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ステータスSの勇者、異世界でいく

作者: 大鳥居

 俺は異世界に転移した。

 トラックを召喚して自身を生け贄にして、だ。

 偶然に図書館で見つけた『基礎からの黒魔術~異世界への誘い~』を参考に、放課後、理科準備室で実践した成果だ。


 気がつけば森の中。

 そして、俺のそばにはゆるふわカールの銀髪が美しい、年の頃は10才といった感じの美少女が横たわっていた。


 そういえば転移してきた瞬間、誰かの驚くような声が聞こえた気がする。声の主はこの少女だったと言うことだろう。


 とりあえず少女を放置したまま、俺は恒例と言っても良いだろうステータスを開く。

 ずらりと並んだ項目。


 名前:三田賀谷さんだがや 修平しゅうへい

 年齢:16

 性別:男

 種族:ヒューマン

 職業:勇者

 Lv:1


 攻撃力:S

  知力:S

  魔力:S

 素早さ:S

  ・・・・・・。


 全ての項目でSの評価。


 計画通りというべきか、ご都合主義というべきか。

 だが、これが俺の新しい人生の始まりなのだ。


 前の世界では存在感の欠片すら認めて貰えなかった俺。


 だが、この世界では俺に肩を並べることの出来る存在は居ないかもしれない。それほどのステータスを俺は現時点で保持しているのだ。あとは経験を積んでレベルを上げるだけ。


 ひとしきり現状に満足したところで、俺は隣で気を失っている少女を起こしにかかる。


 「おい、目を覚ませ。大丈夫か?」

 「・・・・・・うーん」

 「お、気がついたか」

 「えっ!?」

 少女は目を覚まし、驚きの声を上げる。


 Sランクのイケメン勇者様が優しく起こしているのだ。驚かないわけがない。


 だが、少女は予想に反した行動をとる。


 「やっ・・・・・・、やぁぁぁあぁ」

 少女の驚きと拒絶を伴った悲鳴。


 ドン。


 俺は少女に突かれ、勢い良くその場へ倒れ込んだ。


 ――あれ!?


 その瞬間、意識が遠のく感覚。

 それは俺にとって俄に理解の出来ない状況だった。


 俺は意識の端にある、開いたままだったステータスを再確認する。

 一番下の項目。

 見落としていたその項目。


 <スペ体質:S>


 ――なんじゃ、そりゃあぁぁぁぁぁぁぁ。

 

 俺は効果音が鳴っているのに気付く。

 ・・・・・・そして、それはこの世界での終わりを告げる効果音だった。


良くある話(短編的に)

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