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テンガロンハットの登場

テンガロンハットが銃撃戦のフィクションにしか出てこないって?いやいや、アメリカ西部は地獄だぜヒャッハー。

というわけで前話との前後関係はぶっ飛びました。この作品は・・・だいたいこんなテンションです。気づいたら随筆に変わっているかもしれません。でも、これはサイエンスフィクションです。サイエンスはフィクションで、登場人物と団体もフィクションです。

裏が取りたい人はJAXAやNASAの公式ページで現在の彼らの頑張り振りを確認して応援してくれると嬉しいです。フレー!フレー!火星往還機!

フレーーフレー宇宙探査予算!!!

会議場となった停泊中の客船は、船というよりは巨大なビルかドームのような存在感で、船酔いとは無縁の重厚感と安定感に包まれていた。こういった会議ではお決まりのパターンとも言えることだが、人を酔わす美酒と豪華な雰囲気が立ち込めている。

最初は中国開催で南京が第一候補と聞いてこれは参加を見合わせることになるかと肩を落としたものだが、裏で何があったのか、開催場所は信頼と実績の香港になった。

一歩会場を出ると真夏の日本の気温。九州沖縄の本気の日差しに、日本でも感じたことがないほどの猛烈な湿気だ。

そして、ここの住人もこの気候を嫌っているのだろう、親の敵のように外熱を駆逐すべく全力のクーラーが全部の建物、全開のドアで冷却だ。


「彼は宗教上の理由で飲まないのかい?」

長躯痩身のテンガロンハットが3杯目の赤ワインを僕に勧めながら、別領域担当のショタジジ推進機関系技官にも一杯勧めていいか確認してくる。

「見た目の年齢に従えばいいんじゃないでしょうか」と口走りそうになって英文がちゃんと浮かんだところでギリギリ理性が働いた事に自分に回りつつあるアルコールがまだ潤滑油に留まっていることを確認してから、

「日本のアルコール外交は、僕と管制系の姉御が担当しているんですよ」

「そうか、それではドクター加藤に我が地元のバーボンを宣伝しなくてはな」

「ええ、あれは素晴らしいものです」

そしてテンガロンハットは英国紳士をからかうような素敵な所作でボーイからグラスを取り寄せると、十分な総量を誇りながらも魅力が溢れすぎてターゲットでないところに拡散しがちなカエル婦人こと加藤先生に並々とウィスキーを注いだ。

「燃料も補給できましたので、最後にもう一度中心的試験項目を流してきますよ」

国際会議ではすっかり定番になってしまった、日本人以外に通じないように横文字(テストシナリオを試験項目に戻したりとかね)を取り除いた短い申し送りを済ませて、僕は腹ごなしの機械いじりにもどった。


プログラムやら国際規格ジャンキーというのは案外可愛い奴等で、僕みたいに英語が適当なエンジニアでも、関連用語三文字略語で埋め尽くせば、笑えるほど日本人発音でも文法適当でも通じる。幸いここ2年半は日本でもお前の言ってることはわからんと上司に放任されつつあるほど太陽系を駆け巡る通信に溺れていた僕の単語力は、この分野でだけは人類世界の第一線で渡り合えるところまで来ていた。いや、それは嘘だけど、渡り合えると思い込まないと恥ずかしくて死んじゃうので渡り合えると思い込むことにした。ちょっと泣きたい。


「ヘーイ野球得意そうな名前のジャッキー!中継局とはキャッチボールおk?」

「静止軌道は肩が弱すぎて大渋滞!っていうかデブリに捕まったことにして中継用キャラのステリセして仕切り直したい・・・orz」

エンジニア同士なんてこんなもんだ。持ち回りで今回はきっつい方を引いてるアメリカさんの担当エンジニアの顔がそろそろクンマってきた。

少子高齢化と人材不足は先進国共通の悩みらしく、この温厚で優秀な男は同時進行で3つも先端研究の実験に参加していて、この国際会議がはじまってから裏方作業が大炎上して三日帰っていない。

さすがに三日帰っていないと船内探検はだいぶ進んだようで、一つ下のフロアにゼロカロリーコーラ、二つ下のフロアにドクターペッパーがあることを突き止めていた。やっぱりマッドサイエンティストにはドクペらしい。

しかし、切り返しの冴えなさから考えても、今日は割りと本気で参っているらしかった。

恥ずかしながら、現時点で投稿のストックはほとんどございません。

今日中に手元のものを吐き出して、感想が10件くらいいただけるようなら年末年始に頑張って続きを書こうかなーって思ってます。

なお、感想は誤字脱字は除きますが他の指摘や批判を含みます!

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