煙が立ち込めている

手の込んだ細工が(ほどこ)された翡翠のパイプからは魅惑の香りが漂う

男も女も老人も若者も皆 怠惰(たいだ)を貪り

精気の消えた()で薄ら笑いを浮かべている

ここは彼等にとって天国なのか 地獄なのか……

──魔窟の主が現れた

怠惰を貪る彼等を一瞥(いちべつ)し、丸め係に何かを告げている

僕を見つけると妖しく微笑み こちらに来いと手招きをした

蜘蛛の糸に絡め取られた虫のようだ

足掻(あが)いても (のが)れられない

[ 絶望 ]と[ 死 ]という甘美な期待が 混ざり合い せめぎ合う

彼女の元へ行くと 骨が軋む程 抱きしめられ、耳元で甘い言葉を囁かれる

僕の背中に甘い痺れのようなものが走り抜ける

優しく髪を撫で上げられ、唇を指でなぞられる

彼女はまるでこの魔窟を具現化したように甘くまとわりつき

……僕の思考を鈍らせていく」



花言葉:慰め 怠惰 無気力



使って頂きありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ